アストラゼネカのイミフィンジ、第Ⅲ相CASPIAN試験において化学療法との併用療法により、進展型小細胞肺がん患者さんの3年生存割合を3倍に

本資料はアストラゼネカ英国本社が2021年9月18日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

進展型小細胞肺がんの免疫治療では過去最長の追跡期間として
イミフィンジにおける生存期間の更新結果を示す

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、第Ⅲ相CASPIAN試験の最新解析の結果から、アストラゼネカのイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え]、以下、イミフィンジ)と化学療法(エトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法が、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の成人患者さんの一次治療薬として、治療後3年時点で持続的かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)の延長を示したことを発表しました。

これらのデータは、進展型小細胞肺がんにおける免疫治療では過去最長の追跡期間として、イミフィンジにおける生存期間の更新結果を示すものであり、2021年の欧州臨床腫瘍学会議(ESMO)のミニオーラルセッション(2021年9月18日)で発表されました。

CASPIAN試験では、2019年6月に主要評価項目であるOSの延長を達成し、死亡リスクが27%低下(ハザード比[HR]0.73に基づく; 95%信頼区間[CI]0.59, 0.91; p=0.0047)することが示されました。この結果に基づき、世界の多くの国々で承認を取得しています。これまでに発表された解析結果は、2年以上(中央値)の追跡を経て2020年5月に米国臨床腫瘍学会(ASCO)バーチャル・サイエンティフィック・プログラムで発表されました。

3年以上(中央値)の追跡を経た今回の最新解析結果では、イミフィンジと化学療法の併用療法群での持続的な有効性が示され、化学療法群と比較して死亡リスクの29%低下(HR 0.71に基づく; 95% CI 0.60, 0.86; 名目上のp=0.0003)が認められました。最新のOS中央値は化学療法群では10.5カ月であったのに対し、イミフィンジと化学療法の併用療法群では12.9カ月でした。

この解析結果には計画された探索解析が含まれ、治療後3年時点の患者さんの生存割合は、化学療法群では5.8%であったのに対し、イミフィンジと化学療法の併用療法群では推定17.6%でした。生存期間の延長効果はすべてのサブグループで一貫しており、これまでの解析結果と一致していました。

Hospital Universitario 12 de Octubre(スペイン・マドリッド)の腫瘍内科部長であり、第Ⅲ相CASPIAN試験の国際治験調整医師であるLuis Paz-Ares医学博士は次のように述べています。「進展型小細胞肺がんの患者さんは、従来、治療選択肢が少なく、現在も予後不良に直面しています。この現状を踏まえると、イミフィンジによる治療で生存期間が3年を超える患者さんが3倍に増えたことを示した今回のデータは、特に意義があるものです。この結果は、この疾患の標準治療としてのイミフィンジと白金製剤を用いた化学療法との併用療法の重要性を強調するものです」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「この治療後3年時点での生存割合の顕著な改善は、進展型小細胞肺がんの患者さんにとってはこれまでにない成果と言えます。私たちは、CASPIAN試験だけでなく、限局型小細胞肺がんを対象としたADRIATIC試験においても、さまざまな段階で転帰を改善する新たな治療選択肢の研究を行っており、この疾患における生存割合向上に徹底的に取り組んでいます」。

イミフィンジと化学療法の併用療法では、これらの薬剤における既知のプロファイルと一致する良好な忍容性および安全性プロファイルが継続的に認められました。解析結果では、重篤な有害事象(因果関係があるものすべて)が認められた患者さんの割合は、化学療法群では36.5%であったのに対し、イミフィンジと化学療法の併用療法群では32.5%でした。

イミフィンジと化学療法(エトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチン)の併用療法は、ES-SCLCの一次治療薬として米国、日本、中国、およびEU諸国を含む55カ国以上で承認されています。

イミフィンジは、広範な開発プログラムの一環として、第Ⅲ相ADRIATIC試験において限局型SCLCの患者さんの同時化学放射線療法(CRT)後の治療薬としても検討されています。また、イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験の結果に基づき、切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)におけるCRT後の維持療法として、米国、日本、中国、EU諸国をはじめ、多くの国々で承認されています。

以上

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小細胞肺がんについて
肺がんは男女共にがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています1。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、約15%がSCLCに分類されます2。SCLCは悪性度が高く増殖の速いがんであり、化学療法で奏効が認められたとしてもしばしば再発し、急速に進行します3,4。SCLC患者さんの約3分の2は、がんが肺の大部分または体の他の部位に広範囲に拡がっている進展型と診断されます5。予後は特に不良で、ES-SCLCの免疫治療レジメン承認前の5年生存割合は、SCLC患者全体ではわずか7%、ES-SCLC患者ではわずか3%です5

CASPIAN試験について
CASPIAN試験は、ES-SCLC患者さん805名が参加し、その一次治療を対象とした、無作為化非盲検国際多施設共同第Ⅲ相試験です。本試験では、イミフィンジと化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)の併用療法、またはイミフィンジと化学療法に免疫チェックポイント阻害剤であるトレメリムマブを追加した併用療法と、化学療法を比較しました。イミフィンジを投与している2つの群においては化学療法を最長4サイクル実施しました。化学療法群においては最長6サイクルの化学療法および予防的頭蓋内照射の実施が認められていました。

本試験は、米国、欧州、南米、アジア、中東の23カ国200以上の施設で実施され、イミフィンジを投与しているどちらの群においてもOSを主要評価項目としました。2019年6月、第Ⅲ相CASPIAN試験は計画された中間解析で、イミフィンジと化学療法の併用療法において、全生存期間(OS)の延長を示し、主要評価項目の1つを達成しました。なお、2020年3月の解析において、2つ目の治験薬群であるイミフィンジとトレメリムマブとの併用療法群では、OSの主要評価項目を達成しませんでした。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、切除不能なステージIIIのNSCLCに対する承認に加え、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の治療薬として、米国、欧州、日本およびその他の多くの国々で承認されています。また、前治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても複数の国々で承認されています。2017年5月に初めて承認されて以来、10万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、NSCLC、SCLC、膀胱がん、肝細胞がん、胆道がん(肝がんの一種)、食道がん、胃がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療として、単独療法ならびに併用療法においても検討されています。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ(オシメルチニブ)、イレッサ®(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびトレメリムマブや第一三共と共同開発を進めているエンハーツおよびdatopotamab deruxtecan、HUTCHMEDと共同開発を進めているSavolitinibなど、新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれます。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
免疫腫瘍学(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療によって支えられています。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。

また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブやその他新規抗体薬との併用療法に対しては、様々ながん種、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については
http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at http://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed September 2021.
2. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed September 2021.
3. National Cancer Institute. NCI Dictionary - Small Cell Lung Cancer. Available at https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms/def/small-cell-lung-cancer. Accessed September 2021.
4. Kalemkerian GP, et al. Treatment Options for Relapsed Small-Cell Lung Cancer: What Progress Have We Made? JCO Oncol Pract. 2018;14:369-370.
5. Cancer.Net. Lung Cancer - Small Cell. Available at https://www.cancer.net/cancer-types/33776/view-all. Accessed September 2021.

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