アストラゼネカのフォシーガ、心不全患者さんの心血管死リスクを有意に抑制

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年8月27日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

事前規定された第Ⅲ相試験の併合解析において、
左室駆出率の値によらず心不全患者さんの心血管死リスクが14%、原因不問の死亡リスクが10%低下

あらゆる範囲の左室駆出率で死亡リスク低下への有用性を示す初の心不全治療薬

欧州心臓病学会年次総会で試験結果発表、Nature Medicineに掲載

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、第Ⅲ相DAPA-HF試験および第Ⅲ相DELIVER試験の事前に規定された併合解析で得られた新たな結果を発表し、心不全患者さんにおいて、アストラゼネカのフォシーガ®(一般名:ダパグリフロジン、以下、フォシーガ)がプラセボと比較して死亡率低下に有効であることが明らかになりました。この結果は、スペインのバルセロナで開催された2022年欧州心臓病学会年次総会で発表され、Nature Medicineにも掲載されました1。心血管死リスクの抑制は、事前に規定された複数のサブグループで一貫して認められており、全ての範囲の左室駆出率の心不全患者さんにおける心不全治療薬の死亡率低下への効果を示す初の解析結果です。

本解析では、フォシーガは、心不全患者さんにおいて左室駆出率に関わらず、中央値22カ月のフォローアップ期間で心血管死リスクを14%(p=0.01、絶対リスク減少率[ARR]1.5%)、原因を問わない死亡リスクを10%(p=0.03、ARR 1.5%)、心不全による(初回および再)入院のリスクを29%(p<0.001、ARR 6%)、心血管死、心筋梗塞、または脳卒中の複合リスクを10%(p=0.045、ARR 1.3%)低下させることが示されました1

英国グラスゴー大学医学部循環器学教授であり、Institute of Cardiovascular and Medical Sciencesの副所長も務めるJohn McMurrayは、次のように述べました。「11,000例を超える全ての範囲の左室駆出率の心不全患者さんを対象とした当患者レベルのメタ解析で、ダパグリフロジンは心血管死および心不全による入院のリスクを低下させることが明らかになりました。左室駆出率の測定結果が得られていなくても直ちに治療を開始できることから、この結果はダパグリフロジンが臨床現場で果たす有益な役割を支持するものです」。

アストラゼネカのバイオファーマ研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「心不全は現在も世界中で最も多い死因の1つで、約6,400万人が罹患しており、アンメット・ニーズの高い疾患です。今回の解析は、フォシーガによって全ての範囲の左室駆出率の患者さんを治療し、心血管死のリスクを抑制できることを示しています」。

第Ⅲ相DAPA-HF試験および第Ⅲ相DELIVER試験は、フォシーガをプラセボとの比較により評価する無作為化二重盲検試験です。各試験では、心不全と診断され、機能制限がある、およびナトリウム利尿ペプチド値上昇を呈する患者さんを登録しました。2つの試験の主な違いは、DAPA-HF試験では左室駆出率が40%以下の患者さん、DELIVER試験では左室駆出率が40%を超える患者さんが無作為化されたことです2,3。各試験は20カ国で実施され、両試験合計で11,007例の心不全患者さんを対象としました。

本邦における心不全の承認範囲については、フォシーガ錠5mg/フォシーガ錠10mg添付文書5.5(左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること)をご参照ください。

以上

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心不全について
心不全は慢性かつ長期的な疾患であり、時間の経過とともに悪化します4。全世界で約6,400万人が罹患しており、非常に高い罹患率と死亡率を伴うことが特徴です5,6。慢性心不全は、65歳以上で入院する方の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっています7。心不全は多くの場合、心臓が収縮するごとに送り出される血液量の割合の測定値である左室駆出率によって、駆出率低下を伴う心不全(HFrEF)(左室駆出率が40%以下)、駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)(左室駆出率が41%~49%)、駆出率が保持された心不全(HFpEF)(左室駆出率が50%以上)といったいくつかの種類に分類されます8。心不全患者さんの約半数はHFmrEFまたはHFpEFで、治療選択肢がほとんどないのが現状です8,9

DAPA-HF試験について
DAPA-HF(Dapagliflozin And Prevention of Adverse-outcomes in Heart Failure)試験は、2型糖尿病(T2D)合併の有無にかかわらず、HFrEF患者さん4,744例を対象とし、フォシーガ 10mgを1日1回、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)またはアンジオテンシン受容体遮断剤(ARB)から成る標準治療(SoC)に追加投与したときの効果を、プラセボとの比較により評価するようデザインされた、第Ⅲ相国際多施設共同並行群間無作為化二重盲検比較試験です。主要複合評価項目は、心不全の悪化(入院またはそれに相当するイベント[心不全による緊急受診])の初回発生までの期間または心血管死でした。フォローアップ期間の中央値は18.2カ月でした3,10
副次評価項目は、心不全による入院(hHF)(再入院を含む)および心血管死の総数、8カ月時点でのカンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)の総症状スコアのベースラインからの変化量などでした3

DELIVER試験について
DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者さんの治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第Ⅲ相試験です。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧などのすべての併存疾患に対する地域の標準治療]への追加治療として1日1回投与されました2。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者さんを対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者さんが無作為化されました1,2

主要評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間としました。副次評価項目は、心不全イベント(心不全による入院または心不全による緊急受診)および心血管死の総数、8カ月時点でのカンザスシティ心筋症質問票(Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire)の総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間などです2

フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する抑制効果、ならびに、心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景に、重要な知見である臓器保護効果が示されています3,11,12。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こします5,13-14

フォシーガは、成人および10歳以上の小児(本邦では通常は成人に投与)の2型糖尿病患者さんにおける、食事および運動療法の補助療法としての血糖コントロール改善を適応として承認されています。また、フォシーガは、第Ⅲ相DAPA-HF試験および第Ⅲ相DAPA-CKD試験の所見に基づき、HFrEFの治療薬およびCKDの治療薬としても承認されています(フォシーガ錠5mg/フォシーガ錠10mg添付文書5.5[左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること])。
「DapaCare」は、フォシーガの心血管、腎、臓器保護作用を評価する一連の強固な臨床試験プログラムです。終了済みおよび進行中の試験を含め、35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第Ⅱb/Ⅲ相試験から構成されています。フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。フォシーガは現在、急性心筋梗塞または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象とした第Ⅲ相DAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について
バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝(CVRM)は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Jhund P, et al. Dapagliflozin and outcomes across the range of ejection fraction in patients with heart failure: a patient-level pooled analysis of DAPA-HF and DELIVER. Nature Medicine [cited 2022 Aug 27] Available from: https://www.nature.com/articles/s41591-022-01971-4
2. McMurray JJV, et al. Dapagliflozin in patients with heart failure and reduced ejection fraction. N Engl J Med 2019; 381(21):1995–2008.
3. Cleveland Clinic [Internet]. Heart failure; [cited 2022 Jul 14] Available from: https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/17069-heart-failure-understanding-heart-failure
4. Vos T, et al. Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 328 diseases and injuries for 195 countries, 1990–2016: A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. Lancet 2017; 390(10100):1211–59.
5. Mozaffarian D, et al. Heart disease and stroke statistics-2016 update. Circulation. 2016; 133(4):e38–360.
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7. Heidenreich PA, et al. 2022 AHA/ACC/HFSA Guideline for the Management of Heart Failure: A report of the American College of Cardiology/American Heart Association Joint Committee on Clinical Practice Guidelines. J Am Coll Cardiol. 2022;79(17):e263-421.
8. Dunlay SM, et al. Epidemiology of heart failure with preserved ejection fraction. Nat Rev Cardiol 2017;14(10):591–602.
9. Heerspink HJL, et al. Dapagliflozin in patients with chronic kidney disease. N Engl J Med 2020; 383(15):1436–46.
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11. Wiviott SD, et al. for the DECLARE-TIMI 58 Investigators. Dapagliflozin and cardiovascular outcomes in type-2 diabetes [article and supplementary appendix]. N Engl J Med 2019; 380(4):347–57.
12. Mayo Clinic [Internet]. Heart failure, 2020; [cited 2022 Jul 14]. Available from: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heart-failure/symptoms-causes/syc-20373142.
13. Centers for Disease Control and Prevention (CDC) [Internet]. A snapshot: Diabetes in the United States, 2020; [cited 2022 Jul 14]. Available from: https://www.cdc.gov/diabetes/library/socialmedia/infographics/diabetes.html.
14. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases (NIDDK) [Internet]. Heart disease & kidney disease, 2016; [cited 2022 Jul 14]. Available from: https://www.niddk.nih.gov/health-information/kidney-disease/heart-disease

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