リムパーザとイミフィンジの併用療法、tBRCA変異のない初発の進行卵巣がん患者さんを対象とした第Ⅲ相DUO-O試験において、PFSを延長

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年4月5日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、第Ⅲ相DUO-O試験における良好な中間解析の結果を発表しました。卵巣がんと新たに診断され、腫瘍におけるBRCA遺伝子(tBRCA)変異のない進行性高異型度上皮性卵巣がん患者さんを対象とした本試験において、事前に予定されていた中間解析で、リムパーザ®(一般名:オラパリブ)、イミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])、化学療法およびベバシズマブの併用療法群は、化学療法とベバシズマブの併用療法群(対照群)と比較して、無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。患者さんは、イミフィンジと化学療法およびベバシズマブとの併用療法後に、維持療法としてイミフィンジ、リムパーザおよびベバシズマブを投与されました。

また、化学療法、ベバシズマブにイミフィンジを追加したもう一つの併用療法群では、対照群と比較してPFSの数値的な延長が示されたものの、この中間解析では統計学的有意には達しませんでした。

本中間解析時点では、全生存期間(OS)およびその他の副次評価項目についてはイベント数が不十分であったため、今後の解析時に正式に評価します。

卵巣がんは最も一般的な婦人科系がんの1つです1。患者さんの2/3以上が進行性と診断されます。病勢進行は早く、2年以内に進行することもよくあり、治療してもQOLが低下します。また、残念ながら進行卵巣がん患者さんの50~70%は5年以内に死亡されます2-5

ドイツのEvangelische Kliniken Essen-Mitteの婦人科および婦人科腫瘍科長で、本試験の国際治験調整医師であるPhilipp Harter氏は次のように述べています。「DUO-O試験は、卵巣がんの患者さんに対する新たな併用療法を開発する上で、アカデミアと産業界との協業の力を示すものです。本試験を可能にした世界中の学術共同研究グループや患者さんに感謝し、その成果を臨床コミュニティと共有できることを期待しています」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「進行卵巣がんの治療は著しい進歩が認められるものの、依然としてアンメットニーズが残っています。今回のDUO-O試験のデータは、tBRCA変異のない患者さんにおいて、リムパーザとイミフィンジ併用療法の良好なエビデンスを示しています。また、患者さんにとっての新たな治療アプローチを継続して探求するという私たちのコミットメントを強化するものです。主要な副次評価項目および関連するサブグループのデータを理解していくことが重要になります」。

これらの併用療法の安全性および忍容性は、過去の臨床試験、および個々の医薬品の既知のプロファイルと概ね一貫していました。

これらのデータは、近く開催される医学学会で発表され、世界の規制当局と共有される予定です。

※進行性高異型度上皮性卵巣がんに対するリムパーザ、イミフィンジおよびベバシズマブの併用療法、またイミフィンジおよびベバシズマブの併用療法は本邦未承認です。

以上

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卵巣がんについて
卵巣がんは、世界中の女性のがんの中で8番目に多いがんで、2020年には31万4000人超が新たに診断され、20万7000人超が死亡しています。これらの数値は、2040年までにほぼ42%増加し、一年に44万5000人超が新たに診断され、31万4000人超が死亡することになると予測されています6

DUO-O試験について
DUO-O試験は、tBRCA変異のない初発の進行卵巣がん患者さんを対象に行われた、無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第Ⅲ相試験です。本試験では、イミフィンジと白金製剤ベースの化学療法およびベバシズマブとの併用療法後に、イミフィンジ、ベバシズマブおよびリムパーザによる維持療法もしくはイミフィンジとベバシズマブによる維持療法を行った際の有効性および安全性を比較検討しました。

患者さんは、第1群(対照群:白金製剤ベースの化学療法とベバシズマブおよびプラセボの併用による導入療法後に、ベバシズマブおよびプラセボによる維持療法を行う)、第2群(白金製剤ベースの化学療法とベバシズマブおよびイミフィンジの併用による導入療法後に、イミフィンジおよびベバシズマブにプラセボを追加した維持療法を行う)、第3群(白金製剤ベースの化学療法とベバシズマブおよびイミフィンジの併用による導入療法後にイミフィンジおよびベバシズマブにリムパーザを追加した維持療法を行う)のいずれかに1:1:1の比で無作為に割り付けられました。すべての群で、白金製剤ベースの化学療法を3週間ごとに最大6サイクル、ベバシズマブを3週間ごとに最大15カ月間、イミフィンジまたはプラセボを3週間ごとに最大24カ月間、リムパーザまたはプラセボを1日2回最大24カ月間投与されました。

主要評価項目は、tBRCA変異のない患者さんを含む全試験集団およびHRD陽性患者集団のサブセットに対する、第3群と第1群(対照群)との比較における治験責任(分担)医師の評価に基づくPFSです。主要な副次評価項目には、第2群と対照群との比較における治験責任(分担)医師の評価に基づくPFS、ならびにOSの比較が含まれます。DUO-O試験では、179の医療機関において、全群通して1200人以上の患者さんを登録しました。試験の詳細については、ClinicalTrials.govを参照してください。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象として、切除不能なIII期の局所進行NSCLCにおける根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。また、本剤は、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型SCLCの治療薬として、米国、EU、日本、中国をはじめ多く国々でも承認されています。さらに、第Ⅲ相POSEIDON試験に基づき、イミフィンジと化学療法の併用療法にイジュド®(トレメリムマブ)を定められた回数のみ追加投与する治療法が、米国、EUおよび日本で転移性NSCLCの治療薬として承認されています。

肺がんにおける適応に加えて、イミフィンジは米国、欧州、日本およびその他数カ国では局所進行または転移性胆道がんにおける化学療法との併用療法で、米国、EUおよび日本では切除不能な肝細胞がんにおけるイジュドとの併用療法で、および数カ国では進行膀胱がんの治療歴のある患者さんの治療薬として承認されています。

2017年5月に初めて承認されて以来、10万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても検討されています。

なお、本リリースに記載の効能又は効果(適応症)については本邦で承認されている記載と異なる場合があります。本邦における承認状況については、最新の電子化された添付文書をご確認ください。

リムパーザについて
リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異など、あるいは他の薬剤(NHAなど)により誘発される相同組換え修復(HRR)の欠損を有する細胞または腫瘍のDNA損傷応答(DDR)を阻害する最初の標的治療薬です。

リムパーザによるPARPの抑制は、DNA一本鎖切断、複製フォーク停止に結合したPARPの捕捉、それらの崩壊およびDNA二本鎖切断の生成およびがん細胞死をもたらします。

リムパーザは現在、様々ながん種を対象に多くの国で承認されており、白金製剤感受性再発卵巣がんの維持療法を含め、BRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)および相同組換え修復欠損(HRD)を有する進行卵巣がんの初回治療後の維持療法として、単独療法およびベバシズマブとの併用療法がそれぞれ用いられています。さらに、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性転移性乳がん(EUおよび日本では局所進行乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がん(日本ではすべてのBRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm転移性膵がんに対しても承認されています。加えて、化学療法が臨床的に適応とならない転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の治療薬としてアビラテロンとの併用療法(EUのみ)が、また、NHAによる前治療で進行したHRR関連遺伝子変異陽性mCRPC(EUおよび日本ではBRCAmのみ)患者さんの治療薬として単剤療法が用いられています。中国においては、リムパーザはBRCA遺伝子変異陽性転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬、ならびにBRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がんにおける初回治療後の維持療法として承認されています。

アストラゼネカとMSDにより共同で開発、商業化が行われているリムパーザは、全世界で75,000人を超える患者さんの治療に使用されています。なお、リムパーザと、各々の会社が保有するPD-L1またはPD-1阻害薬との併用療法は各々の会社で開発します。リムパーザはがん細胞におけるDDRメカニズムを標的としたアストラゼネカの業界トップクラスの新薬候補ポートフォリオの基盤となる薬剤です。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、DNA損傷修復および抗体薬物複合体、エピジェネティクスおよび細胞療法の6つの科学的基盤を強化し、個別化併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Momenimovahed Z, et al. Ovarian Cancer in the World: Epidemiology and Risk Factors. Int J Womens Health. 2019 Apr 30;11:287-299.
2. National Cancer Institute. Cancer Stat Facts: Ovarian Cancer. Available at
https://seer.cancer.gov/statfacts/html/ovary.html. Accessed March 2023.
3. Ray-Coquard, et al. Final Overall Survival (OS) Results from the Phase III PAOLA-1/ENGOT-ov25 Trial Evaluating Maintenance Olaparib (ola) plus Bevacizumab (bev) in Patients (pts) with Newly Diagnosed Advanced Ovarian Cancer (AOC). Presented at the European Society of Medical Oncology Congress. Paris, France. 09 September 2022.
4. Ray-Coquard I, et al. Olaparib Plus Bevacizumab as First-Line Maintenance in Ovarian Cancer. N Engl J Med. 2019; 381:2416-2428
5. González-Martín A, et al. Niraparib in Patients with Newly Diagnosed Advanced Ovarian Cancer. N Engl J Med. 2019; 381:2391-2402
6. World Cancer Research Fund International. Ovarian Cancer Statistics. Available at
https://www.wcrf.org/cancer-trends/ovarian-cancer-statistics/#:~:text=Latest%20ovarian%20cancer%20data,of%20ovarian%20cancer%20in%202020. Accessed March 2023.

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