アストラゼネカのイミフィンジおよびトレメリムマブ、化学療法との併用療法で転移性非小細胞肺がんの治療薬として米国で承認取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年11月11日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

第Ⅲ相POSEIDON試験において示された
イミフィンジと化学療法に数回のトレメリムマブを追加した併用療法による
有意な生存期間の延長に基づく承認

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、イミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])、Imjudo(一般名:トレメリムマブ[遺伝子組換え]、以下、トレメリムマブ)および白金製剤ベースの化学療法の併用療法が、ステージIV(転移性)の成人非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象に米国で承認されたことを発表しました。

今回の米国食品医薬品局(FDA)による承認は、第Ⅲ相POSEIDON試験の結果に基づくものです。同試験において、イミフィンジと4サイクルの白金製剤ベースの化学療法に抗CTLA-4抗体薬であるトレメリムマブを5サイクルという定められた回数追加投与した併用療法群は、様々な化学療法で治療された投与群(化学療法単独群)と比較して死亡リスクが23%減少しました(ハザード比0.77、95%信頼区間 0.65-0.92、p=0.00304)。また、化学療法単独群の2年生存率が22%であったのに対し、併用療法群での推定値は33%でした。また、この併用療法群は化学療法単独群と比較して、病勢進行または死亡リスクを28%減少しました(ハザード比0.72、95%信頼区間 0.60-0.86、p=0.00031)。

2022年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表された約4年間の追跡結果となる第Ⅲ相POSEIDON試験の最新結果では、併用療法群は化学療法単独群と比較して、死亡リスクを25%減少しました(ハザード比0.75、95%信頼区間0.63-0.88)。また、3年生存率は、化学療法単独群では13.6%であったのに対し、併用療法群では25%でした。イミフィンジおよび化学療法にトレメリムマブを追加した併用療法の安全性プロファイルは、それぞれの医薬品の既知のプロファイルと一貫しており、新たな安全性上の懸念は確認されませんでした。

米国では、肺がんは2番目に多く診断されているがんであり、2022年には236,000人を超える患者さんが肺がんと診断されると推計されています1。特に転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの予後は不良で、診断後5年を超えての生存率はわずか8%程度です2

第Ⅲ相POSEIDON試験の治験責任医師で、テネシー州ナッシュビルにあるSarah Cannon Research Instituteの肺がん研究プログラムディレクターであり、Tennessee Oncology, PLLCの腫瘍内科医のMelissa Johnson氏は次のように述べています。「転移性非小細胞肺がんにおいては、免疫チェックポイント阻害剤を含む標準治療が十分に奏効しない患者さんが多くいることから、治療上の大きな課題が存在しています。今回承認された免疫治療薬2剤のレジメンと化学療法の併用療法により、深刻な疾患を抱えるこれらの患者さんに対して、忍容性が概ね良好な新たな治療選択肢が追加されるとともに、CTLA-4阻害剤で確認されている長期の生存期間の延長というベネフィットを享受するチャンスを提供することができます」。

アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニットの責任者であるDave Fredricksonは次のように述べています。「転移性非小細胞肺がんは、多くの患者が依然として予後不良に直面している治療困難な疾患であり、今回の承認は、その生存期間を延ばす新たな併用療法を提供することの重要性を強く示しています。また、イミフィンジにトレメリムマブを追加する免疫治療薬の併用療法に対して、切除不能の肝細胞がんに次ぐ2つ目の適応として承認されたものであり、トレメリムマブという新たな治療薬のベネフィットと、アンメットニーズが高いがん領域における患者さんの転帰改善に対する我われのコミットメントをより強固なものにすると言えます」。

POSEIDON試験の結果に基づき、現在、欧州、日本およびその他の多くの国において、本適応での薬事申請が審査中です。

イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象として、切除不能な局所進行(ステージIII)の非小細胞肺がん(NSCLC)における根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。また、イミフィンジは、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の治療薬として、米国、欧州、日本、中国およびその他の世界中の多くの国々で承認されています。さらに、イミフィンジは、第Ⅲ相TOPAZ-1試験に基づき、化学療法との併用療法で局所進行または転移性胆道がんの患者さんの治療薬として米国および他のいくつかの国々で承認され、第Ⅲ相HIMALAYA試験に基づき、トレメリムマブとの併用療法で切除不能な肝細胞がんの患者さんの治療薬として米国で承認されました。

※トレメリムマブ、およびイミフィンジのIV期NSCLC、局所進行または転移性胆道がん、切除不能な肝細胞がんに対する適応は本邦未承認です。

以上

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ステージIVの非小細胞肺がんについて
肺がんは世界で2番目に多いがんであり、2020年には200万人を超える患者さんが肺がんと診断されました3。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、80~85%がNSCLCと診断されます。NSCLC患者さんのうち、扁平上皮がんの患者さんが25~30%、非扁平上皮がんの患者さんがおおよそ70~75%を占めます4-6

POSEIDON試験について
POSEIDON試験は、ステージIVの(転移性)NSCLCの一次治療として1,013名の患者さんを対象に、イミフィンジと白金製剤を含む化学療法との併用療法、またはイミフィンジ、トレメリムマブ、白金製剤を含む化学療法の併用療法と化学療法の単独療法を比較する、無作為化、非盲検、多施設共同国際第Ⅲ相試験です。本試験には、全てのPD-L1発現レベルの非扁平上皮がんまたは扁平上皮がんの患者さんが組み入れられました。なお、EGFR遺伝子変異陽性またはALK遺伝子変異陽性の患者さんは除外されていました。

試験治療群の患者さんには、固定用量でイミフィンジ1,500mgまたはイミフィンジ1,500mgおよびトレメリムマブ75mgを3週間ごとに最大4サイクルの化学療法に加えて投与した後、4週間ごとのイミフィンジによる維持療法、または4週間ごとのイミフィンジに5回目のトレメリムマブ75mgを16週目に投与する維持療法を行いました。化学療法単独群では、6サイクルを上限に化学療法を実施しました。また、すべての治療群において、非扁平上皮がんの患者さんに対しては、化学療法としてペメトレキセドが投与されている場合は必要に応じてペメトレキセド維持療法の併用を許容していました。非扁平上皮がんの患者さんのほぼ全員(95.5%)がペメトレキセドと白金製剤の投与を受けていたのに対し、扁平上皮がんの患者さんの大半(88.3%)がゲムシタビンと白金製剤の投与を受けていました。

本試験の主要評価項目は、化学療法単独群と比較したイミフィンジと化学療法併用のPFSとOSであり、加えて重要な副次評価項目はイミフィンジ、トレメリムマブ、および化学療法との併用療法におけるPFSとOSとしています。なお、イミフィンジと化学療法の併用療法およびイミフィンジ、トレメリムマブ、化学療法の併用療法の両治療群ともにPFSのエンドポイントを満たしたことから、事前に規定された統計解析計画により、イミフィンジ、トレメリムマブ、化学療法の併用療法群のOSに対する有効性の検証を行いました。本試験は、米国、ヨーロッパ、南米、アジアおよび南アフリカを含む18カ国150以上の施設で実施されました。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは肺がんでの承認に加え、切除不能な進行胆道がんの患者さんの治療薬として米国で承認されました。イミフィンジは、切除不能または転移性の胆道がんに対して唯一承認されている免疫治療薬であり、さらに、肝細胞がん(トレメリムマブとの併用)に対しても米国で承認されています。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、小細胞肺がん(SCLC)、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療として、単独療法ならびに併用療法においても検討されています。

※イミフィンジの切除不能または転移性の胆道がん、肝細胞がん、および転移性NSCLCに対する適応は本邦未承認です。

トレメリムマブについて
トレメリムマブ(遺伝子組換え)は、細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の働きを標的とするヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4の作用を阻害することによりT細胞を活性化させ、がんに対する免疫反応を誘導し、がん細胞死を引き起こします。

トレメリムマブは、イミフィンジとの併用療法において切除不能な肝細胞がん(HCC)でも承認されており、局所HCC(EMERALD-3試験)、SCLC(ADRIATIC試験)および膀胱がん(VOLGA試験およびNILE試験)などの様々ながん種を対象にイミフィンジとの併用療法が検討されています。

※トレメリムマブは本邦未承認です。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ(オシメルチニブ)、イレッサ®(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびトレメリムマブや第一三共と共同開発を進めているエンハーツおよびdatopotamab deruxtecan、HUTCHMEDと共同開発を進めているサボリニチブなど、新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれます。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
アストラゼネカは、抗腫瘍免疫応答への回避を克服し、生体内の免疫システムを刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫治療に基づいた、包括的かつ多様なIOポートフォリオやパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、トレメリムマブやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、バイスペシフィック抗体や標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬など、次世代免疫療法の探索も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん腫において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を大胆に追求しています。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性が非常に高いより早期の疾患におけるIO治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Lungevity. Lung Cancer Statistics. Available at:
https://www.lungevity.org/for-supporters-advocates/lung-cancer-awareness/lung-cancer-statistics#1. Accessed November 2022.
2. American Cancer Society. Lung Cancer Survival Rates. Available at:
https://www.cancer.org/cancer/lung-cancer/detection-diagnosis-staging/survival-rates.html. Accessed November 2022.
3. WHO. International Agency of Cancer Research. Lung Fact Sheet. Available at:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed November 2022.
4. Abernethy AP, et al. Real-world first-line treatment and overall survival in non-small cell lung cancer without known EGFR mutations or ALK rearrangements in US community oncology setting. PLoS ONE. 2017;12(6):e0178420.
5. Cheema PK, et al. Perspectives on treatment advances for stage III locally advanced unresectable non-small-cell lung cancer. Curr Oncol. 2019;26(1):37-42.
6. Cancer.net. Lung Cancer - Non-Small Cell: Introduction. Available at: 
https://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer-non-small-cell/introduction. Accessed November 2022.

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