アストラゼネカ株式会社、タグリッソのEGFR遺伝子変異陽性の早期肺がんに対する術後補助療法の追加適応に向け、製造販売承認事項一部変更承認を申請

~第Ⅲ相ADAURA試験結果の良好な結果に基づき、適応拡大を目指す~

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は、タグリッソ®(一般名:オシメルチニブメシル酸塩、以下、タグリッソ)について、「上皮成長因子受容体遺伝子変異陽性(EGFRm)の非小細胞肺癌(NSCLC)における術後補助療法」に対する製造販売承認事項一部変更承認申請を実施したことをお知らせいたします。

日本において、肺がんは罹患率が高く、最も死亡率の高いがん種であり、2020年には約129,900人が肺がんと診断され、肺がんによる死亡は約75,500人にのぼりました1。肺がんはNSCLCと小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、肺がんと診断された患者さんの80~85%はNSCLCに分類されます2。また、日本を含むアジアにおいて、NSCLCの約30~40%がEGFR遺伝子変異陽性と診断されており、欧米と比較してEGFR遺伝子変異陽性の割合が高いことが知られています3-5。NSCLC患者さんの約25~30%は根治切除可能と診断されますが6-8、これら患者さんの多くが、手術(腫瘍の完全切除)あるいは、手術および術後補助療法としての化学療法を受けても再発を経験します9

アストラゼネカ 執行役員 研究開発本部長の大津智子は、次のように述べています。「これまで早期肺がん患者さんの多くが、腫瘍切除手術を行い、化学療法による術後補助療法を受けていても再発を余儀なくされてきました。第Ⅲ相ADAURA試験のデータでは、タグリッソが早期EGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんにおける再発または死亡のリスクを大きく低下させることが示されました。日本のNSCLC患者さんの多くがEGFR遺伝子変異を有しており、これら患者さんの予後を改善させる可能性のあるタグリッソを一日も早くお届けできるよう、承認取得に向けて努めてまいります」。

タグリッソは、早期肺がんの術後補助療法として米国欧州および中国を含む50カ国以上の国で現在承認されており、その他の国々でも承認申請に向けた議論が進行中です。本邦においては、2016年3月に「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」の適応で承認取得し、2018年8月には「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」の適応拡大承認を取得しています。

以上

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肺がんについて
肺がんは、男女共にがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています10。日本では、2020年には推計129,900人が肺がんと診断され、肺がんによる死亡は推計75,500人にのぼりました1

切除可能ながん患者さんの多くが、手術(腫瘍の完全切除)および術後補助療法としての化学療法を受けても再発します9。また早期の肺がんは、肺がんとは無関係な疾患の画像診断でがんが見つかった際に診断されることが多くあります2,11。アジアではおよそ30~40%、欧米では10~15%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています3-5。これらの患者さんはがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路を阻害するEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります12

タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対する臨床活性も有しています。現在、タグリッソ(40mg錠および80mg錠の1日1回経口投与)は、これまでに全世界で330,000人以上の肺がん患者さんの治療に用いられており、米国、日本、中国、EUおよびその他多くの国において、局所進行性または転移性EGFRmのNSCLC患者さんに対する1次治療として承認されています。

第Ⅲ相試験としてタグリッソは、切除可能な患者さんを対象とした術前補助療法の試験(NeoADAURA試験)、ステージIII期の切除不能な局所進行の患者さんを対象とした試験(LAURA試験)およびステージIII期の局所進行またはステージIV期の転移性の患者さんに対して化学療法と併用療法の試験(FLAURA2試験)でも検討が進んでいます。その他の現在進行中の試験として当社は、タグリッソとMet受容体チロシンキナーゼの強力かつ高選択性経口阻害薬であるサボリチニブとの併用療法を評価する第Ⅱ相SAVANNAH試験、および他の新薬候補との併用療法を評価する第Ⅱ相ORCHARD試験を通じて、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。

ADAURA試験について
ADAURA試験は、腫瘍の完全切除後の術後補助療法として(術後補助化学療法を伴う症例を含む)病期IB期、II期、IIIA期のEGFRmのNSCLC患者さん682例を対象に、タグリッソの術後補助療法に対する無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第Ⅲ相試験です。患者さんはタグリッソ80mg錠1日1回経口投与で3年間または再発するまで治療を受けました。

なお、本試験は米国、欧州、南米、アジア、中東の20カ国以上、200を超える施設で実施されました。主要評価項目は病期II期およびIIIA期の患者さんにおけるDFSであり、重要な副次評価項目は病期IB期、II期およびIIIA期の患者さんにおけるDFSです。

データ解析は当初2022年に予定されていましたが、2020年4月に独立データモニタリング委員会よりタグリッソが顕著な有効性を示したとして、ADAURA試験の非盲検化を予定より2年早める勧告を受けました。なお、被験者は試験を継続中であり、現在も本試験の盲検は維持されています。本試験では全生存期間の評価を引き続き行います。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットとアプローチを定義することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ(オシメルチニブ)、イレッサ®(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびトレメリムマブや第一三共と共同開発を進めているエンハーツおよびdatopotamab deruxtecan、HUTCHMEDと共同開発を進めているサボリニチブなど、新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれます。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、および呼吸器・免疫を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。

Reference
1.   公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計’21」https://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/2021/cancer_statistics_2021_fig_J.pdf.
2.   LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer[YO1] .(2021年5月アクセス時)
3.   Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in 12. Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
4.   Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
5.   Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
6.   Cagle P, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Archives Pathology Lab Med. 2013;137:1191-1198.
7.   Le Chevalier T. Adjuvant Chemotherapy for Resectable Non-Small-Cell Lung Cancer: Where is it Going? Ann Oncol. 2010;21:196-8.
8.   Datta D, et al. Preoperative Evaluation of Patients Undergoing Lung Resection Surgery. Chest. 2003;123: 2096–2103.
9.   Pignon et al. Lung Adjuvant Cisplatin Evaluation: A Pooled Analysis by the LACE Collaborative Group. J Clin Oncol 2008;26:3552-3559.
10. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at http://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. (2021年5月アクセス時)
11. Sethi S, et al. Incidental Nodule Management – Should There Be a Formal Process?. Journal of Thorac Onc. 2016:8;S494-S497.
12. Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.

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