本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年5月17日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
FLAURA2試験の結果は、EGFR遺伝子変異陽性進行肺がんの1次治療における標準治療である
タグリッソ単剤のベネフィットを基盤とした新たな治療オプションの可能性を裏付けた
AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、第Ⅲ相FLAURA2試験の良好な結果概要を発表しました。局所進行(IIIB~IIIC期)または転移性(IV期)上皮増殖因子受容体変異(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象にした本試験において、タグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)と化学療法との併用療法は、タグリッソ単剤療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。
タグリッソと化学療法との併用療法における安全性と有害事象による投与中止の割合は、各薬剤の確立されたプロファイルと一貫していました。なお、本解析時点では、全生存期間(OS)についてはイベント数が不十分であったため、今後の解析時に評価します。
世界で肺がんと診断される患者さんは年間220万人と推定されています。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、80~85%がNSCLCと診断されています1-3。さらに、約70%のNSCLC患者さんが進行がんと診断されます。欧米ではおよそ10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています4-6。
Dana-Farberがん研究所の腫瘍内科医でありFLAURA2試験の治験責任医師であるPasi A.Jänne医学博士は次のように述べています。「タグリッソの単剤療法はEGFRm NSCLCに対する世界的な標準治療として、この疾患における治療を変え、多くの患者さんに対して生存率改善の機会を提供してきました。FLAURA2試験の結果は、タグリッソと化学療法の併用療法が、タグリッソ単剤療法と比較して薬剤耐性および病勢進行の期間を遅らせたことにより、患者さんおよび臨床医にとって新たな選択肢として説得力のあるエビデンスを示しました」。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「今回のFLAURA2試験の素晴らしい結果は、タグリッソの一次治療を受ける患者さんに対して、病勢進行なく生存できる期間の延長に繋がる新しい治療選択肢となる可能性を示しています。これは、EGFRm NSCLCにおける本剤の臨床的ベネフィットの拡大を示してきた、一連の試験に基づく大変意義のある結果です」。
これらの詳しいデータは、近く開催される医学学会で発表され、各国の規制当局と共有される予定です。
タグリッソは早期EGFRm NSCLCを対象とした第Ⅲ相ADAURA試験、局所進行または転移性EGFRm NSCLCを対象とした第Ⅲ相FLAURA試験の両試験において転帰改善を示しており、今回の結果はこれまでのEGFRm NSCLCにおけるタグリッソの広範なエビデンスをさらに裏付けるものです。また、早期および進行期において中枢神経系(CNS)転移への臨床活性が証明されています。
アストラゼネカの肺がんの早期治療における継続的な取り組みの一環として、切除不能なNSCLC患者さんを対象に化学放射線療法後のタグリッソを検討した第Ⅲ相LAURA試験が進行中であり、この結果も今年後半に得られる予定です。
※FLAURA2試験は製造販売後臨床試験として実施中であり、タグリッソと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法については、有効性および安全性は確立されていない旨が添付文書に記載されています。
以上
*****
肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています1。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられます2。また、NSCLC患者さんの大半は進行がんと診断されます7。
EGFRm NSCLC患者さんは特にがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路をブロックするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります8。
FLAURA2試験について
FLAURA2試験は、局所進行(IIIB~IIIC期)または転移性(IV期)EGFRm NSCLC患者さん586人に対する一次治療を検討する第Ⅲ相無作為化非盲検国際多施設共同試験です。患者さんは、タグリッソ80mgの経口錠剤1日1回に化学療法(ペメトレキセド(500mg/m2)およびシスプラチン(75mg/m2)またはカルボプラチン(AUC5))を3週間ごとに4サイクル、その後はタグリッソとペメトレキセドによる維持療法を3週間ごとに投与)を併用する治療を受けました。
この試験は、米国、欧州、南米およびアジアを含む20カ国以上の150を超える施設で実施されました。主要評価項目はPFSでした。試験は現在進行中であり、引き続き、副次評価項目である全生存期間を評価する予定です
タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床活性が実証されています。当社は引き続き、様々な病期の、EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者さんの治療薬として、タグリッソを研究していきます。
タグリッソの単剤療法は、一次治療として局所進行または転移性EGFRm NSCLC、および局所進行または転移性EGFR T790M遺伝子変異陽性NSCLC、加えて早期(IB、IIおよびIIIA)EGFRm NSCLCの術後補助療法として、米国、EU、中国および日本を含む100カ国以上で承認されています。これら3つの適応において、タグリッソは近年、統計学的に有意または臨床的に意義のあるOSを示しました。
進行期におけるタグリッソと化学療法の併用療法の検討(FLAURA2試験)に加え、当社は早期の肺がんに焦点を当てた第Ⅲ相試験を複数実施中です。また、タグリッソは、切除可能な術前補助療法(NeoADAURA試験)、IA2~IA3期の切除可能な術後補助療法(ADAURA2試験)、およびIII期の局所進行の切除不能な症例(LAURA)において検討中です。
また、第Ⅱ相SAVANNAH試験、および第Ⅱ相ORCHARD試験、ならびに経口投与の強力かつ選択性の高いMET TKIであるサボリチニブとタグリッソをの併用療法を検討する第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。
当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ(オシメルチニブ)、イレッサ®(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびイジュド®(トレメリムマブ)や第一三共と共同開発を進めているエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)およびダトポタマブ デルクステカン、HUTCHMEDと共同開発を進めているsavolitinibなど、新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれます。
アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。
※ダトポタマブ デルクステカンおよびsavolitinibは本邦未承認です。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed May 2023.
2. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at:
https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed May 2023.
3. Cheema PK, et al. Perspectives on treatment advances for stage III locally advanced unresectable non-small-cell lung cancer. Curr Oncol. 2019;26(1):37-42.
4. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
5. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
6. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
7. Cagle P, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Archives Pathology Lab Med. 2013;137:1191-1198.
8. Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061