トレメリムマブ、切除不能な肝がん患者さんに対するイミフィンジとの併用療法として、米国で優先審査の指定を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年4月25日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

トレメリムマブの単回投与によるプライミングをイミフィンジに追加するSTRIDEレジメンは
切除不能な肝がんを対象とした第Ⅲ相試験において
全生存率を改善した初の2剤併用免疫チェックポイント阻害レジメン

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、トレメリムマブの生物製剤承認申請(BLA)が米国において優先審査の対象に指定されたことを発表しました。これにより、切除不能な肝細胞がん(HCC)患者さんの治療を適応として、イミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])に免疫反応を誘導(プライミング)する抗CTLA4抗体のトレメリムマブ単回投与を追加した併用療法が実現に向けて一歩前進しました。この適応では、イミフィンジに関して生物製剤承認一部変更承認申請(sBLA)も提出されています。併用療法のこの新規の用量および投与スケジュールは、STRIDEレジメン(Single Tremelimumab Regular Interval Durvalumab)と呼ばれます。

米国食品医薬品局(FDA)の審査終了目標日である処方薬ユーザーフィー法による日付は、優先審査バウチャー使用後の2022年第4四半期中です。

HCCは肝がんのもっとも一般的な組織型であり、肝がんはがんによる死因の第3位であるとともに世界中で6番目に多く診断されているがんです1,2。米国では毎年約26,000人が進行性の切除不能なHCCに罹患しています3

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「第Ⅲ相HIMALAYA試験では、切除不能な肝がんの患者さんを対象に、トレメリムマブの単回投与によるプライミングをイミフィンジに追加したところ、顕著な3年全生存率が認められており、このレジメンによって生存期間を延長できる可能性が明確に示されています。進行肝がんの患者さんでは新たな治療選択肢が切実に求められていることから、当社はFDAと緊密に連携し、この新たな治療法を米国の患者さんに1日でも早くお届けできるように努めてまいります」。

トレメリムマブのBLAおよびイミフィンジのsBLAは、米国臨床腫瘍学会の2022年度消化器がんシンポジウムで発表された第Ⅲ相HIMALAYA試験の最終結果に基づいています。

HIMALAYA試験では、STRIDEレジメンによる治療を受けた患者さんにおいて、ソラフェニブ治療を受けた患者さんと比較して、死亡リスクが22%低下しました(ハザード比[HR]0.78、96.02%信頼区間[CI]0.65-0.93;p=0.0035)4。患者さんの3年生存率は、STRIDEレジメン群でほぼ3人に1人(31%)で、ソラフェニブ群では5人に1人(20%)でした4

STRIDEレジメンおよびイミフィンジ単剤療法の安全性プロファイルは、それぞれの医薬品の既知のプロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

イミフィンジおよびトレメリムマブは2020年1月に、HCCの治療薬として米国で希少疾病用医薬品の指定を受けました。

アストラゼネカでは、消化器がんを対象とした広範な臨床開発プログラムの一環として、局所HCC(EMERALD-1試験、EMERALD-3試験)およびHCCに対するアジュバント療法(EMERALD-2試験)を含め、様々な肝がんの状況でイミフィンジをさらに評価しています

なお、トレメリムマブは本邦未承認であり、イミフィンジは切除不能な肝がんの一次治療としての単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法に対する適応はございません。

以上

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肝がんについて
HCCは全原発性肝がんの75%を占めます1。すべてのHCC患者さんの80~90%は肝硬変を併発しています5。慢性肝疾患に伴う炎症時間の経過とともにHCCの発生につながる可能性があります5

肝がんの免疫環境は特異であるため、HCCの治療においては免疫系の力を利用する医薬品の研究が必要です6

HIMALAYA試験について
HIMALAYA試験は、切除不能な進行HCC患者さんのうち、全身療法による前治療歴がなく、局所療法(肝臓とその周辺組織の局所療法)の適応とならない患者さん合計1,324例を対象とした、第Ⅲ相無作為化非盲検国際多施設共同試験です。本試験では、イミフィンジ単剤療法、および、イミフィンジ1,500 mgに加えて、プライミング量としてトレメリムマブ300 mgを初回単回追加投与し、その後4週間ごとにイミフィンジを投与するSTRIDEレジメンと、マルチキナーゼ阻害薬である標準治療薬のソラフェニブを比較しました。

この試験は、米国、カナダ、欧州、南米、アジアなど16カ国181施設で実施されています。主要評価項目はソラフェニブと比較したSTRIDEレジメンの全生存期間であり、主要な副次評価項目はソラフェニブと比較したイミフィンジの全生存期間、STRIDEレジメンおよびイミフィンジ単剤療法の客観的奏効率および無増悪生存期間(PFS)です。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象として、切除不能な局所進行(ステージⅢ)の非小細胞肺がん(NSCLC)における根治目的の治療薬として承認されたがん免疫治療です。

また、イミフィンジは、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の治療薬として、米国、欧州、日本、中国およびその他の世界中の多くの国々で承認されています。2021年にCASPIAN試験から得られた最新の結果では、イミフィンジと化学療法との併用により患者さんの3年生存率が化学療法単独の3倍に上昇することが示されました。

最近1年間には、イミフィンジの臨床ベネフィットはその他の様々ながんでも認められており、進行胆道がん(TOPAZ-1試験)、切除不能な進行肝がん(HIMALAYA試験)および転移性NSCLC(POSEIDON試験)を対象とした第Ⅲ相試験で良好な結果が得られています。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、小細胞肺がん(SCLC)、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療として、単独療法ならびに併用療法においても検討されています。

※イミフィンジは進行胆道がん、切除不能な進行肝がん、転移性NSCLCに対する適応はございません。

トレメリムマブについて
トレメリムマブ(遺伝子組換え)は開発中の新薬で、細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の働きを標的とするヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4の作用を阻害することによりT細胞を活性化させ、がんに対する免疫反応を増強し、がん細胞死を引き起こします。

トレメリムマブは、HIMALAYA試験以外にも、局所HCC(EMERALD-3試験)、SCLC(ADRIATIC試験)および膀胱がん(VOLGA試験およびNILE試験)などの様々ながん種を対象にイミフィンジとの併用療法が検討されています。

トレメリムマブは、第Ⅲ相POSEIDON試験の結果に基づき、未治療の転移性NSCLCを対象としたイミフィンジおよび化学療法との併用療法についても、世界各国の規制当局による審査を受けています。同試験では、イミフィンジと化学療法との併用療法にトレメリムマブによる短期間の治療を加えることで、化学療法単独と比較して全生存期間および無増悪生存期間がいずれも延長することが示されました。
トレメリムマブはイミフィンジとの併用療法として、NSCLCに対する臨床試験プログラムにおいて開発中です。

消化器がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開しています。2020年、約510万人が新規に消化器がんと診断され、約360万人が死亡しました7

このプログラムにおいて、当社は胃がん、肝がん、胆道がん、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。

イミフィンジは、現在、トレメリムマブなどとの併用療法で、早期から後期がんまでを対象とした広範な開発プログラムにおいて、HCC、胆道がん、食道がんおよび胃がんの治療薬として評価が行われています。2022年1月には、未治療の胆道がんを対象とした第Ⅲ相TOPAZ-1試験の結果が公表され、標準化学療法単独と比較すると、イミフィンジと標準化学療法との併用によりOSが有意に延長したことが示されました。

リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、膵がんや結腸直腸がんなど、様々な消化器がんの治療薬として、広範かつ最先端の臨床試験開発プログラムを実施しています。リムパーザは、MSD(米国およびカナダではMerck & Co., Inc.)と共同で開発と商業化を行っています。

アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
がん免疫治療(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは主に抗腫瘍免疫応答からの回避を克服するよう設計されたものです。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。

また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブやその他新規抗体薬との併用療法に対しては、様々ながん種、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。

さらに、当社のIOポートフォリオをアストラゼネカオンコロジー全パイプラインあるいは研究パートナーの放射線療法、化学療法、標的低分子化合物と併用することにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については
https://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. ASCO. Liver Cancer: View All Pages. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/liver-cancer/view-all. Accessed March 2022.
2. WHO. Liver Cancer Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/11-Liver-fact-sheet.pdf. Accessed March 2022.
3. AstraZeneca data on file. Kantar Health. 2021.
4. Abou-Alfa GK, et al. Phase 3 randomized, open-label, multicenter study of tremelimumab and durvalumab as first-line therapy in patients with unresectable hepatocellular carcinoma: HIMALAYA. Presented at ASCO Gastrointestinal Cancers Symposium 2022.
5. Tarao K, et al. Real impact of liver cirrhosis on the development of hepatocellular carcinoma in various liver diseases—meta‐analytic assessment. Cancer Med. 2019;8(3):1054-1065.  
6. Colagrande S, et al. Challenges of advanced hepatocellular carcinoma. World J Gastroenterol. 2016;22(34):7645-7659. 
7. WHO. World Cancer Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/39-All-cancers-fact-sheet.pdf. Accessed March 2022.

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