| 本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年2月7日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。 |
左室駆出率を問わず慢性心不全の統合解析で死亡率の低下が示された
初めて且つ唯一の治療薬
AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、アストラゼネカのフォシーガ(一般名:ダパグリフロジン、以下、フォシーガ)が、欧州連合において、駆出率低下を伴う心不全(HFrEF)から、駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)、駆出率が保持された心不全(HFpEF)といった幅広い左室駆出率(LVEF)にわたる慢性心不全(HF)に対する適応拡大の承認を取得しましたのでお知らせします。
欧州委員会による承認は、2022年12月の医薬品評価委員会の肯定的な見解によるものであり、第III相DELIVER試験の良好な結果に基づいています1。また、第Ⅲ相DELIVER試験および第Ⅲ相DAPA-HF試験の事前に規定された統合解析の結果により、フォシーガは左室駆出率を問わず死亡率の改善が実証された最初の心不全治療薬としても確立されました2。
アストラゼネカのバイオファーマ研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「左室駆出率を問わず幅広く慢性心不全に対してフォシーガの適応が拡大されたことで、より多くの患者さんがこの忍容性が良好かつガイドラインに基づく治療によってベネフィットを得ることができるようになります。当社は患者さんの生命を救うことのできるベネフィットを示したフォシーガにより、心腎疾患の治療の変革を進めています。このような活動は、あらゆる心不全の複雑さに対応することのできる革新的なソリューションを患者さんに提供するというアストラゼネカのコミットメントを明確に示すものです」。
心不全は慢性かつ長期的な疾患であり、時間の経過とともに悪化し3、欧州では約1,500万人が罹患しており4、約半数の心不全患者さんが診断から5年以内に死亡します5。HFmrEFおよびHFpEFの患者さんでは、死亡や入院のリスクが増加するだけでなく、症状や身体的制限が特に大きく、生活の質が低下します6。
また、HFmrEFおよびHFpEFは、徴候や症状が非特異的であり、他の臨床症状と重複することが多いため、深刻な過少診断の状態にもあります7。これらの症状は、特に冠動脈疾患、肥満、糖尿病、長期に及ぶ高血圧や慢性腎臓病(CKD)などの相互に関連する複数の疾患を合併することが多く、このような複合症候群を有する患者さんのリスク管理の重要性が浮き彫りになっています7。
フォシーガは、米国、欧州連合、中国、日本など、世界100か国を超える国で、2型糖尿病(T2D)患者さん、HFrEF患者さん、およびCKD患者さんの治療薬として承認されています。直近では、英国、日本(※)およびトルコにおいて左室駆出率を問わない心不全の適応拡大の承認を規制当局から取得しました。現在、米国および他の国において、心不全の適応拡大の申請が審査中です。
※ 本件に関して、日本では2023年1月10日に電子化された添付文書が改訂されました。
以上
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心不全について
心不全は慢性かつ長期的な疾患であり、時間の経過とともに悪化します3。全世界で約6,400万人8が罹患しており、非常に高い罹患率と死亡率を伴うことが特徴です5。慢性心不全は、65歳以上で入院する方の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっています9。心不全は多くの場合、心臓が収縮するごとに送り出される血液量の割合の測定値である左室駆出率によって、駆出率低下を伴う心不全(HFrEF)(左室駆出率が40%以下)、駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)(左室駆出率が41%~49%)、駆出率が保持された心不全(HFpEF)(左室駆出率が50%以上)といったいくつかの種類に分類されます7。心不全患者さんの約半数はHFmrEFまたはHFpEFで、治療選択肢がほとんどないのが現状です7,10。
DAPA-HF試験について
DAPA-HF(Dapagliflozin And Prevention of Adverse-outcomes in Heart Failure)試験は、2型糖尿病(T2D)合併の有無にかかわらず、HFrEF患者さん4,744例を対象とし、フォシーガ 10mgを1日1回、標準治療(SoC)に追加投与したときの効果を、プラセボとの比較により評価するようデザインされた、第Ⅲ相国際多施設共同並行群間無作為化二重盲検比較試験です。主要複合評価項目は、心不全の悪化(入院またはそれに相当するイベント[心不全による緊急受診])の初回発生までの期間または心血管死でした。フォローアップ期間の中央値は18.2カ月でした。重要な副次評価項目は、心不全による入院(hHF)(再入院を含む)および心血管死の総数、8カ月時点でのカンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)の総症状スコアのベースラインからの変化量などでした13。
DELIVER試験について
DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者さんの治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第Ⅲ相試験です。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧などのすべての併存疾患に対する地域の標準治療]12への追加治療として1日1回投与されました14。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者さんを対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者さんが無作為化されました12。
主要複合評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間としました。重要な副次評価項目は、心不全イベントおよび心血管死の総数、8カ月時点でのKCCQの総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間などです12。
フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する抑制効果、ならびに、心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景に、重要な知見である臓器保護効果が示されています11,13,14。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こす可能性があります8,15-17。
フォシーガは、成人および10歳以上の小児(本邦では通常は成人に投与)の2型糖尿病患者さんにおける、食事および運動療法の補助療法としての血糖コントロール改善を適応として承認されています。また、フォシーガは、第Ⅲ相DAPA-HF試験および第Ⅲ相DAPA-CKD試験の所見に基づき、成人におけるHFrEFの治療薬および成人におけるCKDの治療薬としても承認されています。
アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について
バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝(CVRM)は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. Solomon S, et al. Dapagliflozin in heart failure with mildly reduced or preserved ejection fraction. N Engl J Med. 2022; 387(12):1089-1098.
2. Jhund P, et al. Dapagliflozin across the range of ejection fraction in patients with heart failure: a patient-level, pooled meta-analysis of DAPA-HF and DELIVER. Nat Med. 2022; 28(9):1956-1964.
3. Cleveland Clinic [Internet]. Heart failure [cited 2023 Jan 11]. Available
from: https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/17069-heart-failure-understanding-heart-failure.
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7. Heidenreich PA, et al. 2022 AHA/ACC/HFSA Guideline for the Management of Heart Failure: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Joint Committee on Clinical Practice Guidelines. J Am Coll Cardiol. 2008;10(10):933-989.
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