アストラゼネカのタグリッソ、第Ⅲ相ADAURA試験の最新データにおいても早期EGFR変異陽性肺がんの術後補助療法として高い有効性が裏付けられる

タグリッソは、国際共同試験において早期肺がんの術後補助療法で
効果を示した唯一のEGFR阻害剤

国内においてタグリッソの術後補助療法としての適応拡大を申請中

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、7月13日、第Ⅲ相ADAURA試験の事前に規定された解析で、タグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)が、プラセボとの比較で、腫瘍完全切除後補助化学療法を受けているまたは受けていない早期(IB期、II期、IIIA期)上皮成長因子受容体遺伝子変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの術後補助療法において、無病生存期間(DFS)の臨床的に意義のある改善が維持されていることを示しました。タグリッソの安全性と忍容性は過去の臨床試験と一致しており、新たな安全上の懸念は認められませんでした1

NSCLC患者さん全体の最大30%が、根治が期待される切除可能な早期NSCLCと診断されますが、早期NSCLCでも依然として再発することが課題であり、これまでに、IB期と診断された患者さんの半数近く、およびIIIA期と診断された患者さんの4分の3以上が、5年以内に再発を経験しています2-4。

アストラゼネカ 執行役員 研究開発本部長の大津智子は、次のように述べています。「第Ⅲ相ADAURA試験の初期結果(ASCO2020 LBA5, N Engl J Med. 2020 ;383(18):1711-1723.)は、術後の早期EGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんにおいて、タグリッソが再発または死亡リスクを有意に低下させることを示しました。それから2年経過した現在、さらに蓄積されたDFSデータは、タグリッソの治療ベネフィットが持続していることを示しており、私たちは、患者さんのがんの再発を抑制し、より長生きする一助となり得るタグリッソの可能性について期待しています。特に日本においては、欧米の患者さんと比べてEGFR遺伝子変異を有する肺がん患者さんが多いことから、一日も早く、早期肺がんの術後補助療法として、タグリッソの適応拡大が承認されることを期待しています」。

これらの最終的なDFSデータは、今後の学会で発表される予定です。なお、本試験は引き続き、副次評価項目である全生存期間(OS)の評価を継続して行います。

タグリッソは早期肺がんの治療薬として、米国欧州中国を含む80か国以上で承認され、さらに世界各地で薬事承認審査が進められています。日本においては、2016年3月に、「EGFRチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を適応として承認されています。さらに2018年8月に、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」に適応拡大されています。

EGFR遺伝子変異陽性NSCLCの術後補助療法に対するタグリッソの適応は、本邦では未承認です。

以上

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肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています5。日本では、2021年に約127,400人が肺がんと診断され、肺がんによる死亡は約74,900人にのぼりました6。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、肺がん患者さんの80~85%がNSCLCと診断されます7。NSCLCの患者さんの大多数は進行がんで診断され、切除可能と診断されるのは全体の約25~30%です2-4

さらに、切除可能ながん(IB~IIIA期)患者さんでは、手術(腫瘍の完全切除)および術後補助療法としての化学療法を受けても、その多くは再発します。早期肺がんは、体系的な検診が行われていない場合、偶発的に撮像された画像で発見され、診断されることがほとんどです2-4

欧米ではおよそ10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています。これらの患者さんは、がん細胞の増殖を促す細胞シグナル伝達経路を阻害するEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)治療への感受性が高くなります5,8

ADAURA試験について
ADAURA試験は、腫瘍の完全切除術後(補助化学療法実施の有無は医師と患者さんの判断)のEGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者さん(IB~IIIA期)682例を対象に、タグリッソの術後補助療法に対する有効性、安全性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第Ⅲ相試験です。患者さんはプラセボあるいはタグリッソ80mg錠1日1回経口投与にて3年間または再発するまで治療を受けます。

なお、本試験は米国、欧州、南米、アジア、中東の20ヵ国以上、200を超える施設で実施されました。主要評価項目は病期II期およびIIIA期の患者さんにおけるDFSであり、重要な副次評価項目は病期IB期、II期およびIIIA期の患者さんにおけるDFSです。

データ解析は当初2022年に予定されていましたが、タグリッソが顕著な有効性を示したとして、独立データモニタリング委員会からの勧告に従って早期(2020年)に報告されました。なお、本試験では全生存期間の評価を引き続き行います。

タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床活性が実証されています。タグリッソ(40mg錠および80mg錠の1日1回経口投与)は、これまでに全世界で様々な適応にわたり575,000人以上の肺がん患者さんの治療に用いられています。当社は引き続き、様々な病期の、EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者さんの治療薬として、タグリッソを研究していきます。

第Ⅲ相試験としてタグリッソは、切除可能な患者さんを対象とした術前補助療法の試験(NeoADAURA試験)、切除可能なIA2~IA3期の患者さんを対象とした術後補助療法の試験(ADUARA2)、ステージIII期の切除不能な局所進行の患者さんを対象とした試験(LAURA試験)および進行/再発の患者さんを対象とした化学療法との併用療法の試験(FLAURA2試験)でも検討が進んでいます。その他の現在進行中の試験として当社は、タグリッソとMet受容体チロシンキナーゼの強力かつ高選択性経口阻害剤であるサボリチニブとの併用療法を評価する第Ⅱ相SAVANNAH試験、第Ⅱ相ORCHARD試験、および第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ(オシメルチニブ)、イレッサ®(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびトレメリムマブや第一三共と共同開発を進めているエンハーツおよびdatopotamab deruxtecan、HUTCHMEDと共同開発を進めているSavolitinibなど、新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれます。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

※トレメリムマブおよびsavolitinibは本邦未承認です。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、および呼吸器・免疫を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。フェイスブックAstraZeneca.Japanと インスタグラムAstraZeneca / アストラゼネカもフォローしてご覧ください。

References
1. Wu, YL., et al. Osimertinib in Resected EGFR-Mutated Non–Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2020;383:1711-23.
2. Cagle P, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Arch Pathol Lab Med. 2013;137:1191-1198.
3. Le Chevalier T, et al. Adjuvant Chemotherapy for Resectable Non-Small-Cell Lung Cancer: Where is it Going? Ann Oncol. 2010;21:vii196-vii198.
4. Pignon JP, et al. Lung Adjuvant Cisplatin Evaluation: A Pooled Analysis by the LACE Collaborative Group. J Clin Oncol. 2008;26:3552-3559.
5. World Health Organization. Globocan Fact Sheet: All cancers. Available at:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/39-All-cancers-fact-sheet.pdf. Accessed July 2022.
6. 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計’22」
https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/statistics/pdf/cancer_statistics_2022.pdf.
7. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at: https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed July 2022.
8. Zhang, Y.L., et al. The prevalence of EGFR mutation in patients with non-small cell lung cancer: a systematic review and meta-analysis. Oncotarget. 2016; 7(48): 78985–78993.

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