アストラゼネカのフォシーガ、第Ⅲ相DELIVER試験において左室駆出率が軽度低下または保持された心不全患者さんの心血管死または心不全悪化のリスクを有意に抑制

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年8月27日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

試験結果は2022年欧州心臓病学会総会で発表、New England Journal of Medicineに掲載

試験データによって臨床的に意義のある効果を全ての範囲の左室駆出率の心不全患者さんへ拡大

心不全は約6,400万人が罹患している慢性の進行性疾患

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、第Ⅲ相DELIVER試験の詳細な結果を発表し、駆出率が軽度低下または保持された心不全患者さんにおいて、アストラゼネカのフォシーガ®(一般名:ダパグリフロジン、以下、フォシーガ)がプラセボと比較して心血管死または心不全悪化の主要複合評価項目に関して有意な抑制を達成したことが示されました。この結果は、スペインのバルセロナで開催された2022年欧州心臓病学会総会で発表され、New England Journal of Medicineにも掲載されました1

フォシーガは、心血管死または心不全悪化の複合アウトカムを18%(中央値2.3年のフォローアップ期間においてダパグリフロジン群で16.4%、プラセボ群で19.5%)低下させました(p<0.001)。心血管死、心不全悪化それぞれが主要評価項目の優越性に寄与していました。この所見は、検討した主なサブグループで一貫しており、左室駆出率の状態にかかわらず幅広い心不全患者さんに対するフォシーガの効果の拡大が期待できます。試験結果では、カンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)の総症状スコアにより測定された患者報告アウトカムにおいて症状改善の効果も示されました1

ハーバード大学医学部およびブリガム・アンド・ウイメンズ病院の内科学教授で、第Ⅲ相DELIVER試験の主任治験責任医師を務めるDr. Scott Solomonは、次のように述べました。「ダパグリフロジンが全ての範囲の左室駆出率で有効であるため、すべての適切な心不全の患者さんの基礎治療薬として使用可能となることが期待されます。したがって、DELIVER試験のこのような結果は、患者さんや臨床現場にとって重要なものです。これまでのHFpEFに関する他の臨床試験では、左室駆出率が高い場合に効果の減弱が示されましたが、ダパグリフロジンを用いた本試験では、左室駆出率にかかわらず一貫した結果が得られました。この所見は、ガイドラインに基づく標準的治療の早期開始を推奨する最新の治療ガイドラインを補強するものでもあり、臨床現場でのSGLT2阻害剤のより広範な使用を支持できることが期待されます」。

米国心臓病学会、米国心臓協会、および米国心不全学会が共同で発行した心不全ガイドライン2022年更新版では、左室駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)および左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)の治療薬としてフォシーガなどのナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤を推奨しています。これは、左室駆出率低下を伴う心不全(HFrEF)におけるSGLT2阻害剤の使用を支持するこれまでの推奨を拡大するものです2

アストラゼネカのバイオファーマ研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「左室駆出率が40%を超える心不全患者さんは、治療が最も困難であり、利用できる治療選択肢もほとんどありません。当社は、心不全の複雑性の理解を深めるDELIVER試験の画期的な結果を発表できることを誇りに思っています。これらのデータは、2型糖尿病、慢性腎臓病、および心不全の患者さんでフォシーガの心腎保護作用が認められた当社の過去の研究に基づくものです」。

DELIVER試験は、エビデンスに基づく治療法が限られている入院歴のある患者さん、最近入院した患者さん、または左室駆出率が改善した患者さんといった対象も含め、この患者集団を対象としたこれまでの試験よりも幅広い組み入れ基準でデザインされました1,2。これらの所見は、心不全において死亡率の有意な抑制を示したSGLT2阻害剤の唯一のアウトカム試験であるDAPA-HF試験でこれまでに報告された結果を強化するものであり、左室駆出率にかかわらず心不全患者さんの基礎治療薬としてのフォシーガの使用を支持するさらなるエビデンスを提供するものです。

第Ⅲ相DELIVER試験におけるフォシーガの安全性および忍容性プロファイルは、これまでに十分確立されているフォシーガの安全性プロファイルと一致しました。

本邦における心不全の承認範囲については、フォシーガ錠5mg/フォシーガ錠10mg添付文書5.5(左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること)をご参照ください。

以上

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心不全について
心不全は慢性かつ長期的な疾患であり、時間の経過とともに悪化します3。全世界で約6,400万人が罹患しており、非常に高い罹患率と死亡率を伴うことが特徴です4,5。慢性心不全は、65歳以上で入院する方の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっています6。心不全は多くの場合、心臓が収縮するごとに送り出される血液量の割合の測定値である左室駆出率によって、HFrEF(左室駆出率が40%以下)、HFmrEF(左室駆出率が41%~49%)、HFpEF(左室駆出率が50%以上)といったいくつかの種類に分類されます2。心不全患者さんの約半数はHFmrEFまたはHFpEFで、治療選択肢がほとんどないのが現状です2,7

DELIVER試験について
DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者さんの治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第Ⅲ相試験です。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧などのすべての併存疾患に対する地域の標準治療]への追加治療として1日1回投与されました8。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者さんを対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者さんが無作為化されました8,9
主要評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間としました。副次評価項目は、心不全イベント(心不全による入院または心不全による緊急受診)および心血管死の総数、8カ月時点でのカンザスシティ心筋症質問票(Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire)の総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間などです8

フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する抑制効果、ならびに、心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景に、重要な知見である臓器保護効果が示されています10-12。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こします4,13-15

フォシーガは、成人および10歳以上の小児(本邦では通常は成人に投与)の2型糖尿病患者さんにおける、食事および運動療法の補助療法としての血糖コントロール改善を適応として承認されています。また、フォシーガは、第Ⅲ相DAPA-HF試験および第Ⅲ相DAPA-CKD試験の所見に基づき、HFrEFの治療薬およびCKDの治療薬としても承認されています(フォシーガ錠5mg/フォシーガ錠10mg添付文書5.5[左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること])。

「DapaCare」は、フォシーガの心血管、腎、臓器保護作用を評価する一連の強固な臨床試験プログラムです。終了済みおよび進行中の試験を含め、35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第Ⅱb/Ⅲ相試験から構成されています。フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。フォシーガは現在、急性心筋梗塞または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象とした第Ⅲ相DAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について
バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝(CVRM)は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Solomon S, et al. Dapagliflozin in Heart Failure with Mildly Reduced or Preserved Ejection Fraction. N Engl J Med 2022 [cited 2022 Aug 27] Available from: www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2206286
2. Heidenreich PA, et al. 2022 AHA/ACC/HFSA Guideline for the Management of Heart Failure: A report of the American College of Cardiology/American Heart Association Joint Committee on Clinical Practice Guidelines. J Am Coll Cardiol. 2022;79(17):e263-421.
3. Cleveland Clinic [Internet]. Heart failure; [cited 2022 Jul 26] Available from: https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/17069-heart-failure-understanding-heart-failure
4. Vos T, et al. Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 328 diseases and injuries for 195 countries, 1990–2016: A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. Lancet 2017; 390(10100):1211–59.
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8. Solomon SD, et al. Dapagliflozin in heart failure with preserved and mildly reduced ejection fraction: rationale and design of the DELIVER trial. Eur J Heart Fail 2021; 23(7):1217–25.
9. Clinicaltrials.gov [Internet]. Dapagliflozin Evaluation to Improve the LIVEs of Patients With Preserved Ejection Fraction Heart Failure; [cited 2022 Jul 26]. Available from: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03619213.
10. McMurray JJV, et al. Dapagliflozin in patients with heart failure and reduced ejection fraction. N Engl J Med 2019; 381(21):1995–2008.
11. Heerspink HJL, et al. Dapagliflozin in patients with chronic kidney disease. N Engl J Med 2020; 383(15):1436–46.
12. Wiviott SD, et al. for the DECLARE-TIMI 58 Investigators. Dapagliflozin and cardiovascular outcomes in type-2 diabetes [article and supplementary appendix]. N Engl J Med 2019; 380(4):347–57.
13. Mayo Clinic [Internet]. Heart failure, 2020; [cited 2022 Jul 26]. Available from: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heart-failure/symptoms-causes/syc-20373142.
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15. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases (NIDDK) [Internet]. Heart disease & kidney disease, 2016; [cited 2022 Jul 14]. Available from: https://www.niddk.nih.gov/health-information/kidney-disease/heart-disease

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