アストラゼネカのイミフィンジと化学療法との併用療法、第Ⅲ相TOPAZ-1試験の追加のフォローアップ解析において進行胆道がんの全生存期間をさらに改善し死亡リスクを24%低減

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年9月12日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

第Ⅲ相HIMALAYA試験の探索的結果は、病因を問わず切除不能な肝がんにおける
イミフィンジにトレメリムマブを追加した併用療法の効果を支持

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、第Ⅲ相TOPAZ-1試験の最新結果で、アストラゼネカのイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])と標準治療である化学療法との併用療法が、進行胆道がん(BTC)の患者さんへの治療として臨床的に意義のある持続的な全生存期間(OS)の改善を示したことを発表しました。

BTC患者さんを対象としたこの治療セッティングにおいて、免疫治療薬の併用療法がOSの改善を示した初めての第Ⅲ相試験となるTOPAZ-1試験の最新結果は、9月12日、パリで開催された2022年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表されました(抄録 #56P)。

イミフィンジと化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法は、さらに6.5カ月の追跡後の最新結果において、さらなる臨床効果を示し、化学療法単独と比較して死亡リスクを24%減少させました(ハザード比0.76:95%信頼区間:0.64-0.91)。最新のOSの中央値は化学療法単独では11.3カ月であったのに対し、イミフィンジとの併用療法では12.9カ月でした。2年経過した時点において、併用療法は化学療法単独と比較しておよそ2倍以上の患者さんが生存することが確認されました(併用療法23.6% vs 単独療法11.5%)。これらの結果は、疾病状態、腫瘍部位またはPD-L1発現を問わず、事前に規定したすべてのサブグループで確認されました。また、腫瘍サイズに変化のなかった患者さん(安定)と腫瘍が縮小または消失した患者さん(レスポンダー)ともにOSの改善が確認されました。

イミフィンジと化学療法との併用療法の安全性プロファイルについては、忍容性はこれまでと同様に良好であり、長期追跡による新たな安全性シグナルは確認されませんでした。グレード3または4の治療関連有害事象(AE)については、イミフィンジと化学療法との併用療法を受けた患者さんの60.9%、化学療法単独を受けた患者さんでは63.5%で認められました。イミフィンジと化学療法との併用療法におけるAEによる中止率については、化学療法単独と比較しても上昇は認められませんでした(単独療法11.4% vs併用療法8.9%)。

ソウル国立大学病院の内科腫瘍専門医兼ソウル国立大学医学部の教授であり、第Ⅲ相TOPAZ-1試験の治験責任医師でもあるDo-Youn Oh氏は次のように述べています。「約2年間の追跡期間において、イミフィンジと化学療法の併用療法が、進行胆道がん患者さんの全生存期間の中央値を標準治療より上回る結果が示されたことは非常に喜ばしいことです。この10年間、治療の進歩は限定的であり、患者さんは長らく、辛い予後に直面してきました。この免疫治療薬に基づく併用療法は、胆道がんの治療を変える可能性を初めて示すことができた治療法であり、新たな標準治療となり得ると期待しています」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「今回発表された長期データは、進行胆道がん患者さんへの標準治療である化学療法にイミフィンジを追加することによる全生存期間への効果と良好な忍容性となる安全性プロファイルを強調するものです。HIMALAYA試験の探索的データおよびTOPAZ-1試験に基づく直近のFDA承認を受けて、アストラゼネカでは、新たな治療選択肢を切実に必要としている消化器がんと闘う患者さんの生存期間を延長するべく引き続き研究開発に取り組んでまいります」。

最新結果の概要:TOPAZ-1試験

最新結果の概要:TOPAZ-1試験

OS:全生存、HR:ハザード比、CI:信頼区間、BoR:最良総合効果、SD:安定

i. 主要解析後の6.5カ月の追加追跡(データカットオフ日:2022年2月25日)、OSイベント発現割合が76.9%で実施。
ii. 本解析のデータカットオフ時点で、追跡期間(Inverse Kaplan-Meier法と打ち切り指標であるOSの逆転を使用して算出)の中央値(95% CI)はイミフィンジと化学療法との併用療法で23.4(20.6-25.2)カ月、化学療法で22.4(21.4-23.8)カ月であった。
iii. HRはCox比例ハザードモデルを使用して算出した。
iv. OS率はKaplan-Meier法を使用して算出した。
v. 不死時間バイアスを回避するために、3カ月以上生存している被験者のみをこの最良効果別OSに含めた。
vi. ベースライン時点で測定可能な疾患を有したすべての無作為化された被験者を対象としてResponse Evaluation Criteria In Solid Tumours(RECIST)第1.1版に従い、治験責任医師がBoRを評価し、奏効(完全奏効または部分奏効)、SDまたは病勢進行(PD)と定めた。BoRはIAデータカットオフ(2021年8月11日)に基づいて判定した。

今月上旬に、米国において、TOPAZ-1試験の結果に基づき、イミフィンジと化学療法との併用が局所進行または転移性BTCの成人患者さんの治療薬として薬事承認を取得しました。現在、TOPAZ-1試験の結果に基づいた販売承認申請は、欧州、日本やその他の国々においても、規制当局による審査が進行中です。

2021年10月、TOPAZ-1試験は事前に規定した中間解析時点で、化学療法と比較して死亡のリスクを20%減少させ(ハザード比 0.80:95% 信頼区間:0.66-0.97; 両側p=0.021)、主要評価項目であるOSの改善を達成しました。

ESMOでの切除不能な肝細胞がんを対象とした第Ⅲ相HIMALAYA試験の病因別探索的解析
同じくESMOで、第Ⅲ相HIMALAYA試験の探索的解析により、切除不能な肝細胞がん患者さんの転帰に対する疾患原因の影響を評価しました(抄録 #714P)。HIMALAYA試験のデータは、根底にある疾患原因(B型肝炎ウイルス[HBV]、C型肝炎ウイルス[HCV]または非ウイルス性)を問わず、STRIDEレジメンにより、OSの改善がソラフェニブを上回る傾向にあることを示唆していました。同様の傾向は、サブセット全体においてイミフィンジとソラフェニブとの比較で観察されました。

2021年に、第Ⅲ相HIMALAYA試験の良好な結果は、切除不能な肝細胞がん(HCC)患者さんのうち、全身療法による前治療歴がなく、局所療法が適さない患者さんの一次治療として、イミフィンジに抗CTLA4抗体であるトレメリムマブをプライミングとして単回投与することにより(STRIDEレジメン)、ソラフェニブと比較して統計的に有意で臨床的に意義のあるOSの延長が示されたことを示しました。STRIDEレジメンで治療された患者群では、ソラフェニブと比較して、22%の死亡リスクの減少が確認されました(ハザード比0.78:96.02% 信頼区間:0.65-0.93、p値0.0035)。3年経過した時点で生存していた患者さんの割合は、ソラフェニブ群では1/5となる20%であったのに対し、STRIDEレジメン群では約1/3の31%でした。。

サブセットを予後因子の不均衡について補正したところ、STRIDEレジメンで治療されたHBV患者群では、ソラフェニブと比較して、36%の死亡リスクの減少が認められました(ハザード比 0.64:95%信頼区間:0.47-0.86)。なお、奏効期間の中央値は、ソラフェニブの17.00カ月に対し、25.69カ月でした。加えて、STRIDEレジメンで治療されたHCV患者群は、ソラフェニブと比較して、11%の死亡リスクの減少が認められ(ハザード比 0.89:95%信頼区間:0.63-1.25)、奏効期間の中央値は、ソラフェニブの15.7カ月に対して、13.5カ月でした。STRIDEレジメンで治療された非ウイルス性の患者群は、ソラフェニブと比較して、23%の死亡リスクの減少が認められました(ハザード比0.77:95% 信頼区間:0.59-1.00)。奏効期間の中央値は、ソラフェニブの6.01カ月に対し、13.21カ月でした。STRIDEおよびイミフィンジの安全性プロファイルは、肝疾患の病因であるサブグループ全体で一貫していました。

これまで、ウイルス性HCC(慢性B型肝炎またはC型肝炎に関係する肝硬変に関連する疾患)が本疾患の主要な病因でしたが、この20年間、非ウイルス性HCC(肝疾患、肥満および糖尿病などの非ウイルス性因子と関連する疾患)が著しく増加しています。HIMALAYA試験は非ウイルス性HCCを有する被験者を対象として免疫治療薬の生存に対する効果を示している唯一の第Ⅲ相試験です1,2

STRIDEレジメンは、HIMALAYA試験の結果に基づき切除不能なHCCを対象として世界中の規制当局による審査が進行中です。

※進行胆道がんの一次治療および切除不能な進行肝細胞がんに対するイミフィンジの適応およびトレメリムマブは、本邦未承認です。

以上

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胆道がんについて
胆道がん(BTC)は、胆管、胆嚢または十二指腸乳頭部(胆管と膵管が小腸に結合する部分)から発生する希少で進行の早い消化器(GI)がんです3,4。毎年、米国、欧州および日本における約5万人と世界中の約21万人がBTCと診断されます5-7。これらの患者さんは予後不良で、5年生存するのはBTC患者さんの約5%~15%です8

胆管がんは中国やタイで多くみられますが、欧米諸国でも罹患率が増加しています1,3。胆嚢がんは南米の一部の地域、インドおよび日本で多く見られます5

胆管や胆嚢で発症するBTCは、早期では無症状のことが多く、新規患者さんのほとんどが、進行期になってから診断されます。進行期のBTCでは治療選択肢が限られており、予後も不良です3,5,6

肝がんについて
HCCは全原発性肝がんの75%を占めます1。すべてのHCC患者さんの80~90%は、主にB型またはC型肝炎ウイルスの感染によって引き起こされる肝硬変を併発しています4。慢性肝疾患は、関連する炎症が時間の経過とともにHCCを発症させる可能性があります4,5

患者さんの半数以上は、病期が進行して症状が現れてから初めてHCCと診断されます13。加えて、HCCは、治療選択肢が限られているため、患者さんにとって重大なアンメットニーズが存在する分野です。肝がんの免疫環境は特異であるため、HCCの治療においては免疫系の力を利用する医薬品の研究が必要です13

TOPAZ-1試験について
TOPAZ-1試験は、肝内胆管がん、肝外胆管がんおよび胆嚢がん(乳頭部がんを除く)などの切除不能な進行または転移性BTC患者さん685例を対象とした、第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験です。本試験では、BTCの一次療法として、イミフィンジと化学療法(ゲムシタビンおよびシスプラチン)の併用療法と、プラセボと化学療法の併用療法を比較しました。

主要評価項目は全生存期間(OS)であり、主要な副次評価項目は無増悪生存期間、全奏効率および安全性でした。この試験は、米国、欧州、南米、さらに韓国、タイ、日本や中国などのアジアの数カ国を含む17カ国105施設で実施されました。

HIMALAYA試験について
HIMALAYA試験は、切除不能な進行HCC患者さんのうち、全身療法による前治療歴がなく、局所療法(肝臓とその周辺組織の局所療法)が適さない成人患者さん合計1,324例を対象とした、第Ⅲ相無作為化非盲検国際多施設共同試験です。本試験では、イミフィンジ単剤療法およびイミフィンジ1,500 mgに加えてプライミング量としてトレメリムマブ300 mgを初回単回追加投与し、その後4週間ごとにイミフィンジを投与するSTRIDEレジメンと、マルチキナーゼ阻害薬である標準治療薬のソラフェニブを比較しました。

この試験は、米国、カナダ、欧州、南米、アジアなど16カ国190施設で実施されています。主要評価項目はソラフェニブと比較したSTRIDEレジメンの全生存期間であり、主要な副次評価項目はソラフェニブと比較したイミフィンジの全生存期間、STRIDEレジメンおよびイミフィンジ単剤療法の客観的奏効率および無増悪生存期間(PFS)でした。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象として、切除不能な局所進行(ステージIII)の非小細胞肺がん(NSCLC)における根治目的の治療薬として承認されたがん免疫治療薬です。

イミフィンジは現在、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の治療薬として、また局所進行または転移性BTCに対する化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法としてなど、複数の腫瘍タイプにおいて多くの国々で承認されています。

2017年5月に初めて承認されて以来、10万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、小細胞肺がん(SCLC)、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療として、単独療法ならびに併用療法においても検討されています。

イミフィンジの臨床ベネフィットはその他の様々ながんでも認められており、切除不能な進行肝細胞がん(HIMALAYA試験)、転移性NSCLC(POSEIDON試験)および切除可能なNSCLC(AEGEAN試験)を対象とした第Ⅲ相試験で良好な結果が得られています。HIMALAYA試験およびPOSEIDON試験のデータは、世界中の規制当局による審査が進行中です。

※イミフィンジの切除不能な進行肝細胞がん、転移性NSCLCに対する適応は本邦未承認です。

トレメリムマブについて
トレメリムマブ(遺伝子組換え)は開発中の新薬で、細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の働きを標的とするヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4の作用を阻害することによりT細胞を活性化させ、がんに対する免疫反応を増強します。

HIMALAYA試験以外でも、トレメリムマブ(遺伝子組換え)はイミフィンジとの併用療法として、膀胱がん(VOLGA試験およびNILE試験)、局所HCC(EMERALD-3試験)およびSCLC(ADRIATIC試験)などの多数の腫瘍タイプにわたる試験が進行中です。

また、第Ⅲ相POSEIDON試験の結果に基づき、転移性NSCLCを対象とするイミフィンジとの併用療法として世界中の規制当局による審査が進行中です。

消化器がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開しています。2020年、約510万人が新規に消化器がんと診断され、約360万人が死亡しました14

このプログラムにおいて、当社は胃がん、肝細胞がん、胆道がん、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。

イミフィンジは、現在、トレメリムマブなどとの併用療法で、早期から後期がんまでを対象とした広範な開発プログラムにおいて、肝細胞がん、BTC、食道がんおよび胃がんの治療薬として評価が行われています。

リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、膵がんや結腸直腸がんなど、様々な消化器がんの治療薬として、広範かつ最先端の臨床試験開発プログラムを実施しています。リムパーザは、MSD(米国およびカナダではMerck & Co., Inc.)と共同で開発と商業化を行っています。

アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
がん免疫治療(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは主に、抗腫瘍免疫応答からの回避を克服するよう設計されたものです。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。

また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブやその他新規抗体薬との併用療法に対しては、様々ながん種、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。

さらに、当社のIOポートフォリオをアストラゼネカオンコロジー全パイプラインあるいは研究パートナーの放射線療法、化学療法、標的低分子化合物と併用することにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
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