アストラゼネカのイミフィンジとリムパーザの併用療法およびイミフィンジの単剤療法、いずれも化学療法への追加で進行子宮内膜がん患者さんの無増悪生存期間を有意に延長

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年5月26日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

DUO-E試験はこの対象疾患において、PARP阻害を免疫療法へ加えることにより
臨床的ベネフィットを示した最初の国際共同第Ⅲ相試験

AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、第Ⅲ相DUO-E試験の良好な結果概要を発表しました。新たに診断された進行または再発子宮内膜がん患者さんを対象とした本試験では、イミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ、以下、イミフィンジ)と白金製剤ベースの化学療法との併用療法後に、維持療法としてのイミフィンジとリムパーザ®(一般名:オラパリブ、以下、リムパーザ)の併用療法またはイミフィンジの単剤療法のいずれもが、標準化学療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。維持療法としてのイミフィンジとリムパーザの併用療法では、より強い臨床的ベネフィットが認められました。

本解析時点では、全生存期間(OS)のイベント数は不十分でしたが、いずれの投与レジメンでも延長傾向が認められました。

子宮内膜がんは女性では世界で6番目に多いがんであり、2020年には417,000人以上が診断され、97,000人以上が死亡しています1。また、今後診断される患者数は2040年までに約40%増加すると予想されています2。現在、進行子宮内膜がんの標準治療は化学療法です3,4。しかし、子宮内膜がんの初回治療における長期的な転帰は現在も不良のままであり、新たな治療選択肢が必要とされています5,6

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの婦人科腫瘍学および生殖医学科教授であり、DUO-E試験の治験責任医師でもあるShannon N. Westin氏は次のように述べています。「今回発表されたデータは、イミフィンジによる免疫療法が子宮内膜がん患者さんの病勢進行を有意に遅らせる可能性があり、PARP阻害剤であるリムパーザを追加することで、その治療ベネフィットを更に大きくできる可能性を示した素晴らしいデータです。これらの薬剤による併用療法は、患者さんの転帰を改善させる新たな治療アプローチとなりえるでしょう」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「今回のDUO-E試験のデータによって、免疫療法とPARP阻害薬を組み合わせることにより、子宮内膜がん患者さんに臨床的に意義のある改善をもたらすことが初めて示されました。これらの結果は、がん治療を再定義するという目標への私たちの意欲をはっきりと強調するものであり、このイミフィンジとリムパーザの併用療法を、子宮内膜がんの患者さんに可能な限り早くお届けしたいと考えています」。

イミフィンジと化学療法の併用療法およびイミフィンジとリムパーザの併用療法の安全性および忍容性プロファイルは、過去の臨床試験、および個々の医薬品の既知のプロファイルと概ね一貫していました7,8

これらのデータは近く開催される医学学会で発表される予定であり、規制当局とこれらのデータについて協議できることを期待しています。

※イミフィンジ、リムパーザおよびイミフィンジとリムパーザの併用療法における子宮内膜がんに対する適応は、本邦未承認です。

以上

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子宮内膜がんについて
子宮内膜がんは、子宮の内膜組織から発生する極めて不均一な疾患であり、診断時の平均年齢は60歳超で、すでに閉経している女性にもっとも多くみられます9-11。子宮内膜がんの発現患者数および死亡患者数は、2020年に417,400人および97,400人であったのが、2040年にはそれぞれ608,130人および157,813人に増加すると予想されます1,2

子宮内膜がん患者さんの大部分は、がんが子宮に限局している早期段階で診断されます。これらの患者さんは、概して手術および/または放射線療法による治療を受け、高い5年生存率(約95%)を示しています。しかし、進行した病期(III~IV期)の患者さんは、通常は化学療法を受け、予後はより不良で、5年生存率は約20~30%に低下します4,5,11-13

がんがすでに進行または再発している患者さんについては治療選択肢が限られており、がんがホルモン療法に反応を示す可能性は低いと考えられるため、化学療法による治療が行われます5,6

DUO-E試験について
DUO-E試験(GOG 3041/ENGOT-EN10)は、新たに診断された進行または再発子宮内膜がん患者さんを対象とした、第Ⅲ相3群無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験です。本試験では、初回治療としてイミフィンジと白金製剤ベースの化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)の併用療法後に、イミフィンジおよびリムパーザの併用またはイミフィンジ単剤による維持療法を実施した場合と、白金製剤ベースの化学療法単独とを比較検討しました。

DUO-E試験では、新たに診断された、または再発性のステージIIIまたはIVの子宮内膜上皮がん(肉腫を除く)の患者さん699人が無作為化され、標準治療である白金製剤ベースの化学療法との併用で、イミフィンジ1120mgまたはプラセボの3週間ごとの投与を受けました。化学療法終了後、リムパーザ300mg、1日2回(150mg錠×2、1日2回)またはプラセボとの併用で、維持療法としてイミフィンジ1500mgまたはプラセボが、病勢進行まで4週間ごとに24ヵ月間投与されました。

2つの主要評価項目は2つの試験薬群と対照群の比較におけるPFSでした。層別化因子の1つはミスマッチ修復機能のステータスでした。重要な副次的評価項目は、OS、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、並びに安全性および忍容性でした。本試験は、米国、欧州、南米およびアジアを含む22ヵ国、253の医療施設で実施されました。

本試験の詳細情報については、ClinicalTrials.govをご確認ください。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象として、切除不能なIII期の局所進行NSCLCにおける根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。

また、本剤は、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型SCLCの治療薬として、米国、EU、日本、中国をはじめ多くの国々でも承認されています。さらに、第Ⅲ相POSEIDON試験に基づき、イミフィンジと化学療法の併用療法にイジュド®(トレメリムマブ)を定められた回数のみ追加投与する治療法が、米国、EUおよび日本で転移性NSCLCの治療薬として承認されています。

肺がんにおける適応に加えて、イミフィンジは米国、欧州、日本およびその他の数カ国において局所進行または転移性胆道がんにおける化学療法との併用療法で、米国、EUおよび日本において切除不能な肝細胞がんにおけるイジュドとの併用療法で、および少数の国において進行膀胱がんの治療歴のある患者さんの治療薬として承認されています。

2017年5月に初めて承認されて以来、15万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても検討されています。

なお、本リリースに記載の効能又は効果(適応症)については本邦で承認されている記載と異なる場合があります。本邦における承認状況については、最新の電子化された添付文書をご確認ください。

※膀胱がんに対するイミフィンジの適応は、本邦未承認です。

リムパーザについて
リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異などの相同組換え修復関連(HRR)の欠損を有する、あるいは他の薬剤(NHAなど)によりHRRの欠損が誘導される細胞または腫瘍のDNA損傷応答(DDR)を阻害する最初の標的治療薬です。

リムパーザによるPARP阻害により、DNAの一本鎖切断部位上にPARPがトラップされ、複製フォークの失速と崩壊が起こり、DNAの二本鎖切断が形成されてがん細胞死をもたらします。

リムパーザは現在、白金製剤感受性再発卵巣がんの維持療法、BRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)および相同組換え修復欠損(HRD)を有する進行卵巣がんの初回治療後の維持療法としての単独療法およびベバシズマブとの併用療法を含め、様々ながん種を対象に多くの国で承認されています。さらに、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性転移性乳がん(EUおよび日本では局所進行乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がん(日本ではすべてのBRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm転移性膵がん、および化学療法が臨床的に適応とならない転移性去勢抵抗性前立腺がんのアビラテロンとの併用療法(EUのみ)、およびNHA治療による前治療のあと進行したHRR関連遺伝子変異陽性転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)(EUおよび日本ではBRCAmのみ)に対しても承認されています。中国においては、リムパーザはBRCA遺伝子変異陽性mCRPCの治療薬、ならびにHRDを有する進行卵巣がんにおけるベバシズマブとの併用療法としての初回治療後の維持療法として承認されています。

アストラゼネカとMSDにより共同で開発、商業化が行われているリムパーザは、全世界で75,000人を超える患者さんの治療に使用されています。両社は、リムパーザを各社が開発しているPD-L1およびPD-1治療薬との併用で、独自に開発しています。リムパーザは、がん細胞におけるDDRメカニズムを標的としたアストラゼネカの業界トップクラスの新薬候補ポートフォリオの基盤となる薬剤です。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と薬剤耐性、DNA損傷応答、抗体薬物複合体、エピジェネティクスおよび細胞療法の6つの科学的基盤を強化し、個別化併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. World Cancer Research Fund International. Endometrial Cancer Statistics. Available at
https://www.wcrf.org/cancer-trends/endometrial-cancer-statistics/. Accessed May 2023.
2. IARC. WHO. Corpus Uteri. Estimated Numbers From 2020 To 2040, Females, Age [0-85+] World. Available at:
https://gco.iarc.fr/tomorrow/en/dataviz/trends Accessed May 2023.
3. Carlson R. Advanced Endometrial Cancer Carboplatin-Paclitaxel Regimen Promising. Oncology Times. 2003;25(22):36.
4. Ferris JS, et al. Uterine Serous Carcinoma: Key Advances and Novel Treatment Approaches. International Journal of Gynecological Pathology. 2021;31(8):1165-1174.
5. Matrai CE, et al. Molecular Evaluation of Low-grade Low-Stage Endometrial Cancer with and Without Recurrence. International Journal of Gynecological Pathology. 2022;41(3):207-219.
6. Soumerai T, et al. Clinical Utility of Prospective Molecular Characterization in Advanced Endometrial Cancer. Clin Cancer Res. 2018 Dec 1;24(23):5939-5947.
7. FDA. Highlights of prescribing information - Lynparza. Available at
https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2020/208558s014lbl.pdf. Accessed May 2023.
8. FDA. Highlights of prescribing information – Imfinzi. Available at
https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2020/761069s018lbl.pdf. Accessed May 2023.
9. Dork T, et al. Genetic Susceptibility to Endometrial Cancer: Risk Factors and Clinical Management. Cancers (Basel). 2020 Sep;12(9):2407.
10. American Cancer Society. What is Endometrial Cancer? Available at
https://www.cancer.org/cancer/endometrial-cancer/about/what-is-endometrial-cancer.html. Accessed May 2023.
11. Oakin A, et al. ESMO Guidelines. Endometrial Cancer: ESMO Clinical Practice Guidelines for Diagnosis, Treatment and Follow-Up. Ann Oncol. 2022 Sep;33(9):860-877.
12. Wright JD, et al. Contemporary Management of Endometrial Cancer. Lancet. 2012 Apr 7;379(9823):1352-60.
13. Monk BJ, et al. Real-World Outcomes in Patients with Advanced Endometrial Cancer: A Retrospective Cohort Study of US Electronic Health Records. Gynecologic Oncology. 2022;164(2):325-332.

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