アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は本日、SARS-CoV-2による感染症の発症抑制および治療を適応として、長時間作用型抗体の併用療法AZD7442の製造販売承認を厚生労働省に申請したことをお知らせします。今回の承認申請は、特例承認の適用を希望しています。
日本での承認申請をサポートするデータとしては、症候性COVID-19の曝露前予防(SARS-CoV-2に感染しておらず、かつ感染者との濃厚接触のない集団)の有効性を評価し、プラセボと比較して症候性COVID-19の発症リスクが統計的に有意に減少することが示された第Ⅲ相臨床試験PROVENTのほか、症候性COVID-19の曝露後予防の有効性を評価する第Ⅲ相臨床試験STORM CHASER、COVID-19の外来患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験TACKLE、および日本と英国で実施された第Ⅰ相臨床試験の成績が提出されています。
AZD7442は、SARS-CoV-2に感染し回復した患者により提供されたB細胞に由来する2種類の長時間作用型抗体であるチキサゲビマブ(AZD8895)とシルガビマブ(AZD1061)の併用療法です。
複数の独立したin vitroおよびin vivo(動物モデル)試験により、SARS-CoV-2オミクロン変異株に対する本剤の効果の検討が進められています1-3。ワシントン大学医学部のデータでも、AZD7442は、現在世界的に主流となっている感染力の高い変異株BA.2に対して、中和活性を保持していることが示されています3, 4。同研究では、AZD7442がこれらオミクロン変異株のウイルス負荷を軽減し、肺の炎症を抑制した(in vivo試験)ことも示されました3。オックスフォード大学が新たに実施した非臨床試験のデータでは、AZD7442がオミクロンの新たな変異株であるBA.4およびBA.5(BA.4/5)に対して中和活性を保持していることが示されています4。
アストラゼネカは、必要としていらっしゃる方々に一日も早くAZD7442をお届けできるよう、規制当局とも緊密に連携しながら取り組んでまいります。
以上
【参考情報】 各試験に関連するプレスリリースは以下をご参照ください。
日本における臨床試験
アストラゼネカ、新型コロナウイルス感染症の抗体医薬AZD7442の臨床試験を日本で開始
(2021年3月31日発表プレスリリース)
https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2021/2021033101.html
STORM CHASER試験
Update on AZD7442 STORM CHASER trial in post-exposure prevention of symptomatic COVID-19
(2021年6月15日発表英国本社プレスリリース:英文のみ)
https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2021/update-on-azd7442-storm-chaser-trial.html
PROVENT試験/TACKLE試験
高リスク集団を対象とする2つの第Ⅲ相臨床試験の新たな解析により、AZD7442のCOVID-19に対する高い有効性と長期予防効果を確認
(2021年11月18日発表英国本社プレスリリースの和文))
https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2021/2021112401.html
TACKLE試験
AZD7442 reduced risk of developing severe COVID-19 or death in TACKLE Phase Ⅲ outpatient treatment trial
(2021年10月11日発表英国本社プレスリリース:英文のみ)
https://www.astrazeneca.com/content/astraz/media-centre/press-releases/2021/azd7442-phiii-trial-positive-in-covid-outpatients.html
PROVENT試験
(2022年4月20日発表英国本社プレスリリース:英文のみ)
Evusheld significantly protected against symptomatic COVID-19 for at least six months in PROVENT Phase Ⅲ trial in high-risk populations
https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2022/evusheld-significantly-protected-against-symptomatic-covid-19-for-at-least-six-months-in-provent-phase-iii-trial-in-high-risk-populations1.html
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AZD7442について
AZD7442は、SARS-CoV-2に感染し回復した患者により提供されたB細胞に由来する2種類の長時間作用型抗体であるチキサゲビマブ(AZD8895)とシルガビマブ(AZD1061)の併用療法です。米ヴァンダービルト大学メディカルセンターにより発見され、2020年6月にアストラゼネカにライセンス供与されたこの2つのヒトモノクローナル抗体は、SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質の固有の部位5に結合します。アストラゼネカは、この2つの抗体とFc受容体および補体C1qとの結合を減弱させることで、半減期を延長しました。半減期の延長により、本剤の作用持続時間は通常の抗体に比べ3倍以上延長され、1回の投与後少なくとも6か月間ウイルスからの保護が持続することが示されています。Fc受容体との結合減弱は、ウイルス特異的抗体が、ウイルスの感染や疾患の重症化を予防するのではなく、むしろ促進してしまう現象である抗体依存性感染増強のリスクを最小限に抑えることを目的としています6。ヴァンダービルト大学とのライセンス契約に基づき、アストラゼネカは将来の純売上高の1桁台のパーセンテージのロイヤリティを支払います。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、および呼吸器・免疫を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。フェイスブックAstraZeneca.Japanと インスタグラムAstraZeneca / アストラゼネカもフォローしてご覧ください。
References
1. Dejnirattisai W, et al. SARS-CoV-2 Omicron-B.1.1.529 leads to widespread escape from neutralizing antibody responses. Cell. 2022;185(3):467-484.e15.
2. VanBlargan LA, et al. An infectious SARS-CoV-2 B.1.1.529 Omicron virus escapes neutralization by therapeutic monoclonal antibodies. Nature Medicine. 2022; 28:490-495.
3. Case, J et al. Resilience of S309 and AZD7442 monoclonal antibody treatments against infection by SARS-CoV-2 Omicron lineage strains. Available at: https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.03.17.484787v1 [Last accessed March 2022].
4. Tuekprakhon A, et al. Further Antibody Escape by Omicron BA.4 and BA.5 from Vaccine and BA.1 Serum. bioRxiv. Published online 2022.
5. COVID CG. (2022). GISAID. Available at: https://covidcg.org/?groupKey=lineage®ion=Europe&residueCoordinates=1%2C1274&selectedGene=S&tab=group [Last accessed: March 2022].
6. Dong J, et al. Genetic and structural basis for recognition of SARS-CoV-2 spike protein by a two-antibody cocktail. bioRxiv. 2021; doi: 10.1101/2021.01.27.428529.