アストラゼネカのタグリッソ、第Ⅲ相ADAURA試験において、早期EGFR遺伝子変異陽性肺がんの術後補助療法として全生存期間を延長

本資料はアストラゼネカ英国本社が2023年3月9日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

早期EGFR遺伝子変異陽性肺がんの術後補助療法において
生存への寄与を示した最初の第Ⅲ相試験

AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、アストラゼネカのタグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)を用いた第Ⅲ相ADAURA試験において、根治を目的とした完全切除後の早期(IB、IIおよびIIIA)上皮増殖因子受容体変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの術後補助療法として重要な副次評価項目である全生存期間(OS)がプラセボ群に比べて統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示されたことを発表しました。

2020年5月に、アストラゼネカはタグリッソがこの対象疾患の無病生存期間(DFS)において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示されたことを発表しました。また、2022年9月に発表された結果では、DFSの中央値は約5年半であることが示されました。

なお、ADAURA 試験のプロトコルに従い、再発したプラセボ投与群の患者さんは非盲検下でタグリッソの投与を受ける機会が設けられていました。

第Ⅲ相ADAURA試験の治験責任医師であり、Yale Cancer Center / Smilow Cancer Hospital(コネチカット州、ニューヘイブン)の副院長および腫瘍内科長であるRoy S. Herbst医学博士は次のように述べています。「今回新たに示されたADAURA試験におけるOSのデータは、タグリッソによる無病生存期間の延長を裏付けるとともに、タグリッソによる早期EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんにおける生存期間の延長が確認されたことを示しています。ADAURA試験で得られた結果は、再発率が高く、術後の治療選択肢が限られていた早期EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんにとって、タグリッソが重要な治療となり得ることを示す強力なエビデンスとなります」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「ADAURA試験により、早期EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんに、この薬を届けられるようになりました。今回得られたOSの良好な結果により、タグリッソによる術後補助療法がこの適応での標準治療となることが期待されます。また、肺がん治療においては早期診断およびEGFR遺伝子変異の有無を確認する重要性が裏付けられました」。

また、本試験におけるタグリッソの安全性と忍容性プロファイルは過去の臨床試験と一貫していました。

今回の切除可能なEGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対するOSの結果は、タグリッソの広範なエビデンスに加わり、EGFR遺伝子変異陽性肺がんの早期の術後補助療法および進行肺がんの両方において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるOSのベネフィットが示されました。本試験の結果は、今後の医学学会で発表される予定です。

世界で肺がんの診断を受ける患者さんは年間220万人と推定されており、その80~85%が肺がんの最も一般的な型であるNSCLCと診断されています1-3。NSCLC患者さん全体の約25~30%が、根治が期待される切除可能な早期NSCLCと診断され4-5、5年生存率はIB期で73%、II期では56~65%です。しかしながらIIIA期では41%、IIIB期では24%にまで低下することから、早期NSCLCに対する術後補助療法には依然高いアンメットニーズが存在していることがうかがえます6

アストラゼネカでは、切除可能なEGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんを対象とした術前補助療法試験(NeoADAURA試験)、切除可能なIA2~IA3期のEGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんを対象とした術後補助療法試験(ADUARA2)、III期の切除不能な局所進行のEGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんを対象とした試験(LAURA試験)など、早期肺がんにおけるタグリッソの有効性・安全性を検討する試験が進行中です。

タグリッソは早期肺がんの治療薬として、米国、欧州、中国を含む90か国以上で承認され、さらに世界各地で薬事承認審査が進められています。また、タグリッソは、米国、EU、中国、日本およびその他多くの国々において、局所進行または転移性EGFR遺伝子変異陽性NSCLCの一次治療、および局所進行または転移性EGFR T790M遺伝子変異陽性NSCLCの治療に対しても承認されています。

アストラゼネカは、肺がん患者さんに対する治療薬の開発において、承認済み薬剤および新薬候補を含む包括的なポートフォリオを有しています。今回のADAURA試験結果に加えて、IIA~IIIB期の切除可能なNSCLC患者さんを対象として、術前化学療法にイミフィンジ(デュルバルマブ)を併用し、術後補助療法としてイミフィンジを単剤で用いる療法に関する、第Ⅲ相AEGEAN試験の良好な結果も発表いたしました。

※IIA~IIIB期の切除可能なNSCLC患者さんを対象として、術前化学療法にイミフィンジを併用し、術後補助療法としてイミフィンジを単剤で用いる療法は、本邦未承認です。

以上

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肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています1。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられます2。NSCLCの患者さんの大多数は進行がんで診断され、切除可能と診断されるのは全体の約25~30%です4,5

早期肺がんは、体系的な検診が行われていない場合、偶発的に撮像された画像で発見され、診断されることがほとんどです7,8

切除可能と診断されて、腫瘍の完全切除および補助化学療法を行っても、多くの患者さんが最終的に再発します9

アジアでは30~40%、欧米ではおよそ10~15%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています10-12。これらの患者さんは、がん細胞の増殖を促す細胞シグナル伝達経路を阻害するEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)治療への感受性が高くなります13

ADAURA試験について
ADAURA試験は、腫瘍の完全切除術後(補助化学療法実施の有無は医師と患者さんの判断)のEGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者さん(IB~IIIA期)682例を対象に、タグリッソの術後補助療法に対する有効性、安全性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第Ⅲ相試験です。患者さんはプラセボあるいはタグリッソ80mg錠1日1回経口投与にて3年間または再発するまで治療を受けました。

なお、本試験は米国、欧州、南米、アジア、中東の20カ国以上、200を超える施設で実施されました。主要評価項目は病理病期II期およびIIIA期の患者さんにおけるDFSであり、重要な副次評価項目は病理病期IB期、II期およびIIIA期の患者さんにおけるDFSおよび病理病期II期およびIIIA期と、病理病期IB期、II期およびIIIA期の患者集団におけるOSです。

データ解析は当初2022年に予定されていましたが、タグリッソが顕著な有効性を示したとして、独立データモニタリング委員会からの勧告に従って早期(2020年)に試験結果が報告されました。2022年にはDFSの最終的な解析がなされました。

タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床活性が実証されています。タグリッソ(40mg錠および80mg錠の1日1回経口投与)は、これまでに全世界で様々な適応にわたり700,000人近くの肺がん患者さんの治療に用いられています。当社は引き続き、様々な病期の、EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者さんの治療薬として、タグリッソを研究していきます。

タグリッソは早期がんを対象とした試験に加え、局所進行/転移性EGFRm NSCLC患者さんを対象とした化学療法との併用療法の試験でも検討が進んでいます。その他の現在進行中の試験として当社は、タグリッソとMet受容体チロシンキナーゼの強力かつ高選択性経口阻害剤であるsavolitinibとの併用療法を評価する第Ⅱ相SAVANNAH試験、第Ⅱ相ORCHARD試験、および第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ(オシメルチニブ)、イレッサ®(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびイジュド®(トレメリムマブ)や第一三共と共同開発を進めているエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)およびダトポタマブ デルクステカン、HUTCHMEDと共同開発を進めているsavolitinibなど、新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれます。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

※ダトポタマブ デルクステカンおよびsavolitinibは本邦未承認です。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed March 2023.
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3. Cheema PK, et al. Perspectives on treatment advances for stage III locally advanced unresectable non-small-cell lung cancer. Curr Oncol. 2019;26(1):37-42.
4. Cagle P, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Archives Pathology Lab Med. 2013;137:1191-1198.
5. Le Chevalier T, et al. Adjuvant Chemotherapy for Resectable Non-Small-Cell Lung Cancer: Where is it Going? Ann Oncol. 2010;21:vii196-vii198.
6. Goldstraw P, et al. The IASLC Lung Cancer Staging Project: Proposals for Revision of the TNM Stage Groupings in the Forthcoming (Eighth) Edition of the TNM Classification for Lung Cancer. J Thorac Oncol. 2016;11(1):39-51.
7. Sethi S, et al. Incidental Nodule Management – Should There Be a Formal Process? J Thorac Oncol. 2016:8;S494-S497.
8. LUNGevity Foundation. Screening and Early Detection. Available at
https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/screening-early-detection. Accessed March 2023.
9. Pignon et al. Lung Adjuvant Cisplatin Evaluation: A Pooled Analysis by the LACE Collaborative Group. J Clin Oncol. 2008;26:3552-3559.
10. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
11. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal
Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
12. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
13. Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.

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