アストラゼネカのcamizestrant、フェソロデックスとの比較でER陽性進行乳がんの病勢進行を有意に遅延し、PFSを3.5カ月以上延長

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年12月8日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

SABCS2022で発表された第Ⅱ相臨床試験(SERENA-2試験)において
内分泌療法における次世代経口SERDとしてのcamizestrantの可能性を示す

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、第Ⅱ相臨床試験(SERENA-2試験)の結果に基づき、アストラゼネカの次世代経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)であるcamizestrantが、内分泌療法による治療歴があり、エストロゲン受容体(ER)陽性の局所進行または転移性乳がんを有する閉経後の患者さんを対象に、フェソロデックス(フルベストラント)500mgと比較して、75mgおよび150mgの両用量で無増悪生存期間(PFS)において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示したと発表しました。なお、この結果は、2022年サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で発表されました。

全体集団において、camizestrantは現在の標準治療であるフェソロデックスと比較して、75mg投与群では42%(ハザード比[HR]0.58、90%信頼区間[CI]0.41-0.81;p値 0.0124;PFS中央値7.2カ月対3.7カ月)、150mg投与群では33%(HR 0.67、90% CI 0.48-0.92; p値 0.0161;PFS中央値7.7カ月対3.7カ月)の病勢進行または死亡リスクの有意な低下を示しました。

また、事前に規定されたサブグループであり全体集団の36.7%を占めるESR1遺伝子変異陽性乳がん患者さんにおいても、camizestrantはフェソロデックスと比較して75mg投与群では67%(HR 0.33、90% CI 0.18-0.58;PFS中央値6.3カ月 vs 2.2カ月)、150mg投与群では45%(HR 0.55、90% CI 0.33-0.89;PFS中央値9.2カ月 vs 2.2カ月)の病勢進行または死亡リスクの低下を示しました。なお、ESR1遺伝子変異が検出されなかった患者さんにおいても有効性が認められ、75mg投与群では22%、150mg投与群では24%の病勢進行または死亡リスクの低下を示しました(HR 0.78、90% CI 0.50-1.22およびHR 0.76、90% CI 0.48-1.20)。

さらに、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬による治療歴のある患者さん、肺転移および/または肝転移を有する患者さん、ホルモン依存性乳がん(ER-driven disease)を有する患者さんなど、事前に規定した他のサブグループでも臨床的に意義のあるPFSの延長が認められました。

SERENA-2試験の治験責任医師である、Vall d‘Hebron病院およびVall d‘Hebron Institute of Oncology(スペイン・バルセロナ)のMafalda Oliveira氏は次のように述べています。「今回発表されたデータは、ER陽性の進行乳がん患者さんに対する新たな治療選択肢への重要な一歩を反映していると言えます。SERENA-2試験の結果から、camizestrantは75mgと150mgの両用量で忍容性が良好であり、現在の標準的なSERDによる治療との比較において、無増悪生存期間中央値を約2倍に延長し、患者さんの転帰を有意に改善することが示されました」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発チーフ・メディカルオフィサー兼オンコロジー・チーフ・ディベロップメントオフィサーであるCristian Massacesiは次のように述べています。「SERENA-2試験において、アストラゼネカの次世代経口SERDであるcamizestrantはフルベストラントを上回る有意義なPFSの延長を示し、ESR1遺伝子変異の有無やCDK4/6阻害剤による前治療の有無に関わらず、ER陽性の進行乳がん患者さんの転帰を最適化できる可能性を示しました。SERENA-4試験やSERENA-6試験など、第Ⅲ相試験が進行中のcamizestrantを検証する開発プログラムからのさらなる知見を期待するとともに、引き続き、様々な乳がん患者さんに対して新薬を提供することに注力してまいります」。

結果概要:SERENA-2試験

結果概要:SERENA-2試験

*統計的に有意;HR、ハザード比(層別化因子[CDK4/6iの使用歴および肺転移および/または肝転移の有無]で調整);CI、信頼区間;PFS、無増悪生存期間;ESR1m、ESR1変異陽性

Camizestrantの忍容性は全般的に良好であり、その安全性プロファイルはこれまでの試験で観察されたものと一貫しており、新たな安全性の懸念は確認されませんでした。camizestrant 75mg、150mg、300mgまたはフルベストラント投与群において認められた、最も発現割合が高かった治療中に発現した有害事象(treatment-emergent adverse events: TEAE)は、光視症(それぞれ12.2%、24.7%、35.0%および0%)および徐脈(それぞれ5.4%、26.0%、40.0%および0%)で、これらはすべてグレード1または2でした。グレード3以上のTEAEは、camizestrant 75mg投与群では1.4%、150mg投与群では2.7%、300mg投与群では5.0%、フルベストラント投与群では1.4%の患者において認められました。なお、TEAEによる投与中止例は、camizestrant 75mg投与群で2例、150mg投与群、300mg投与群およびフルベストラント投与群では0例でした。

アストラゼネカは進行乳がんにおけるcamizestrantに関する幅広い臨床開発プログラムを有しています。一次治療中にESR1遺伝子変異が検出されたHR陽性転移性乳がん患者さんを対象にcamizestrantとCDK4/6阻害薬(パルボシクリブまたはアベマシクリブ)の併用療法を評価する検証的第Ⅲ相臨床試験であるSERENA-6試験や、HR陽性の局所進行または転移性乳がんへの一次治療におけるcamizestrantとパルボシクリブの併用療法を評価する第Ⅲ相SERENA-4試験などが進行中であり、SERENA-6試験の適応症は米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を付与されています。

※camizestrantは本邦未承認です。

以上

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ホルモン受容体(HR)陽性乳がんについて
乳がんは世界中で最も多く診断されているがんであり、がん関連死の主要な原因のひとつです1。2020年には、世界中で200万人以上が乳がんの診断を受け、68万5千人近くが死亡しました1

HR陽性乳がん(エストロゲン受容体またはプロゲステロン受容体を発現、またはその両方を発現)は、最も一般的な乳がんのサブタイプであり、乳がんの腫瘍の約70%がHR陽性かつHER2低発現または陰性とされています2

HR陽性乳がん細胞の増殖は、多くの場合、エストロゲン受容体(ER)によって促進され3、ホルモン療法に感受性を有する乳がん(ER-driven disease)を標的とする内分泌療法は、進行性乳がんに対する一次治療として広く実施されており、しばしばCDK4/6阻害薬と併用されます4,5。しかし、CDK4/6阻害薬や既存の内分泌療法に対する耐性が多くの進行乳がん患者さんで生じます5。一旦これが生じると、治療選択肢が制限されます5。化学療法が現在の標準治療であり6、生存率は低く、診断後5年以上生存するのは患者さんの30%であると推定されています2

全ての治療段階において、ホルモン療法に感受性を有する乳がん患者さんに対しての内分泌療法の最適化と耐性の克服ならびにホルモン療法に抵抗性となった乳がん患者さんに対しての新たな治療の特定は、乳がんでは盛んに研究が行われている領域です。

SERENA-2試験について
SERENA-2試験は、ER陽性HER2陰性の進行乳がんを有する患者さんを対象に、複数の用量のcamizestrantをフェソロデックスと比較して評価する、ランダム化非盲検並行群間多施設共同第Ⅱ相臨床試験です。主要評価項目は、フェソロデックス(500mg)との比較によるcamizestrant 75mgのPFS、およびフェソロデックスとの比較によるcamizestrant 150mgのPFSであり、Response Evaluation Criteria In Solid Tumours(RECIST)ガイドライン第1.1版の定義に従い評価します。240例の患者さんをcamizestrant群またはフェソロデックス群にランダム化し、病勢進行が認められるまで治療を行いました。副次評価項目は、24週目の安全性、客観的奏効率および臨床的ベネフィット率などです。

Camizestrantについて
Camizestrantは、強力で経口投与可能なSERDかつERへの完全拮抗薬であり、ER活性型変異を含む幅広い前臨床モデルで抗がん活性を示しています。

アストラゼネカは、HR陽性乳がんにおける多くのアンメットニーズに応えるため、camizestrant単独療法または他剤との併用療法における安全性と有効性を評価する幅広い臨床開発プログラムを実施しています。

SERENA-2試験と進行中のSERENA-4試験およびSERENA-6試験に加え、第Ⅰ相臨床試験(SERENA-1試験)では、camizestrantの忍容性が良好であり、単剤療法またはCDK4/6阻害剤パルボシクリブとの併用療法として投与したときに有望な抗腫瘍プロファイルを有することが示されました。SERENA-1試験において他の薬剤との併用療法が進行中です。

アストラゼネカにおける乳がん領域について
アストラゼネカは、乳がんの生物学的な理解が深まってきていることから、より効果的な治療を患者さんに提供するべく、乳がんの分類や治療に対する現在の臨床的パラダイムへの挑戦、再定義を始めており、乳がんによる死亡をなくすことを目標に掲げています。

アストラゼネカは、生物学的に多様な乳がんの腫瘍環境に対応するべく、異なる作用機序の承認済みおよび開発中の有望な化合物からなる包括的なポートフォリオを有しています。

アストラゼネカは、ファーストインクラスのAKTキナーゼ阻害剤、capivasertibのみならず、フェソロデックス(フルベストラント)およびゾラデックス(ゴセレリン)、ならびに次世代の経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)および新薬候補のcamizestrantによって、HR陽性乳がんの転帰を継続的に変革することを目指しています。また、第一三共と共同で抗TROP2抗体薬物複合体であるdatopotamab deruxtecanの可能性を探索しています。

PARP阻害剤リムパーザ(一般名:オラパリブ)は、BRCA遺伝子変異を有する早期および転移性乳がん患者さんに対する標的治療薬です。アストラゼネカとMSD(北米およびカナダではMerck & Co., Inc.)は、これらの状況におけるリムパーザの研究と早期がんにおけるその可能性の探索を継続しています。

悪性度の高い乳がんであるトリプルネガティブ乳がん患者さんに必要な治療選択肢を提供するために、アストラゼネカはdatopotamab deruxtecan単独または免疫治療薬のイミフィンジ(デュルバルマブ[遺伝子組換え])との併用療法、カピバセルチブと化学療法の併用療法、イミフィンジとリムパーザやエンハーツを含む他のがん治療薬との併用試験を行います。

※capivasertib、datopotamab deruxtecan、乳がんに対するイミフィンジおよびリムパーザを含む他のがん治療薬との併用は本邦未承認です。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Sung H, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021; 10.3322/caac.21660.
2. National Cancer Institute. Surveillance, Epidemiology and End Results Cancer Stat Facts: Female Breast Cancer Subtypes. Available at:
https://seer.cancer.gov/statfacts/html/breast-subtypes.html. Accessed December 2022.
3. Scabia V, et al. Estrogen receptor positive breast cancers have patient specific hormone sensitivities and rely on progesterone receptor. Nat Commun. 2022; 10.1038/s41467-022-30898-0.
4. Lin M, et al. Comparative Overall Survival of CDK4/6 Inhibitors Plus Endocrine Therapy vs. Endocrine Therapy Alone for Hormone receptor-positive, HER2-negative metastatic breast cancer. J Cancer. 2020; 10.7150/jca.48944.
5. Lloyd M R, et al. Mechanisms of Resistance to CDK4/6 Blockade in Advanced Hormone Receptor-positive, HER2-negative Breast Cancer and Emerging Therapeutic Opportunities. Clin Cancer Res. 2022; 28(5):821-30.
6. National Comprehensive Cancer Network. Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines). Available at: https://www.nccn.org/guidelines/guidelines-detail?category=1&id=1419. Accessed December 2022.

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