アストラゼネカのフォシーガ、2型糖尿病の有無に関わらず、慢性腎臓病治療薬として欧州にて承認を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2021年8月9日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

第Ⅲ相DAPA-CKD試験で示されたリスク低下に基づく承認
過去20年以上にわたる慢性腎臓病治療において最も重要な進歩

アストラゼネカのSGLT2阻害剤フォシーガ(ダパグリフロジン)は、欧州で、2型糖尿病の有無に関わらず、成人の慢性腎臓病(CKD)の治療薬としての承認を取得しました。

欧州委員会による今回の承認は、第Ⅲ相DAPA-CKD試験の良好な結果に基づいています。また、欧州医薬品庁医薬品委員会の承認勧告に続くものです。

CKDは、腎機能の低下によって定義される病態で、その多くが心疾患や脳卒中の発症リスクの増加と関連しています1-3。 欧州で約4,700万人、世界で8億4,000万もの人がCKDを罹患していると推定されています3,4。しかしながらその診断率は低く、90%の患者さんは罹患していることに気が付いていません3

DAPA-CKD試験の治験運営委員会の共同代表者であるオランダのグロニンゲン大学医療センターのHiddo L. Heerspink教授は次のように述べています。「この承認により、ダパグリフリジンは、欧州で、2型糖尿病の有無に関わらない、CKDに適応を持つ初めてのSGLT2阻害剤となりました。第Ⅲ相DAPA-CKD試験の結果に基づき、ダパグリフロジンは、疾患の進行を抑制し、医師に予後改善の機会をもたらします。」

バイオファーマ研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「本承認はフォシーガにとって重要な機会です。本承認により、欧州における何百万ものCKD患者さんの治療が大きく変わる可能性があります。当社は、フォシーガのような新薬によって標準治療を向上するとともに、患者さんを衰弱させ、生命を脅かすCKDの予防および早期診断にも取り組んでいます。」

第III相DAPA-CKD試験においてフォシーガは、CKDステージ2~4、かつ、尿中アルブミン排泄の増加を認める患者さんを対象に、ACEiもしくはARB との併用で、腎機能の悪化、末期腎不全への進行、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合主要評価項目のリスクを、プラセボと比較して、39%低下させました (絶対リスク減少率 [ARR]=5.3%, p<0.0001) 5

また、フォシーガは、プラセボと比較して、全死亡のリスクを有意に31%低下させました (ARR=2.1%, p=0.0035) 5。フォシーガの安全性と忍容性は、過去確認された安全性プロファイルと一貫していました。

フォシーガは、米国においても2型糖尿病合併の有無に関わらず、成人のCKD治療薬として承認を取得しています。現在、日本およびその他の国において承認審査中です。フォシーガはまた、成人2型糖尿病の血糖コントロールを改善する食事および運動療法の補助療法、および、2型糖尿病合併の有無に関わらず、左室駆出率が低下した成人の慢性心不全の治療薬としても承認されています。

以上

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慢性腎臓病について
CKDは、腎機能の低下を伴う重篤な進行性の疾患です(eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、最低3カ月間認められた場合と定義される)3。CKDを発症する最も一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、糸球体腎炎です6。CKDは高い有病率や、心不全や若年死をもたらす心血管イベントリスクの増加に関与しています。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となります1。CKD患者さんの多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡しています7

DAPA-CKD試験について
DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDステージの2~4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例を対象に、ダパグリフロジン10mg投与による有効性と安全性をプラセボと比較検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験です。フォシーガは1日1回、ACEiもしくはARBによる治療と併用されました。主要評価項目は、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管または腎不全による死亡)でした。副次評価項目は、腎機能の複合評価項目(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、腎不全による死亡)、心血管死もしくは心不全による入院、および全死因死亡のいずれかの初発までの期間でした。試験は日本を含む21カ国で実施されました8。結果はThe New England Journal of Medicineに掲載されました8

フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、経口で1日1回投与の、ファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する予防および抑制効果、ならびに、心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景に、重要な知見である臓器保護効果が示されています8-10。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こします11-13

フォシーガは、米国において、成人2型糖尿病における血糖コントロール改善のための食事および運動療法の補助療法として承認され、また、第Ⅲ相DECLARE-TIMI 58 CVアウトカム試験の結果に基づき、標準治療への追加療法で、成人2型糖尿病における心不全入院および心血管死のリスク低下の適応*を取得しています9。フォシーガはまた、第Ⅲ相DAPA-HF、第Ⅲ相DAPA-CKD試験の結果に基づき、2型糖尿病合併の有無に関わらず、成人の左室駆出率が低下した心不全の治療薬、そして、慢性腎臓病の治療薬として承認された最初のSGLT2阻害剤です8,10

*日本で現在承認されているフォシーガの効能・効果は、「2型糖尿病」「1型糖尿病」「慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」です。

“DAPA Care”は、フォシーガの心血管、腎、臓器保護作用を評価する一連の臨床プログラムです。終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。またフォシーガは、現在、急性心筋梗塞(MI)または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象としたDAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝 (CVRM) 領域について
バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝 (CVRM) は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、オンコロジーおよび循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマにおいて、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については
https://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Centers for Disease Control and Prevention (CDC) [Internet]. Chronic kidney disease in the United States, 2019; [cited 2021 Jul 08]. Available from: https://www.cdc.gov/kidneydisease/publications-resources/2019-national-facts.html.
2. Segall L, et al. Heart failure in patients with chronic kidney disease: a systematic integrative review. Biomed Res Int. 2014;2014:937398.
3. Bikbov B, et al. Global, regional, and national burden of chronic kidney disease, 1990–2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet. 2020;395(10225):709-733.
4. Jager KJ, et al. A single number for advocacy and communication-worldwide more than 850 million individuals have kidney diseases. Nephrol Dial Transplant. 2019;34(11):1803-1805.
5. Heerspink H. DAPA-CKD - Dapagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease. Presented at: ESC Congress 2020 - The Digital Experience, 2020 August 29 - September 01.
6. National Kidney Foundation [Internet]. Kidney Disease: Causes, 2015; [cited 2021 Jul 08]. Available from: https://www.kidney.org/atoz/content/kidneydiscauses.
7. Briasoulis A, Bakris GL. Chronic kidney disease as a coronary artery disease risk equivalent. Curr Cardiol Rep. 2013;15(3):340.
8. Heerspink HJL, et al. Dapagliflozin in patients with chronic kidney disease. N Engl J Med. 2020;383(15):1436-1446.
9. Wiviott SD, et al. for the DECLARE-TIMI 58 Investigators. Dapagliflozin and cardiovascular outcomes in type-2 diabetes [article and supplementary appendix]. N Engl J Med. 2019;380:347-357.
10. McMurray J, et al. Dapagliflozin in patients with heart failure and reduced ejection fraction. N Engl J Med. 2019; 381:1995-2008
11. Mayo Clinic [Internet]. Heart failure, 2020; [cited 2021 Jul 09]. Available from: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heart-failure/symptoms-causes/syc-20373142.
12. Centers for Disease Control and Prevention (CDC) [Internet]. A snapshot: Diabetes in the United States, 2020; [cited 2021 Jul 09]. Available from: https://www.cdc.gov/diabetes/library/socialmedia/infographics/diabetes.html.
13. National Institute of Diabetes and Digestive And Kidney Diseases (NIH) [Internet]. Heart disease & kidney disease, 2016; [cited 2021 Jul 09]. Available from: https://www.niddk.nih.gov/health-information/kidney-disease/heart-disease.

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