本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年5月22日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、チェコのプラハで開催された欧州心臓病学会の心不全2023年総会において、第Ⅲ相DELIVER試験の2つの新たな解析結果を発表しました。本解析結果から、心不全(HF)の罹患期間に関わらず、循環器・腎・代謝(CVRM)疾患の様々な併存状態におけるフォシーガの一貫したベネフィットが裏付けられました1,2。
第Ⅲ相DELIVER試験の事前規定された解析として、左室駆出率(LVEF)が40%超の心不全患者さんにおけるフォシーガの治療効果を、HFの罹患期間(6カ月以内、6カ月超~12カ月以内、1年超~2年以内、2年超~5年以内、および5年超)別に検討しました。その結果、フォシーガのベネフィットがHFの罹患期間に関わらず一貫していることが示されました1。さらに、高齢かつ1つ以上の併存疾患を有し、HF悪化および死亡率の高い、罹患期間が長期にわたるHF患者さんにおいて、絶対利益が増加しました(治療必要数(NNT):HF罹患期間5年超の患者さんと6カ月以内の患者さんとの比較で24:32)1。
CVRM関連の併存疾患の有病率および様々な併存状態でのフォシーガに対する被験者の反応を評価した第Ⅲ相DELIVER試験の事後解析結果も発表され、同時にJACC Heart Failureに掲載されました2。本解析結果によると、LVEFが40%超のHF患者さんでは、5名中4名以上の割合で他のCVRM疾患を少なくとも1つ併発しており、5名中1名の割合でHFに加えて3つのCVRM疾患を併発していました。フォシーガは忍容性が良好であり、その治療ベネフィットはCVRM疾患の併存状態に関係なく一貫していました2。
ハーバード大学医学部およびブリガム・アンド・ウイメンズ病院の内科学教授で、第Ⅲ相DELIVER試験の主任治験責任医師を務めるScott Solomon氏は次のように述べています。「現在の診療では、罹患期間が長期にわたる心不全患者さんは、新しい治療を追加しても反応しない、または忍容性が低い進行性疾患に罹患しているとみなされる可能性があります。第Ⅲ相DELIVER試験のデータは、SGLT2阻害剤であるダパグリフロジンによる治療ベネフィットは心不全の罹患期間にかかわらず一貫しており、患者さんにとって治療が決して遅すぎることがないことを示しています。このデータは、心不全におけるダパグリフロジンの有効性に関するエビデンスの拡大を裏付け、ダパグリフロジンが、新たに診断された患者さんと同じように長期に罹患している患者さんに対しても役立つことを実証しています」。
アストラゼネカのバイオ医薬品事業部門担当、エグゼクティブバイスプレジデントであるRuud Dobberは次のように述べています。「CVRM疾患が患者さんそして社会に及ぼす影響は計り知れません。しかしながら、これらの患者さんに対する診断、治療は不十分であり、CVRM疾患における相互関係も十分に認識されていません。第Ⅲ相DELIVER試験の結果から、心不全患者さんが2型糖尿病や慢性腎臓病といった他のCVRM疾患を併発していることがいかに一般的であるかが浮き彫りとなりました。今回発表された新たな解析は、あらゆる心腎疾患に対してベネフィットをもたらす、フォシーガの価値をさらに示しており、心不全や他のCVRM疾患を有する何百万人もの患者さんの治療を根本的に変えるという私たちのコミットメントを強調しています」。
心不全は慢性かつ長期的な疾患であり、時間の経過とともに悪化します3。また、心不全患者さんの約半数は診断後5年以内に亡くなります4。さらに、関連する他のCVRM疾患を合併することが多く、管理が一層困難になります5。慢性腎臓病(CKD)患者さん5人のうち最大1人が心不全を発症し、心血管系(CV)併存疾患のなかでもっともよくみられるものです6,7。
これらの知見は、以前に報告された第Ⅲ相DELIVER試験および第Ⅲ相DAPA-HF試験の結果に基づいています。これらの試験は、HF患者さんに対する基礎治療薬としてフォシーガの使用を支持するエビデンスを提供し、駆出率(EF)に関わらず死亡率の低下を示す唯一の心不全治療薬としてフォシーガを確立しています8,9。
第Ⅲ相DELIVER試験におけるフォシーガの安全性および忍容性プロファイルは、これまでに十分確立されているフォシーガの安全性プロファイルと一致しました。
以上
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心不全について
心不全は慢性かつ長期的な疾患であり、時間の経過とともに悪化します3。全世界で約6,400万人が罹患しており10、非常に高い罹患率と死亡率を伴うことが特徴です4。慢性心不全は、65歳以上で入院する方の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっています11。心不全は多くの場合、心臓が収縮するごとに送り出される血液量の割合の測定値である左室駆出率によって12、左室駆出率の低下した心不全(HFrEF。左室駆出率40%以下)、左室駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF。左室駆出率41~49%)、左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF。左室駆出率50%以上)といったいくつかの種類に分類されます13。心不全患者さんの約半数はHFmrEFまたはHFpEFで14、治療選択肢がほとんどないのが現状です。
DELIVER試験について
DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者さんの治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第Ⅲ相試験です。フォシーガは、基礎治療(SGLT2阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧などのすべての併存疾患に対する地域の標準治療)への追加治療として1日1回投与されました15。
DELIVER試験は、左室駆出率が40%超の心不全患者さんを対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者さんが無作為化されました15。第Ⅲ相DELIVER試験に参加した6,263例のうち、心不全のみは少なく(13%)、1,952例(31%)は心不全に加え1つのCVRM疾患、2,245例(36%)は心不全に加え2つのCVRM疾患、1,236例(20%)は心不全に加え3つのCVRM疾患に罹患していました2。
主要複合評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間としました。重要な副次評価項目は、心不全イベント(心不全による入院または心不全による緊急受診)および心血管死の総数、8カ月時点でのカンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)の総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間などです15。
DAPA-HF試験について
DAPA-HF(Dapagliflozin And Prevention of Adverse-outcomes in Heart Failure)試験は、2型糖尿病合併の有無にかかわらず、HFrEF患者さん4,744例を対象とし、フォシーガ 10mgを1日1回、標準治療に追加投与したときの効果を、プラセボとの比較により評価するようデザインされた、第Ⅲ相国際多施設共同並行群間無作為化二重盲検比較試験です。主要複合評価項目は、心不全の悪化(入院またはそれに相当するイベント[心不全による緊急受診])の初回発生までの期間または心血管死でした。フォローアップ期間の中央値は18.2カ月でした。重要な副次評価項目は、心不全による入院(再入院を含む)および心血管死の総数、8カ月時点でのカンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)の総症状スコアのベースラインからの変化量などでした16。
フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する抑制効果、ならびに、心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景に、重要な知見である臓器保護効果が示されています16-18。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こす可能性があります10,19-21。
フォシーガは、食事療法や運動療法を補助する、コントロール不十分な2型糖尿病の治療薬として、成人および10歳以上の小児患者さんを対象に承認されています。フォシーガは、第Ⅲ相DAPA-HF試験および第Ⅲ相DAPA-CKD試験の知見に基づき、成人患者さんにおけるHFrEFの治療、および成人患者さんにおけるCKDの治療薬としても承認されています。
アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について
バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝(CVRM)は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
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