アストラゼネカのイミフィンジとトレメリムマブの併用療法、切除不能な肝がんを適応として米国で承認を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年10月24日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

イミフィンジにトレメリムマブのプライミング単回投与を追加した併用療法がソラフェニブとの比較で
死亡リスクを22%低下させた、第Ⅲ相HIMALAYA試験の結果に基づく承認

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、イミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])とImjudo(一般名:トレメリムマブ[遺伝子組換え]、以下、トレメリムマブ)の併用療法が、切除不能な肝細胞がん(HCC)の成人患者さんを対象に米国で承認されたことを発表しました。なお抗PD-L1抗体であるイミフィンジ1,500mgに加えて、免疫誘導(プライミング)を目的に抗CTLA-4抗体トレメリムマブ300mgを単回追加投与し、その後4週間ごとにイミフィンジを投与する併用療法の新規の用量および投与スケジュールは、STRIDEレジメン(Single Tremelimumab Regular Interval Durvalumab)と呼ばれます。

今回の米国食品医薬品局(FDA)の承認は、第Ⅲ相HIMALAYA試験の結果に基づくものです。本試験では、イミフィンジとトレメリムマブの併用療法で治療を受けた患者群は、ソラフェニブ治療群と比較して死亡リスクが22%低下しました(ハザード比[HR]0.78、95%信頼区間[CI]0.66-0.92、 p=0.0035に基づきます)1。また、The New England Journal of Medicine Evidence誌においても、ソラフェニブ群の患者さんの3年生存率が20%だったのに対し、本併用療法群の患者さんでは推定31%であったとの試験結果が掲載されました2

HCCは肝がんのもっとも一般的な組織型であり、肝がんはがんによる死因の第3位であるとともに、世界で6番目に多く診断されているがんです3,4。米国では、がんによる死亡の中で最も急速に増加しており、毎年約36,000人が新たに診断されています5,6

Memorial Sloan Kettering Cancer Centerの指導医で、第Ⅲ相HIMALAYA試験の治験責任医師である Ghassan Abou-Alfa医師は次のように述べています。「切除不能な肝がんの患者さんには、全生存期間を有意に延長する忍容性の高い治療が必要です。この治療法は、HIMALAYA試験において3年生存率の良好な結果を示したことに加えて、安全性のデータから、併用療法に起因する重度の肝毒性や出血リスクの増加が認められませんでした。これらは進行した肝疾患を併発している肝がん患者さんにとって重要な点です」。

アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニットの責任者であるDave Fredricksonは次のように述べています。「トレメリムマブが規制当局の承認を取得したことにより、米国の切除不能な肝がんの患者さんは、CTLA-4阻害剤の可能性を活かす、新たな併用療法となるPD-L1阻害薬との2剤免疫療法レジメンで治療を受け、がんに対する免疫反応を強めることができます」。

Blue Faery: The Adrienne Wilson Liver Cancer Foundationの創業者であるAndrea Wilson Woods理事長は次のように述べています。「これまで、肝がん患者さんの治療選択肢は限られており、予後も不良でした。今回の承認によって、新たな治療選択肢を提供できることをうれしく思います。これらの新しい治療法により、肝がんのもっとも一般的な組織型である切除不能な肝細胞がん患者さんの長期的な生存率を改善することが期待できます。新たな治療法の開発や他の患者さんのために尽力してくださった患者さんとそのご家族、そして肝がんコミュニティーの皆さんに感謝しています」と述べました。

イミフィンジにトレメリムマブを追加した併用療法およびイミフィンジ単剤療法の安全性プロファイルは、それぞれの医薬品の既知のプロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

現在、欧州、日本およびその他多くの国において、進行肝がん患者さんに対するHIMALAYA試験の結果に基づき、イミフィンジとトレメリムマブの併用療法の薬事申請について審査中です。

※切除不能な進行肝細胞がんに対するイミフィンジの適応およびトレメリムマブは、本邦未承認です。

以上

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肝がんについて
HCCは全原発性肝がんの75%を占めます3。また、すべてのHCC患者さんの80~90%は肝硬変を併発しています7。慢性肝疾患は、関連する炎症が時間の経過とともに免疫抑制をもたらし、HCCを発症する可能性があります7

さらに、患者さんの半数以上は、病期が進行して症状が現れてから初めてHCCと診断されます8。加えて、HCCは、治療選択肢が限られているため、患者さんにとって重大なアンメットニーズが存在する分野です8。肝がんの免疫環境は特異であるため、HCCの治療においては免疫系の力を利用する医薬品の研究が必要です8

HIMALAYA試験について
HIMALAYA試験は、イミフィンジ単剤療法およびイミフィンジ1,500mgに加えて、免疫誘導(プライミング)を目的にトレメリムマブ300mgを初回単回追加投与し、その後4週間ごとにイミフィンジを投与するレジメンと、マルチキナーゼ阻害薬である標準治療薬のソラフェニブを比較した第Ⅲ相無作為化非盲検国際多施設共同試験です。

対象は、切除不能な進行HCC患者さんのうち、全身療法による治療歴がなく、局所療法(肝臓とその周辺組織の局所療法)が適さない患者さん合計1,324例でした。

この試験は、米国、カナダ、欧州、南米、アジアなど16カ国181施設で実施されました。主要評価項目は、併用療法群とソラフェニブ群の全生存期間(OS)、重要な副次評価項目群はイミフィンジ群とソラフェニブ群のOS、併用療法群とイミフィンジ単剤療法群の客観的奏効率と無増悪生存期間(PFS)でした。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは近年、第Ⅲ相TOPAZ-1試験の結果に基づき、進行胆道がんの患者さんの治療薬として米国で承認されました。イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者を対象として、切除不能な局所進行(ステージIII)の非小細胞肺がん(NSCLC)における根治目的の治療薬として承認されたがん免疫治療です。

また、イミフィンジは、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の治療薬として、米国、欧州、日本、中国およびその他の世界中の多くの国々で承認されています。2021年にCASPIAN試験から得られた最新の結果では、イミフィンジと化学療法との併用により患者さんの3年生存率が化学療法単独の3倍に上昇することが示されました。

2017年5月に初めて承認されて以来、10万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。
広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、小細胞肺がん(SCLC)、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療として、単独療法ならびに併用療法においても検討されています。

また、イミフィンジの併用療法は、転移性NSCLCを対象とした第Ⅲ相POSEIDON試験でも良好な結果が得られています。

※イミフィンジは転移性NSCLCに対する適応はございません。

トレメリムマブについて
トレメリムマブ(遺伝子組換え)は、細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の働きを標的とするヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4の作用を阻害することによりT細胞を活性化させ、がんに対する免疫反応を増強し、がん細胞死を引き起こします。
トレメリムマブは、HIMALAYA試験以外にも、局所HCC(EMERALD-3試験)、SCLC(ADRIATIC試験)および膀胱がん(VOLGA試験およびNILE試験)などの様々ながん種を対象にイミフィンジとの併用療法が検討されています。

また、第Ⅲ相POSEIDON試験の結果に基づき、転移性NSCLCの一次治療として、イミフィンジおよび化学療法との併用療法についても、世界各国の規制当局による審査を受けています。

消化管がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、様々な腫瘍型や病期にわたる複数の医薬品において、消化器がんの治療薬の広範な開発プログラムを展開しています。2020年、約510万人が新規に消化器がんと診断され、約360万人が死亡しました9

このプログラムにおいて、当社は胃がん、肝がん、胆道がん、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。

イミフィンジは、現在、併用療法で、早期から後期がんまでを対象とした広範な開発プログラムにおいて、食道がんおよび胃がんの治療薬として評価が行われています。

リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、膵がんや結腸直腸がんなど、様々な消化器がんの治療薬として、広範かつ最先端の臨床試験開発プログラムを実施しています。リムパーザは、MSD(米国およびカナダではMerck & Co.、 Inc.)と共同で開発と商業化を行っています。

アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
がん免疫療法(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫反応の回避を克服するよう設計された免疫治療によって支えられています。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。

また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブやその他新規抗体薬との併用療法に対しては、様々ながん種、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。

さらに、アストラゼネカの腫瘍パイプライン全域および研究提携先から、IOポートフォリオと放射線、化学療法、標的低分子を組み合わせることができれば、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢が得られる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Imfinzi and Imjudo US prescribing information; 2022.
2. Abou-Alfa, et al. Tremelimumab plus Durvalumab in Unresectable Hepatocellular Carcinoma. NEJM Evid. 2022;1-12.
3. ASCO. Liver Cancer: View All Pages. Available at:
https://www.cancer.net/cancer-types/liver-cancer/view-all. Accessed October 2022.
4. WHO. Liver Cancer Fact Sheet. Available at:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/11-Liver-fact-sheet.pdf. Accessed October 2022.
5. Rawla, P, et al. Update in global trends and aetiology of hepatocellular carcinoma. Contemp Oncol (Pozn). 2018; 22(3): 141–150.
6. CDC. Liver Cancer. Available at:
https://www.cdc.gov/cancer/liver/index.htm. Accessed October 2022.
7. Tarao K, et al. Real impact of liver cirrhosis on the development of hepatocellular carcinoma in various liver diseases—meta‐analytic assessment. Cancer Med. 2019;8(3):1054-1065.
8. Colagrande S, et al. Challenges of advanced hepatocellular carcinoma. World J Gastroenterol. 2016; 22(34):7645-7659.
9. WHO. World Cancer Fact Sheet. Available at:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/39-All-cancers-fact-sheet.pdf. Accessed October 2022.

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