アストラゼネカのcamizestrant、ER陽性の進行乳がん患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験(SERENA-2試験)においてフェソロデックスよりも無増悪生存期間を有意に延長

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年10月26日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

次世代経口SERDの開発を後押しする結果

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、第Ⅱ相臨床試験(SERENA-2試験)の結果に基づき、アストラゼネカの次世代経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)であるcamizestrantが、進行乳がんに対して内分泌療法による治療歴があり、エストロゲン受容体(ER)陽性の局所進行または転移性乳がんを有する閉経後の患者さんを対象に、フェソロデックス(フルベストラント)500mgと比較して、75mgおよび150mgの両用量で主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示したと発表しました。

Camizestrantの忍容性は良好であり、安全性プロファイルは過去の試験で認められたものと一貫しており、新たな安全性上の懸念は確認されませんでした。

乳がんは世界中で最も多く診断されているがんであり、2020年に診断された患者さんは推定230万人です1。乳がんの約70%は、ホルモン受容体(HR)陽性およびHER2低発現または陰性であると考えられています2。内分泌療法はHR陽性乳がんの治療に広く行われていますが、多くの進行乳がん患者さんが一次治療であるサイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬およびER標的療法に対する耐性を発現することから、更なる治療選択肢が必要とされています3

第Ⅱ相臨床試験(SERENA-2試験)の治験責任医師である、Vall d‘Hebron Institute of Oncology(スペイン・バルセロナ)のMafalda Oliveira氏は次のように述べています。「SERENA-2試験の結果は、HR陽性の乳がん患者さんの治療として約20年間使用されているフルベストラントと比較してcamizestrantが無増悪生存期間の有意な延長をもたらしたことを示しています。この結果は、次世代経口SERDの可能性を明らかにし、進行中の研究プログラムを後押しする大きな意味を持つものであると言えます」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「次世代経口SERDであるcamizestrantによって我々が目指しているのは、HR陽性の早期および転移性乳がん患者さんに対する内分泌療法の改善です。SERENA-2試験から得られたcamizestrantの有効性と安全性は、ERが関与する乳がん患者さんにおいてこの目標を達成する可能性を強く示唆するものであり、camizestrantに関する包括的な第Ⅲ相臨床開発プログラムが更に前進することを期待しています」。

本試験の詳しい結果は、今後の医学学会で発表される予定です。

一次治療中にESR1遺伝子変異が検出されたHR陽性の転移性乳がん患者さんを対象にcamizestrantとCDK4/6阻害剤(パルボシクリブまたはアベマシクリブ)の併用療法を評価する検証的第Ⅲ相臨床試験であるSERENA-6試験や、HR陽性の局所進行または転移性乳がんへの一次治療におけるcamizestrantとパルボシクリブの併用療法を評価する第Ⅲ相SERENA-4試験など、アストラゼネカは進行乳がんにおけるcamizestrantに関する幅広い臨床開発プログラムを有しています。SERENA-6試験の適応症は米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を付与されています。

アストラゼネカは、乳がん患者さんのための承認済の薬剤および開発中の新薬候補からなる包括的なポートフォリオを有しています。これらの結果に加え、当社は本日、HR陽性進行乳がんを対象としたcapivasertibに関する第Ⅲ相臨床試験(CAPItello-291)の肯定的な結果も公表しました。

※camizestrantおよびcapivasertibは本邦未承認です。

以上

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ホルモン受容体(HR)陽性乳がんについて
HR陽性乳がん(エストロゲンまたはプロゲステロン受容体、あるいはその両方を発現)は、最も一般的な乳がんのサブタイプであり、HR陽性乳がん細胞の増殖はERを介した機序によって引き起こされます2,4,5。ERによる疾患を標的とする内分泌療法は、進行性乳がんに対する一次治療として広く使用されており、しばしばCDK4/6阻害剤と併用されます3。しかし、CDK4/6阻害剤や既存の内分泌療法に対する耐性が多くの進行乳がん患者さんで生じており、治療選択肢は限られています3。全ての治療段階において、ERを介した機序によって引き起こされるがんを患う患者さんに対しての内分泌療法の最適化と耐性の克服は、乳がんでは盛んに研究が行われている領域です。

SERENA-2試験について
SERENA-2試験は、ER陽性HER2陰性の進行乳がんを有する患者さんを対象に、複数の用量のcamizestrantをフェソロデックスと比較して評価する、ランダム化非盲検並行群間多施設共同第Ⅱ相臨床試験です。主要評価項目は、フェソロデックス(500mg)との比較によるcamizestrant 75mgのPFS、およびフェソロデックスとの比較によるcamizestrant 150mgのPFSであり、Response Evaluation Criteria In Solid Tumours(RECIST)ガイドライン第1.1版の定義に従い評価します。240例の患者さんをcamizestrant群またはフェソロデックス群にランダム化し、病勢進行が認められるまで治療を行いました。副次評価項目は、24週目の安全性、客観的奏効率および臨床的ベネフィット率(CBR)などです。

SERENA-2試験は、HR陽性乳がんにおいてアンメットニーズのあるいくつかの分野に取り組むために、camizestrantに焦点を当て、単剤療法または他の薬剤との併用療法として使用した場合の安全性や有効性を評価する、より大規模な臨床開発プログラムの一部です。

Camizestrantについて
Camizestrantは、強力で経口投与可能なSERD かつER への完全拮抗薬であり、ER 活性型変異を含む幅広い前臨床モデルで抗がん活性を示しています。

第Ⅰ相臨床試験(SERENA-1試験)では、camizestrantの忍容性が良好であり、単剤療法またはCDK4/6阻害剤パルボシクリブとの併用療法として投与したときに有望な抗腫瘍プロファイルを有することが示されました。SERENA-1試験において他の薬剤との併用療法が進行中です。

アストラゼネカにおける乳がん領域について
アストラゼネカは、乳がんの生物学的な理解が深まってきていることから、より効果的な治療を患者さんに提供するべく、乳がんの分類や治療に対する現在の臨床的パラダイムへの挑戦、再定義を始めており、乳がんによる死亡をなくすことを目標に掲げています。

アストラゼネカは、生物学的に多様な乳がんの腫瘍環境に対応するべく、異なる作用機序の承認済みおよび開発中の有望な化合物からなる包括的なポートフォリオを有しています。

アストラゼネカは、ファーストインクラスのAKTキナーゼ阻害剤、capivasertibのみならず、フェソロデックス(フルベストラント)およびゾラデックス(ゴセレリン)、ならびに次世代の経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)および新薬候補のcamizestrantによって、HR陽性乳がんの転帰を継続的に変革することを目指しています。また、第一三共と共同で抗TROP2抗体薬物複合体であるdatopotamab deruxtecanの可能性を探索しています。

PARP阻害剤リムパーザ(オラパリブ)は、BRCA遺伝子変異を有する早期および転移性乳がん患者さんに対する標的治療薬です。アストラゼネカとMSD(北米およびカナダではMerck & Co., Inc.)は、BRCA遺伝子変異を有する早期転移性乳がんの患者さんにおけるリムパーザの研究を継続しています。

悪性度の高い乳がんであるトリプルネガティブ乳がん患者さんに必要な治療選択肢を提供するために、アストラゼネカは免疫治療薬のイミフィンジ(デュルバルマブ[遺伝子組換え])と、リムパーザおよびエンハーツを含む他のがん治療薬との併用試験を行い、AKTキナーゼ阻害薬であるcapivasertibと化学療法の併用療法およびdatopotamab deruxtecanを評価する試験を実施中です。

※乳がんに対するイミフィンジおよびリムパーザを含む他のがん治療薬との併用は本邦未承認です。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Sung H, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021; 10.3322/caac.21660.
2. National Cancer Institute. Surveillance, Epidemiology and End Results Program. Available at
https://seer.cancer.gov/statfacts/html/breast-subtypes.html. Accessed October 2022.
3. Lin M, et al. Comparative Overall Survival of CDK4/6 Inhibitors Plus Endocrine Therapy vs. Endocrine Therapy Alone for Hormone receptor-positive, HER2-negative metastatic breast cancer. J Cancer. 2020; 10.7150/jca.48944.
4. Bae SY, et al. Poor prognosis of single hormone receptor- positive breast cancer: similar outcome as triple-negative breast cancer. BMC Cancer. 2015; 10.1186/s12885-015-1121-4.
5. Lumachi F, et al. Current medical treatment of estrogen receptor-positive breast cancer. World J Biol Chem. 2015; 10.4331/wjbc.v6.i3.231.

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