この資料は、英国アストラゼネカ社が6月3日(英国現地時間)に発表しましたプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆様のご参考に供するものです。
この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。
閉経後早期乳がんの女性に対する最適なホルモン治療薬として、 アリミデックス®を選択する臨床医が多いことが明らかとなっている。
2006年6月3日、英国マックルズフィールド: 本日、アストラゼネカは米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会において、アリミデックス®(アナストロゾール)の臨床使用経験の蓄積がアロマターゼ阻害剤の中では初めて今月、200万患者年を超えたことを発表しました。長期間追跡されたATAC*試験の成績に基づき、閉経後早期乳がんにおけるアリミデックス®のタモキシフェンに対する優位性がはっきりと確認されたことから1、本剤は世界で最も多く使用されるアロマターゼ阻害剤になっています。
大阪大学乳腺内分泌外科 教授 野口眞三郎先生は、「薬剤選択において最も重要な事は、患者にとって何が最良かということであり、多くの場合、治療ガイドライン(指針)や臨床使用経験をもとに選択肢を引き出す。アリミデックス®はタモキシフェンよりも有効性が高くかつ、忍容性に優れていることが複数の試験で一貫して実証されている。現在ガイドラインには、閉経後早期乳がんの患者にはアロマターゼ阻害剤を使用することが強く推奨されており、これはアリミデックス®が臨床使用経験が最も多く、明らかにされているエビデンスも最も強力なものであるからである。つまり、タモキシフェン使用時に発現する一部の予測できない、しかも重篤になる可能性のある副作用を回避しつつ、術後に乳がんが再発しないようにするために、医師がますますアリミデックス®を選択するようになるのも当然である。」と述べています。
アロマターゼ阻害剤を服用している閉経後女性の骨の健康状態
最新の治療ガイドラインによると、閉経後早期乳がんに対してアリミデックス®などのアロマターゼ阻害剤を使用することが推奨されていますが、骨代謝に及ぼすアロマターゼ阻害剤の長期の影響についてはまだ明らかにされていませんでした。今回のASCOでは、ATAC bone-sub-protocol(ATAC試験の骨に関するサブスタディ)から得られた5年間の最新データが発表され、乳がん発症時に骨密度が正常である女性はアリミデックス®による5年間の治療期間中に骨粗鬆症を発症する危険性の低いことが確認されました2。アロマターゼ阻害剤の骨に及ぼす影響について長期間のデータが示されたのは今回が初めてであったため、これらのデータは非常に大きな反響をもたらしています。
アリミデックス®による5年間の術後補助療法中には骨密度は低下しましたが、その低下傾向は治療開始後2年間が経過すると安定し、悪化の一途をたどることはありませんでした。5年間の加齢による骨密度の自然低下は約2~3%とされており、アリミデックス®治療による低下はやや高度(腰椎で平均6.1%、股関節で7.2%)でしたが、骨折に至るほどではありませんでした。即ちアリミデックス®を服用中の女性の骨折率は、同じ年齢の一般の患者集団と間接比較してほとんど変わらないことも確認されています3,4。かつて骨に及ぼす影響が確認されていなかったためにアリミデックス®の処方に消極的であったと思われる臨床医に、骨密度低下といった副作用が発現したとしてもそれらは予測可能でかつ管理可能なものであるという事を認識して頂けると思います。
タモキシフェンからアリミデックス®への切り替え
今回、ASCOでは、アリミデックス®のタモキシフェンを凌ぐ有用性が発表されました。閉経後早期乳がんの女性は手術直後からアリミデックス®の投与を開始することによって最も大きな効果が得られることは明白ですが、すでにタモキシフェンによる術後補助療法を開始している女性も、アリミデックス®にスイッチする事で更に再発や死亡のリスクを軽減できます。‘Arimidex’-‘Nolvadex’95(ARNO95)試験により、単一の臨床試験としては初めて、タモキシフェン投与中の患者に対してアリミデックス®への切り替えにより生存率を改善することが確認されています5。アリミデックス®に切り替える3つの臨床試験について実施されたメタアナリシスの結果(2005年のSABCS**で発表済6)からも、アリミデックス®に切り替えた女性では全生存期間が改善されることが実証されており、上記のARNO試験の結果はこのメタアナリシスの結果と一致します。
「我々は臨床医として確信をもって、閉経後早期乳がんの患者にアリミデックス®を選択しているが、アリミデックス®選択の根拠となるエビデンスはますます増えており、これらのエビデンスが、我々の選択が正しい事を証明している。このようなエビデンスから、タモキシフェンは最も有効で安全な薬剤とはいえないことが分かっており、アリミデックス®がホルモン感受性のある閉経後乳癌患者の術後補助療法の第一選択薬であると思われます。」と、大阪大学乳腺内分泌外科 教授 野口眞三郎先生は結んでいます。
References
- ATAC Trialists' Group. Lancet 2005; 365: 60-62.
- Coleman R. Proceedings of the American Society of Oncology (ASCO), 2006. Abs 511.
- Fisher B et al. J Natl Cancer Inst 1998; 90: 1371-1388.
- Women's Health Initiative Writing Group. JAMA 2002; 288: 321-333
- Kaufmann M. Proceedings of the American Society of Oncology (ASCO), 2006. Abs 547.
- Jonat W. Proceedings of the San Antonio Breast Cancer Symposium, 2005
Notes to editors
患者年の計算方法:患者が服用する錠剤数は1日に1錠で、1年は365日です。
したがって、発売開始以降に販売された総錠剤数を365で除すと、患者年の数が求められます。
*ATAC試験:‘Arimidex’ Tamoxifen, Alone or in Combination
**SABCS:San Antonio Breast Cancer Symposium(サンアントニオ乳がんシンポジウム)
- アストラゼネカは、がん領域で卓越した研究と革新を伝統とし、アリミデックス®(アナストロゾール)、「カソデックス」(ビカルタミド)、「FASLODEX」(フルベストラント)、「ノルバデックス」(タモキシフェン)、「ゾラデックス」(ゴセレリン)、「TOMUDEX」(raltitrexed)及び「イレッサ」(ゲフィチニブ)などのがん治療薬を開発しました。また、腫瘍増殖阻害剤、新生血管阻害剤、腫瘍血管標的剤及び抗浸潤剤などの一連の新しい標的製剤も開発しています。さらに、既存の細胞毒性のある抗がん剤やホルモン治療薬を更に改良した新たな化合物を開発するための合理的なドラッグデザイン技術を活用しています。現在、20を超える抗がん剤の研究開発プロジェクトを実施中です。
- アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造及び販売、並びにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している医薬品メーカーです。239億5000万ドルのヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器、オンコロジー及び感染症製品の売上でリーディングポジションを確立しています。アストラゼネカは、Dow Jones Sustainability Index (Global)及びFTSE4Good Indexに選定されています。