アストラゼネカのフォシーガ、欧州医薬品評価委員会(CHMP)より左室駆出率を問わない慢性心不全治療薬としての承認勧告を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2022年12月19日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

承認されれば、フォシーガは左室駆出率によらず慢性心不全治療の適応を持つ薬として、
統合解析でmortality benefitが示された初めての薬剤となる

AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、アストラゼネカのフォシーガ(一般名:ダパグリフロジン、以下、フォシーガ)が、欧州連合において、駆出率低下を伴う心不全(HFrEF)から、駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)、駆出率が保持された心不全(HFpEF)といった幅広い左室駆出率(LVEF)にわたる慢性心不全(HF)に対する適応拡大の承認勧告を取得しましたのでお知らせします(日本で承認された効能又は効果は、末尾の「フォシーガについて」を参照)。

欧州医薬品庁の医薬品評価委員会(CHMP)は、The New England Journal of Medicine1に掲載された第Ⅲ相DELIVER試験の結果とNature Medicine2に発表された第Ⅲ相DAPA-HF試験および第Ⅲ相DELIVER試験の事前に規定された統合解析の結果に基づき、今回の肯定的な見解を示しました。この統合解析で、フォシーガが左室駆出率を問わず死亡リスク低下の有用性を示した初の心不全治療薬であることが示されました3

心不全は、心臓が十分な血液を体全体へ送り出すことができない、生命を脅かす慢性疾患であり4、欧州連合では1,500万人が罹患しています5。HFmrEFまたはHFpEFの患者さんでは、症状の負担感や身体的制限が特に大きく、生活の質が不良であるため、健康状態の改善が疾患管理の重要な目標となります6

アストラゼネカのバイオファーマ研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「フォシーガは欧州連合における多くの心不全患者さんの標準治療をすでに変革しています。駆出率が軽度低下した心不全や駆出率が保持された心不全に対してこの新たな適応拡大が承認されれば、より多くの患者さんがこの忍容性が良好かつガイドラインに基づく治療によってベネフィットを得ることができるようになります。心腎疾患のリーダーとして、アストラゼネカは心不全治療選択肢の拡大に尽力し、患者さんのアウトカムを改善するためにこの複雑な疾患を治療する方法を変えています」(日本で承認された効能又は効果は、末尾の「フォシーガについて」を参照)。

今回のCHMPの勧告は、フォシーガが成人の慢性心不全の治療に適応とされると述べています(日本で承認された効能又は効果は、末尾の「フォシーガについて」を参照)。

HFpEF、HFmrEF患者さんを対象に実施された第Ⅲ相DELIVER試験の結果では、フォシーガが心血管死または心不全悪化の複合アウトカムを18%低下させることが示されました(中央値2.3年のフォローアップ期間においてダパグリフロジン群で16.4%、プラセボ群で19.5%[p<0.001、絶対リスク減少率[ARR]3.1%])1。治療効果は左室駆出率によらず一貫しており、左室駆出率による効果の減弱のエビデンスは認められませんでした1。さらに、事前に規定した第Ⅲ相DELIVER試験および第Ⅲ相DAPA-HF試験の統合解析では、フォシーガは中央値22か月のフォローアップ期間で心血管死リスクを14%(p=0.01、ARR 1.5%)、原因を問わない死亡リスクを10%(p=0.03、ARR 1.5%)、心不全による(初回および再)入院のリスクを29%(p<0.001、ARR 6%)低下させました2

フォシーガは、米国、欧州連合、中国、日本など、世界100か国を超えるHFrEF患者さんの治療薬として承認されています。直近では、英国およびトルコにおいて左室駆出率を問わない心不全の適応拡大の承認を取得しました。現在、米国および他の国において、心不全の適応拡大の申請が審査中です(日本で承認された効能又は効果は、末尾の「フォシーガについて」を参照)。

以上

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心不全について
心不全は慢性かつ長期的な疾患であり、時間の経過とともに悪化します7。全世界で8約6,400万人が罹患しており、非常に高い罹患率と死亡率を伴うことが特徴です9。慢性心不全は、65歳以上で入院する方の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっています10。心不全は多くの場合、心臓が収縮するごとに送り出される血液量の割合の測定値である左室駆出率によって、駆出率低下を伴う心不全(HFrEF)(左室駆出率が40%以下)、駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)(左室駆出率が41%~49%)、駆出率が保持された心不全(HFpEF)(左室駆出率が50%以上)といったいくつかの種類に分類されます11。心不全患者さんの約半数はHFmrEFまたはHFpEFで、治療選択肢がほとんどないのが現状です11,12

DAPA-HF試験について
DAPA-HF(Dapagliflozin And Prevention of Adverse-outcomes in Heart Failure)試験は、2型糖尿病(T2D)合併の有無にかかわらず、HFrEF患者さん4,744例を対象とし、フォシーガ 10mgを1日1回、標準治療(SoC)に追加投与したときの効果を、プラセボとの比較により評価するようデザインされた、第Ⅲ相国際多施設共同並行群間無作為化二重盲検比較試験です。主要複合評価項目は、心不全の悪化(入院またはそれに相当するイベント[心不全による緊急受診])の初回発生までの期間または心血管死でした。フォローアップ期間の中央値は18.2カ月でした。重要な副次評価項目は、心不全による入院(hHF)(再入院を含む)および心血管死の総数、8カ月時点でのカンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)の総症状スコアのベースラインからの変化量などでした13

DELIVER試験について
DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者さんの治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第Ⅲ相試験です。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧などのすべての併存疾患に対する地域の標準治療]への追加治療として1日1回投与されました14。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者さんを対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者さんが無作為化されました14
主要複合評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間としました。重要な副次評価項目は、心不全イベントおよび心血管死の総数、8カ月時点でのKCCQの総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間などです14

フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する抑制効果、ならびに、心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景に、重要な知見である臓器保護効果が示されています13,15,16。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こす可能性があります4,8,17,18

フォシーガは、成人および10歳以上の小児(本邦では通常は成人に投与)の2型糖尿病患者さんにおける、食事および運動療法の補助療法としての血糖コントロール改善を適応として承認されています。また、フォシーガは、第Ⅲ相DAPA-HF試験および第Ⅲ相DAPA-CKD試験の所見に基づき、成人におけるHFrEFの治療薬および成人におけるCKDの治療薬としても承認されています。

*現在、日本で承認されたフォシーガの効能又は効果は次の通りです。
• 2型糖尿病
• 1型糖尿病
• 慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。
• 慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る(フォシーガ錠5mg/フォシーガ錠10mg添付文書5.5[左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること])。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について
バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝(CVRM)は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Solomon S, et al. Dapagliflozin in Heart Failure with Mildly Reduced or Preserved Ejection Fraction. N Engl J Med. 2022;387:1089-1098.
2. Jhund P, et al. Dapagliflozin and outcomes across the range of ejection fraction in patients with heart failure: a patient-level pooled analysis of DAPA-HF and DELIVER. Nature Medicine. 2022;28:1956–1964.
3. AstraZeneca Press Release [Internet]. New data show Farxiga significantly lowers the risk of cardiovascular death in patients with heart failure [cited 2022 Nov 23]. Available from: https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2022/farxiga-lowers-risk-cv-death-heart-failure.html.
4. Mayo Clinic [Internet]. Heart failure [cited 2022 Nov 23]. Available from: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heart-failure/symptoms-causes/syc-20373142.
5. Dickstein K, et al. ESC Guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure 2008: the Task Force for the Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure 2008 of the European Society of Cardiology. Developed in collaboration with the Heart Failure Association of the ESC (HFA) and endorsed by the European Society of Intensive Care Medicine (ESICM). Eur Heart J 2008; 29:2388-2442.
6. Warraich HJ, et al. Physical function, frailty, cognition, depression, and quality of life in hospitalized adults ≥60 years with acute decompensated heart failure with preserved versus reduced ejection fraction. Circ Heart Fail. 2018;11:e005254.
7. Cleveland Clinic [Internet]. Heart failure [cited 2022 Nov 23]. Available from: https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/17069-heart-failure-understanding-heart-failure.
8. Vos T, et al. Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 328 diseases and injuries for 195 countries, 1990–2016: A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. Lancet. 2017;390(10100):1211–59.
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14. Solomon SD, et al. Dapagliflozin in heart failure with preserved and mildly reduced ejection fraction: rationale and design of the DELIVER trial. Eur J Heart Fail. 2021;23(7):1217–25.
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18. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases (NIDDK) [Internet]. Heart disease & kidney disease [cited 2022 Nov 23]. Available from: https://www.niddk.nih.gov/health-information/kidney-disease/heart-disease.

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