フォシーガ、第III相DELIVER試験において駆出率が軽度低下または保持された患者の症状の負担感および健康関連QOLを改善

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年11月7日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

試験結果は2022年米国心臓協会学術集会で発表、
Journal of the American College of Cardiologyに掲載

フォシーガの投与開始後2週間以内に臨床的ベネフィットが認められ、
早期治療開始の重要性が浮き彫りに

第Ⅲ相DELIVER試験から得られたデータの事前に規定された解析からの所見は、アストラゼネカのフォシーガ(ダパグリフロジン)が、プラセボと比較して駆出率が軽度低下または保持された心不全(HF)患者さんの症状の負担感および健康関連の生活の質(QOL)を改善したことを示しました1。この試験結果は、本日、米国イリノイ州のシカゴで開催された2022年米国心臓協会学術集会(American Heart Association[AHA] Scientific Sessions)で発表され、Journal of the American College of Cardiology誌にて掲載されました。

駆出率が軽度低下または保持されている心不全患者さんでは、死亡および入院のリスクが高くなることに加えて、症状の負担感や身体的制限が特に大きく、生活の質が不良であるため、健康状態の改善が疾患管理の重要な目標となります1。第Ⅲ相DELIVER試験の事前に規定された解析では、カンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)を使用して、幅広い健康アウトカムに対するフォシーガの効果について検討しました1

本解析では、標準治療にフォシーガを追加した併用療法が、プラセボと比較して症状負荷、身体的制限およびKCCQ平均スコアで評価した生活の質が改善し、治療開始からわずか1ヵ月という早期に治療ベネフィットを達成しました1。ベネフィットは8カ月時点でも維持されており、プラセボと比較して、総症状スコアで平均2.4点、身体的制限で1.9点、臨床サマリースコアで2.3点、全体サマリースコアで2.1点の改善が認められました(すべてp<0.001)1。また、8ヵ月時において、プラセボ群と比較してフォシーガ群で大幅な悪化を示した患者さんは少なく、多くの患者さんで、評価したKCCQドメインすべてにおいて健康状態の改善を示し、スコアの軽度(5点以上)、中程度(10点以上)、大幅(15点以上)な増加が見られました1。ベースライン時に症候性の障害が重度である患者さんほど、駆出率が軽度低下または保持された患者さんにおける心血管(CV)死および心不全(HF)の悪化に対するフォシーガのベネフィットが、得られるものと考えられます1

ミズーリ大学カンザスシティ校の医学部教授であり、Saint LukeのHealth Systemにおける研究部門のVice Presidentを務め、Saint LukeのMid America Heart Instituteの心臓専門医でもあるDr. Mikhail Kosiborodは次のように述べています。「心不全患者さんの多くは、死を回避することと少なくとも同じくらいには症状や身体機能を重視しているため、これらの結果には非常に大きな臨床的意義があります。軽度に駆出率が低下し駆出率が保たれている心不全患者さんは特に健康状態が不良であることを考慮すると、心不全患者さん、特に症候性の患者さんにおいて、SGLT 2阻害剤の使用開始を積極的に検討するよう、これらの結果が臨床医を後押しするはずです」。(日本で承認された効能・効果は、末尾の「フォシーガについて」を参照)

これらの結果は、臨床診療におけるナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の広範な使用およびガイドラインに従った薬物療法の早期開始を推奨している米国心臓病学会、米国心臓協会、および米国心不全学会が共同で発行した心不全ガイドライン2022年更新版を裏付けるものです2。(日本で承認された効能・効果は、末尾の「フォシーガについて」を参照)

さらに、これらのデータは、JAMA Cardiologyの最近の文献である「Time to Clinical Benefit of Dapagliflozin in Patients With Heart Failure With Mildly Reduced or Preserved Ejection Fraction: A Prespecified Secondary Analysis of the DELIVER Randomized Clinical Trial(駆出率が軽度低下または保持されている心不全患者におけるダパグリフロジンの臨床的ベネフィットが認められるまでの時間:無作為化DELIVER試験の事前に規定された副次解析)」と一致しています。この試験では、駆出率が軽度に低下または保持された心不全患者さんにおいて、臨床イベントの早期かつ持続的な減少が示され、投与開始後2週間以内に統計学的に有意なベネフィットが観察されました3

アストラゼネカのバイオファーマ研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「フォシーガは、駆出率にかかわらず死亡率に対するベネフィットを示した最初の心不全治療薬となりました。また、DELIVER試験から、心不全患者さんの健康関連QOLが有意に改善するというデータも得られています。2週間以内に認められる迅速な臨床的ベネフィットとあわせて、このデータはフォシーガの基礎治療薬としての使用を支持しており、臨床医がガイドラインに基づく治療を実行することで、患者アウトカムを向上させる重要な機会が得られることを強調しています」。

第Ⅲ相DELIVER試験におけるフォシーガの安全性および忍容性プロファイルは、これまでに確立されたプロファイルと一致していました4

以上

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心不全について
心不全は慢性かつ長期的な疾患であり、時間の経過とともに悪化します5。全世界で約6,400万人が罹患しており、非常に高い罹患率と死亡率を伴うことが特徴です6,7。慢性心不全は、65歳以上で入院する方の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっています8。心不全は多くの場合、心臓が収縮するごとに送り出される血液量の割合の測定値である左室駆出率によって、駆出率低下を伴う心不全(HFrEF)(左室駆出率が40%以下)、駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)(左室駆出率が41%~49%)、駆出率が保持された心不全(HFpEF)(左室駆出率が50%以上)といったいくつかの種類に分類されます2。心不全患者さんの約半数はHFmrEFまたはHFpEFで、治療選択肢がほとんどないのが現状です2,9

DELIVER試験について
DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者さんの治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第Ⅲ相試験です9。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧などのすべての併存疾患に対する地域の標準治療]への追加治療として1日1回投与されました10。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者さんを対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者さんが無作為化されました10

主要評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間としました9。副次評価項目は、心不全イベントおよび心血管死の総数、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間などです10。さらに、KCCQ総症状スコア、身体的制限、臨床サマリーおよび全体的なサマリーは、事前に規定された副次評価項目であり、無作為化時点、1、4、8か月の各時点で評価されました1

フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する抑制効果、ならびに、心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景に、重要な知見である臓器保護効果が示されています11-13。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こす可能性があります4,13-15

フォシーガは、成人および10歳以上の小児(本邦では通常は成人に投与)の2型糖尿病患者さんにおける、食事および運動療法の補助療法としての血糖コントロール改善を適応として承認されています。また、フォシーガは、第Ⅲ相DAPA-HF試験および第Ⅲ相DAPA-CKD試験の所見に基づき、HFrEFの治療薬およびCKDの治療薬としても承認されています6,14-16

現在、日本で承認されたフォシーガの効能・効果は次の通りです。
• 2型糖尿病
• 1型糖尿病
• 慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。
• 慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。(フォシーガ錠5mg/フォシーガ錠10mg添付文書5.5[左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること])

「DapaCare」は、フォシーガの心血管、腎、臓器保護作用を評価する一連の強固な臨床試験プログラムです。終了済みおよび進行中の試験を含め、35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第Ⅱb/Ⅲ相試験から構成されています。フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。フォシーガは現在、急性心筋梗塞または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象とした第Ⅲ相DAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について
バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝(CVRM)は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Kosiborod MN, et al. The effects of dapagliflozin on symptoms, function and quality of life in patients with heart failure and mildly reduced or preserved ejection fraction: results from the DELIVER Trial. Presented at: American Heart Association (AHA) Scientific Sessions 2022, 5-7 November 2022, Chicago, Illinois, USA.
2. Heidenreich PA, et al. 2022 AHA/ACC/HFSA Guideline for the Management of Heart Failure: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Joint Committee on Clinical Practice Guidelines. Circulation. 2022;145:e895–e1032.
3. Vaduganathan M, et al. Time to Clinical Benefit of Dapagliflozin in Patients With Heart Failure With Mildly Reduced or Preserved Ejection Fraction: A Prespecified Secondary Analysis of the DELIVER Randomized Clinical Trial. JAMA Cardiol. 2022; 2380-6583.
4. Solomon S, et al. Dapagliflozin in Heart Failure with Mildly Reduced or Preserved Ejection Fraction. N Engl J Med 2022
5. Cleveland Clinic [Internet]. Heart Failure; [cited 2022 Oct 06] Available from:
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6. Vos T, et al. Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 328 diseases and injuries for 195 countries, 1990–2016: A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. Lancet. 2017;390(10100):1211–59.
7. Mozaffarian D, et al. Heart disease and stroke statistics—2016 update. Circulation. 2016;133(4):e38–360.
8. Azad N, et al. Management of chronic heart failure in the older population. J Geriatr Cardiol. 2014;11(4):329–37.
9. Dunlay SM, et al. Epidemiology of heart failure with preserved ejection fraction. Nat Rev Cardiol. 2017;14(10):591–602.
10. Solomon SD, et al. Dapagliflozin in heart failure with preserved and mildly reduced ejection fraction: rationale and design of the DELIVER trial. Eur J Heart Fail. 2021;23(7):1217–25.
11. McMurray JJV, et al. Dapagliflozin in patients with heart failure and reduced ejection fraction. N Engl J Med. 2019;381(21):1995–2008.
12. Heerspink HJL, et al. Dapagliflozin in patients with chronic kidney disease. N Engl J Med. 2020;383(15):1436–46.
13. Wiviott SD, et al. for the DECLARE-TIMI 58 Investigators. Dapagliflozin and cardiovascular outcomes in type-2 diabetes [article and supplementary appendix]. N Engl J Med. 2019;380(4):347–57.
14. Mayo Clinic [Internet]. Heart failure, 2020; [cited 2022 Oct 06]. Available from:
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15. Centers for Disease Control and Prevention (CDC) [Internet]. A snapshot: Diabetes in the United States, 2020; [cited 2022 Oct 06]. Available from:
https://www.cdc.gov/diabetes/library/socialmedia/infographics/diabetes.html.
16. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases (NIDDK) [Internet]. Heart disease & kidney disease, 2016; [cited 2022 Oct 06]. Available from: https://www.niddk.nih.gov/health-information/kidney-disease/heart-disease.

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