アストラゼネカのイミフィンジと化学療法の併用療法、第Ⅲ相MATTERHORN試験において、胃がん/食道胃接合部がんにおける病理学的完全奏効率を有意に改善

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年6月2日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

この疾患において、免疫療法と化学療法の併用による
臨床的ベネフィットを示した初の国際共同第Ⅲ相試験

本試験では引き続き無イベント生存期間を評価していく予定

AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、第Ⅲ相MATTERHORN試験の事前に計画された中間解析の良好な結果概要を発表しました。この解析では、切除可能な早期の局所進行性(II、III、IVA期)である胃がん/食道胃接合部がんの患者さんを対象として、NCCNガイドラインの標準治療であるFLOT(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン、ドセタキセル)による術前化学療法に追加してイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])を投与した場合と、術前補助化学療法を単独で行った場合との比較において、主要な副次評価項目である病理学的完全奏効(pCR)率に、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示されました。

本試験は予定通り継続し、治験チーム、治験担当医師、治験参加者に対する盲検性は維持しつつ、無イベント生存期間(EFS)と全生存期間(OS)を評価していきます。

FLOTによる術前化学療法に追加してイミフィンジを投与した場合の安全性および忍容性は、この併用療法の既知のプロファイルと一致しており、化学療法を単独で行った場合と比較しても、手術可能な患者数が減少することはありませんでした。

Vall d'Hebron University Hospital(スペイン、バルセロナ)の腫瘍内科部長であり、MATTERHORN試験の国際治験調整医師でもあるJosep Tabernero医学博士は次のように述べています。「切除可能な胃がん/食道胃接合部がんの患者さんは、現在、根治目的で手術を受けても4分の1の患者さんは1年以内に病勢進行してしまうため、より良い治療選択肢を緊急に必要としています。今回の結果から、術前のFLOTによる化学療法にイミフィンジを追加投与することで、pCR率が改善したことが示されました。複数の疾患において、pCR率は、EFSとOSの両方に相関していることから、本試験の対象である患者さんにとっても、このレジメンが長期的な臨床上のベネフィットをもたらす可能性があり、今後に期待の持てる結果となりました」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「今回発表されたMATTERHORN試験の結果は、早期の胃がん/食道胃接合部がん患者さんにおける転帰の改善を目的とした新たな治療アプローチとして、化学療法や手術とともに免疫療法が活用できることを裏付けています。これらの所見は、消化器がんの患者さんに対する治療方針の再構築につながる可能性のある、イミフィンジをベースとした新たな治療を提供するという我々の重点目標にさらに説得力を与えるものです」。

胃がんは、世界的にがんによる死因の第4位となっており、胃がんと診断される人は毎年100万人を超えています。米国、EU、日本では、2030年までに約7万人の患者さんがII~III期の胃がんまたは食道胃接合部がんと新たに診断されると推測されています1。根治を目的に手術を受けても約4分の1の胃がん患者さんが1年以内に再発することから、高いアンメットニーズがあることがうかがえます2

今回のデータは各国の規制当局にも共有され、近く開催される医学学会で発表される予定です。

※イミフィンジの胃がん/食道胃接合部がんへの適応は、本邦未承認です。

以上

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胃がん/食道胃接合部がんについて
胃がんは世界的に5番目に多いがんであり、がんによる死因の中では4番目に多いとされています3。2020年には約100万人が新たに胃がんと診断され、76万8000の死亡例が世界で報告されています3

食道胃接合部がんは胃がんの一種であり、食道と胃の結合部で発生し、広がっていきます4

切除可能な胃がんの患者さんの場合、根治目的で手術を受け、術前あるいは術後補助化学療法を行っても再発することがよくあります2。加えて、胃がんの5年生存率は依然として低く、5年後にも存命しているのは多くても3分の1の患者さんに留まります5,6

MATTERHORN試験について
MATTERHORN試験は、切除可能な、II~IVA期の胃がん/食道胃接合部がんの患者さんに対する周術期治療としてイミフィンジを評価する、第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験です。周術期治療には、ネオアジュバント/アジュバント療法とも呼ばれる、術前術後の治療が含まれます。本試験では、958人の患者さんが無作為化され、術前にはFLOTによる化学療法と1500 mg固定用量のイミフィンジを併用投与、またはFLOTによる化学療法とプラセボ併用投与を4週間ごとに2サイクル受け、続いて術後にはイミフィンジまたはプラセボの投与を4週間ごとに最長で12サイクル受けました(これには、イミフィンジまたはプラセボに加え、FLOTによる化学療法を受ける2サイクルと、イミフィンジまたはプラセボだけの単剤療法を受ける追加の10サイクルが含まれます)。

MATTERHORN試験の主要評価項目は、無作為化から病勢進行または死亡までの期間と定義したEFSです。主要な副次評価項目には、OSやネオアジュバント療法後に切除した腫瘍組織に検出可能ながん細胞が認められなかった患者の割合と定義したpCR率などがあります。本試験は、米国、カナダ、欧州、南米、アジアを含めた20カ国、176施設で実施されています。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、第Ⅲ相試験であるTOPAZ-1試験とHIMALAYA試験に基づき、米国、EU、日本、その他数カ国で、局所進行性または転移性の胆道がん(BTC)に対する化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用に加え、切除不能な肝細胞がん(HCC)に対するイミフィンジ単剤(HCCに対するイミフィンジ単剤での承認は日本のみ)あるいはイジュド(トレメリムマブ)との併用で承認されています。

消化器がん領域でのこの適応に加え、イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象に、切除不能なIII期の局所進行非小細胞肺癌(NSCLC)における根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。

また、本剤は、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型小細胞肺がん(SCLC)の治療薬として、米国、EU、日本、中国をはじめ多くの国々でも承認されています。さらに、第Ⅲ相POSEIDON試験に基づき、イミフィンジと化学療法の併用療法にイジュド®(トレメリムマブ)を定められた回数のみ追加投与する治療法が、米国、EUおよび日本で承認されています。数カ国では、進行膀胱がんの治療歴のある患者さんの治療薬としてイミフィンジは承認されています。

2017年5月に初めて国際承認されて以来、20万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても検討されています。

特に消化器がんを対象として、アストラゼネカでは、複数の肝細胞がん(EMERALD-1試験、EMERALD-2試験、EMERALD-3試験)や局所進行性食道がん(KUNLUN試験)を適応としてイミフィンジを検討する別々の臨床試験が進行中です。

なお、本リリースに記載の効能又は効果(適応症)については本邦で承認されている記載と異なる場合があります。本邦における承認状況については、最新の電子化された添付文書をご確認ください。

消化管がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開しています。2020年、約510万人が新規に消化器がんと診断され、約360万人が死亡しました7

このプログラムにおいて、当社は胃がん、肝細胞がん、胆道がん、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。

BTCやHCCなどの適応に加え、現在、イジュド(トレメリムマブ)などとの併用療法で、早期から後期がんまでを対象とした広範な開発プログラムの中で、肝細胞がん、食道がん、胃がんの治療薬としてイミフィンジの評価が行われています。

リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA遺伝子変異陽性の転移性膵がんの患者さんを対象に承認されています。リムパーザは、MSD(米国およびカナダではMerck & Co., Inc.)と共同で開発と商業化を行っています。

このほどアストラゼネカは、KYM Biosciences Inc.とCMG901に関して独占的なグローバルライセンス契約を締結しました。CMG901は、胃がんの有望な治療ターゲットであるClaudin 18.2を標的とするファーストインクラスの抗体薬物複合体であり、現在第Ⅰ相開発段階にあります。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、トレメリムマブやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、バイスペシフィック抗体や標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬など、次世代免疫療法の探索も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん腫において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を大胆に追求しています。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性が非常に高いより早期の疾患におけるIO治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカは、がん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Kantar Health, validated with SEER stage at diagnosis and Cabasag et al. and Kuzuu et al. 2021
2. Li Y, et al. Postoperative recurrence of gastric cancer depends on whether the chemotherapy cycle was more than 9 cycles. Medicine. 2022;101(5):e28620.
3. World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Stomach Fact Sheet. Available at:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/7-Stomach-fact-sheet.pdf. Accessed May 2023.
4. National Cancer Institute. Gastroesophageal junction. Available at:
https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms/def/gastroesophageal-junction.
5. American Cancer Society. Stomach Cancer Survival Rates. Available at:
https://www.cancer.org/cancer/types/stomach-cancer/detection-diagnosis-staging/survival-rates.html. Accessed May 2023.
6. Cancer Research UK. Survival for stomach cancer. Available at:
https://www.cancerresearchuk.org/about-cancer/stomach-cancer/survival. Accessed May 2023.
7. World Health Organisation. World Cancer Fact Sheet. Available at:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/900-world-fact-sheets.pdf. Accessed May 2023.

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