アストラゼネカのイミフィンジとイジュドの併用療法、進行肝がんを対象にした第Ⅲ相HIMALAYA試験において、4年経過時点で4人に1人の患者さんが生存し、持続的にOSを延長

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年6月29日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

この疾患・ステージを対象とした第Ⅲ相試験において、最長の生存期間フォローアップとなる追跡データ

AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、第Ⅲ相HIMALAYA試験の最新の結果を発表しました。本試験において、アストラゼネカのイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])とイジュド®(一般名:トレメリムマブ[遺伝子組換え]、以下、イジュド)の併用療法が、全身療法による治療歴がなく、局所療法が適さない切除不能な肝細胞がん(HCC)患者さんの治療薬として、4年経過時点で持続的で臨床的に意義のある全生存期間(OS)の延長効果を示しました。

今回のHIMALAYA試験の結果は、スペイン・バルセロナで開催された2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)世界消化器がん会議で発表されました(抄録#SO-15)。

新たに発表された4年間の追跡データから、イミフィンジにイジュドのプライミング単回投与を追加したSTRIDE(Single Tremelimumab Regular Interval Durvalumab)レジメンが、ソラフェニブと比較して、死亡リスクを22%低減させたことが示されました。(ハザード比[HR]は0.78; 95%信頼区間[CI]0.67-0.92;イベント発現割合78%)。STRIDEレジメン群の患者さんの推定4年生存率は25.2%で、ソラフェニブ群の患者さんでは15.1%でした。また、探索的解析により、肝疾患の病因(B型肝炎ウイルス[HBV]、C型肝炎ウイルス[HCV]または非ウイルス性肝炎)または他のベースライン時の患者背景にかかわらず、事前に規定していたすべてのサブグループおよび少なくとも3年間生存した患者さんにおいて、ソラフェニブと比較して、STRIDEレジメンの治療効果が一貫していたことが示されました。

スペイン、パンプローナのClínica Universidad de Navarra肝臓ユニット長および内科教授であり、本試験の治験責任医師であるBruno Sangro医学博士は次のように述べています。「これまで、進行肝がん患者さんの5年生存率は7%に過ぎなかったことを鑑みると、HIMALAYA試験の長期生存データは特に意義あるデータと言えます。STRIDEレジメンで治療された患者さんの4人に1人が4年経過時点で生存しており、本対象疾患における標準治療としてのこの新たなレジメンの価値を裏付ける結果となりました」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「進行肝がんにおいてイミフィンジとイジュドの併用療法で示された4年生存率の顕著な改善は、対象となる患者さんを幅広く世界中でSTRIDEレジメンによって治療することを支持するものです。HIMALAYA試験から得られた今回の最新結果は、異なるステージの肝がん患者さんに対して革新的な治療を提供することを目的とした一連の臨床試験の結果です」。

HIMALAYA試験の最新結果概要

HIMALAYA試験の最新結果概要

STRIDEレジメンの安全性プロファイルは各薬剤の既知のプロファイルと一致していました。グレード3または4と、死亡を含む重篤な治療関連有害事象(TRAE)の発現率は、ソラフェニブ群の9.6%に対し、STRIDEレジメン群では17.5%でしたが、STRIDEレジメン群では主要解析後に新たな事象は発生していません。

イジュドとの併用療法におけるイミフィンジは、米国、欧州(一次治療)、日本およびその他の数カ国で、進行性または切除不能なHCCの成人に対する治療薬として承認されています。本邦においてはイミフィンジ単剤療法もこの適応で承認されています。

以上

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肝がんについて
肝がんは、世界でがんによる死因の第3位であり、6番目に多く診断されるがんです1,2。肝細胞がん(HCC)は全原発性肝がんの75%を占めます1。進行HCCは予後不良で、5年生存率は7%に過ぎません3。また、すべてのHCC患者さんの80~90%は肝硬変を併発しています4。肝硬変をはじめとした慢性肝疾患は、関連する炎症が時間の経過とともに免疫抑制をもたらし、HCCを発症する可能性があります4

さらに、患者さんの半数以上は、病期が進行して症状が現れてから初めてHCCと診断されます5。加えて、HCCは、治療選択肢が限られているため、患者さんにとって重大なアンメットニーズが存在する分野です5。肝がんにおける特有の免疫環境が、HCCの治療において免疫系の力を利用する医薬品の研究の強い根拠となっています5

HIMALAYA試験について
HIMALAYA試験は、イミフィンジ単剤療法およびイミフィンジ1,500 mgに加えて、免疫誘導(プライミング)を目的にイジュド300 mgを初回単回追加投与し、その後4週間ごとにイミフィンジを投与するレジメンと、マルチキナーゼ阻害薬である標準治療薬のソラフェニブを比較した第Ⅲ相無作為化非盲検国際多施設共同試験です。

本試験の対象集団は、切除不能な進行HCC患者さんのうち、全身療法による治療歴がなく、局所療法(肝臓とその周辺組織の局所療法)が適さない患者さん(無作為化した合計1,324例)でした。

本試験は、米国、カナダ、欧州、南米、アジアなど16カ国181施設で実施されました。主要評価項目は、併用療法群のソラフェニブ群に対する全生存期間(OS)、重要な副次評価項目群はイミフィンジ群のソラフェニブ群に対するOS、併用療法群とイミフィンジ単剤療法群の客観的奏効率と無増悪生存期間(PFS)でした。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、第Ⅲ相試験であるTOPAZ-1試験とHIMALAYA試験に基づき、米国、EU、日本、その他数カ国で、局所進行性または転移性の胆道がん(BTC)に対する化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用に加え、切除不能な肝細胞がん(HCC)に対するイミフィンジ単剤(HCCに対するイミフィンジ単剤での承認は日本のみ)あるいはイジュドとの併用で承認されています。

消化器がん領域でのこの適応に加え、イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象に、切除不能なIII期の局所進行非小細胞肺癌(NSCLC)における根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。

また、本剤は、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型小細胞肺がん(SCLC)の治療薬として、米国、EU、日本、中国をはじめ多くの国々でも承認されています。さらに、第Ⅲ相POSEIDON試験に基づき、イミフィンジと化学療法の併用療法にイジュドを定められた回数のみ追加投与する治療法が、米国、EUおよび日本で承認されています。数カ国では、進行膀胱がんの治療歴のある患者さんの治療薬としてイミフィンジは承認されています。

2017年5月に初めて国際承認されて以来、20万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。

また、広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても検討されています。2023年、当社は、卵巣がん(DUO-O)および子宮内膜がん(DUO-E)のほか、切除可能な非小細胞肺がん(AEGEAN)を対象とした併用療法におけるイミフィンジを検討した第Ⅲ相試験の良好な結果を発表しました。

特に消化器がん領域を対象として、アストラゼネカでは、複数の肝細胞がん(EMERALD-1試験、EMERALD-2試験、EMERALD-3試験)や局所進行性食道がん(KUNLUN試験)を適応としてイミフィンジを検討する別々の臨床試験が進行中です。2023年6月、イミフィンジはNCCNガイドラインの標準治療である術前化学療法との併用療法を評価した第Ⅲ相MATTERHORN試験において、主要な副次評価項目である病理学的完全奏効(pCR)率を達成しました。

なお、本リリースに記載の効能又は効果(適応症)については本邦で承認されている記載と異なる場合があります。本邦における承認状況については、最新の電子化された添付文書をご確認ください。

イジュドについて
イジュド(一般名:トレメリムマブ[遺伝子組換え])は、細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の働きを標的とするヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4の作用を阻害することによりT細胞を活性化させ、がんに対する免疫反応を増強し、がん細胞死を引き起こします。

承認された肝がんおよび肺がんの適応に加えて、イジュドは、HIMALAYA試験以外にも、局所HCC(EMERALD-3試験)、SCLC(ADRIATIC試験)および膀胱がん(VOLGA試験およびNILE試験)などの様々ながん種を対象にイミフィンジとの併用療法が検討されています。

なお、本リリースに記載の効能又は効果(適応症)については本邦で承認されている記載と異なる場合があります。本邦における承認状況については、最新の電子化された添付文書をご確認ください。

消化管がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開しています。2020年、約510万人が新規に消化器がんと診断され、約360万人が死亡しました6

このプログラムにおいて、当社は胃がん、肝細胞がん、胆道がん、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。

BTCやHCCなどの適応に加え、現在、イジュドなどとの併用療法で、早期から後期がんまでを対象とした広範な開発プログラムの中で、肝細胞がん、食道がん、胃がんの治療薬としてイミフィンジの評価が行われています。

リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA遺伝子変異陽性の転移性膵がんの患者さんを対象に承認されています。リムパーザは、MSD(米国およびカナダではMerck & Co., Inc.)と共同で開発と商業化を行っています。

このほどアストラゼネカは、KYM Biosciences Inc.とCMG901に関して独占的なグローバルライセンス契約を締結しました。CMG901は、胃がんの有望な治療ターゲットであるClaudin 18.2を標的とするファーストインクラスの抗体薬物複合体であり、現在第Ⅰ相開発段階にあります。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、トレメリムマブやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、バイスペシフィック抗体や標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬など、次世代免疫療法の探索も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん腫において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を大胆に追求しています。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性が非常に高いより早期の疾患におけるIO治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカは、がん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. ASCO. Liver Cancer: View All Pages. Available at:
https://www.cancer.net/cancer-types/liver-cancer/view-all. Accessed June 2023.
2. WHO. Liver Cancer Fact Sheet. Available at:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/11-Liver-fact-sheet.pdf. Accessed June 2023.
3. Sayiner M, et al. Disease Burden of Hepatocellular Carcinoma: A Global Perspective. Digestive Diseases and Sciences. 2019; 64: 910-917.
4. Tarao K, et al. Real impact of liver cirrhosis on the development of hepatocellular carcinoma in various liver diseases—meta‐analytic assessment. Cancer Med. 2019;8(3):1054-1065.
5. Colagrande S, et al. Challenges of advanced hepatocellular carcinoma. World J Gastroenterol. 2016;22(34):7645-7659.
6. WHO. World Cancer Fact Sheet. Available at:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/900-world-fact-sheets.pdf. Accessed June 2023.

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