HR陽性の進行乳がん患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(CAPItello-291)において、カピバセルチブとフェソロデックスの併用療法がフェソロデックスと比較して無増悪生存期間を有意に延長

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年10月26日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

ファーストインクラスのAKT阻害薬カピバセルチブとフェソロデックスの併用療法
バイオマーカーのステータスにかかわらず、HR陽性の進行乳がん患者さんの新たな治療選択肢となり得る

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、カピバセルチブに関する第Ⅲ相CAPItello-291試験の良好な結果を発表しました。本試験では、アストラゼネカのカピバセルチブとフェソロデックスの併用療法と、プラセボとフェソロデックスの併用療法と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました。被験者は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬併用の有無を問わず、内分泌療法後に再発または増悪したホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)低値または陰性の局所進行性または転移性乳がん患者さんです。

本試験の主要評価項目は、全患者集団および事前にバイオマーカーによってサブグループ化されたPIK3CAAKT1またはPTEN遺伝子変異が認められる腫瘍を有する患者群のPFSであり、いずれの患者群においても延長が認められました。なお、解析時点での全生存期間(OS)中央値は未達でしたが、早期データとして有望なものでした。引き続き重要な副次評価項目としてOSを評価していきます。

カピバセルチブとフェソロデックスの併用療法の安全性プロファイルは、この併用療法を評価したこれまでの試験と一貫していました。

乳がんは世界中で最も多く診断されているがんであり、2020年には、推定230万人が乳がんと診断されました1。乳がん患者さんの約70%はHR陽性かつHER2低値または陰性と考えられます2。内分泌療法はHR陽性乳がんの治療に広く用いられていますが、進行がんの患者さんの多くは一次治療のCDK4/6阻害薬やエストロゲン受容体標的療法への耐性を発現することから、さらなる治療選択肢の必要性が高まっています3

ロンドンがん研究所およびRoyal Marsden NHS Foundation Trust(英国、ロンドン)の分子腫瘍学教授で、第Ⅲ相CAPItello-291試験の治験責任医師であるNicholas Turner氏は次のように述べています。「第Ⅲ相CAPItello-291試験において、カピバセルチブは、HR陽性乳がん患者さんにおいて臨床的に意義のあるPFSの延長を示しました。この新薬候補によって、患者さんとそのご家族にとって重要な、がんのより長期間の制御が期待できます」。

アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジーR&Dの責任者であるSusan Galbraithは次のように述べています。「HR陽性乳がん患者さんは、内分泌療法を行ってもがんが進行したり、耐性が発現したりすることが多いため、内分泌療法が有効性をより長く発揮できる新たな治療法を喫緊に必要としてきました。今回示された全患者集団におけるこれらの素晴らしいデータは、カピバセルチブがHR陽性乳がん患者さんに対する新たなファーストインクラスの治療選択肢になり得ることを示しています」。

これらのデータは、今後の医学学会で発表され、各国の規制当局と共有される予定です。

アストラゼネカは、乳がん患者さんを対象とした既承認薬および研究中の新薬候補の包括的なポートフォリオを有しています。上記の結果に加え、本日、ER陽性の進行乳がん患者さんにおける次世代の経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)であるcamizestrantを対象とした第Ⅱ相SERENA-2試験の結果を発表しています。

※フェソロデックスのHR陽性進行乳がんに対するカピバセルチブとの併用療法、カピバセルチブおよびcamizestrantは本邦未承認です。

以上

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ホルモン受容体(HR)陽性乳がんについて
HR陽性乳がん(エストロゲンまたはプロゲステロン受容体、またはその両方を発現)は、最も一般的な乳がんのサブタイプであり、HR陽性乳がん細胞の増殖はERを介した機序によって引き起こされます2,4,5。ERによる疾患を標的とする内分泌療法は、進行性乳がんに対する一次治療として広く使用されており、しばしばCDK4/6阻害薬と併用されます。しかし、CDK4/6阻害薬や既存の内分泌療法に対する耐性が多くの進行乳がん患者さんで生じており、治療選択肢は限られています3。全ての治療段階において、ERを介した機序によって引き起こされるがんを患う患者さんに対しての内分泌療法の最適化と耐性の克服は、乳がんでは盛んに研究が行われている領域です。

CAPItello-291試験について
CAPItello-291試験は、二重盲検、無作為化第Ⅲ相試験で、治験中のAKT(セリン/トレオニンキナーゼ)阻害薬であるカピバセルチブに焦点を当てた大規模な臨床プログラムの一環です。CAPItello-291試験は、局所進行性(手術不能)または転移性HR陽性、HER2低値または陰性の乳がんを対象に、カピバセルチブとフェソロデックスの併用療法の有効性をプラセボとフェソロデックスの併用療法との比較で評価しています。

本試験には、組織学的に確認されたHR陽性、HER2低値または陰性の乳がん患者さんのうち、CDK4/6阻害薬併用の有無にかかわらずアロマターゼ阻害薬による治療中または治療後に再発または進行した成人患者さん、進行がんに関しては化学療法1ラインまでの成人患者さん計708人が登録されました。試験には、全患者集団におけるPFS、およびPIK3CAAKT1またはPTEN遺伝子変異が認められる腫瘍を有する患者さんのサブグループにおけるPFSの2つの主要評価項目が設定されています。本試験では、腫瘍の約40%にPI3K/AKT/PTEN遺伝子変異が認められました。

カピバセルチブについて
カピバセルチブは、現在第Ⅲ相試験段階にある乳がんの複数のサブタイプおよび前立腺がん、第Ⅱ相試験段階にある血液悪性腫瘍を対象とした治療薬です。カピバセルチブは、3つのAKTアイソフォーム(AKT1/2/3)の強力な選択的アデノシン三リン酸(ATP)競合阻害薬であり、PI3K/AKT/PTEN経路の変異を有する腫瘍、およびがん細胞の生存がこの経路のシグナル伝達に依存している腫瘍において、既存の治療法との併用療法で評価されています。カピバセルチブは、4日間の投与と3日間の休薬からなる間欠投与スケジュールに従って投与されます。この投与スケジュールは、忍容性および標的阻害の程度に基づいて、初期の試験段階で採用されました。

臨床プログラムでは、確立された治療レジメンに基づいて、併用療法でのカピバセルチブの安全性および有効性を検討しています。

カピバセルチブは、Astex Therapeutics社との共同研究(およびInstitute of Cancer Research and Cancer Research Technology Limited社との共同研究)を経て、アストラゼネカにより創製されました。

アストラゼネカにおける乳がん領域について
アストラゼネカは、乳がんの生物学的な理解を深めることにより、より効果的な治療を患者さんに提供するべく、乳がんの分類や治療に対する現在の臨床的パラダイムへの挑戦、再定義を始めており、乳がんによる死亡をなくすことを目標に掲げています。

アストラゼネカは、生物学的に多様な乳がんの腫瘍環境に対応するべく、異なる作用機序の承認済みおよび開発中の有望な化合物からなる包括的なポートフォリオを有しています。

アストラゼネカは、ファーストインクラスのAKTキナーゼ阻害剤、カピバセルチブのみならず、フェソロデックス(フルベストラント)およびゾラデックス(ゴセレリン)、ならびに次世代の経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)および新薬候補のcamizestrantによって、HR陽性乳がんの転帰を継続的に変革することを目指しています。また、第一三共と共同で抗TROP2抗体薬物複合体であるdatopotamab deruxtecanの可能性を探索しています。

PARP阻害剤リムパーザ(一般名:オラパリブ)は、BRCA遺伝子変異を有する早期および転移性乳がん患者さんに対する標的治療薬です。アストラゼネカとMSD(北米およびカナダではMerck & Co., Inc.)は、BRCA遺伝子変異を有する早期転移性乳がんの患者さんにおけるリムパーザの研究を継続しています。

悪性度の高い乳がんであるトリプルネガティブ乳がん患者さんに必要な治療選択肢を提供するために、アストラゼネカは免疫治療薬のイミフィンジ(デュルバルマブ[遺伝子組換え])と、リムパーザおよびエンハーツを含む他のがん治療薬との併用試験を行い、AKTキナーゼ阻害薬であるカピバセルチブと化学療法の併用療法およびdatopotamab deruxtecanを評価する試験を実施中です。

※乳がんに対するイミフィンジおよびリムパーザを含む他のがん治療薬との併用は本邦未承認です。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Sung H, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021; 10.3322/caac.21660.
2. National Cancer Institute. Surveillance, Epidemiology and End Results Program. Available at
https://seer.cancer.gov/statfacts/html/breast-subtypes.html. Accessed October 2022.
3. Lin M, et al. Comparative Overall Survival of CDK4/6 Inhibitors Plus Endocrine Therapy vs. Endocrine Therapy Alone for Hormone receptor-positive, HER2-negative metastatic breast cancer. J Cancer. 2020; 10.7150/jca.48944.
4. Bae SY, et al. Poor prognosis of single hormone receptor- positive breast cancer: similar outcome as triple-negative breast cancer. BMC Cancer. 2015; 10.1186/s12885-015-1121-4.
5. Lumachi F, et al. Current medical treatment of estrogen receptor-positive breast cancer. World J Biol Chem. 2015; 10.4331/wjbc.v6.i3.231.

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