MELTIMI試験によって、最長5年間の好酸球性重症喘息患者さんにおけるファセンラの安全性と有効性を証明

本資料はアストラゼネカ英国本社が2021年5月19日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

データは、これまでの第III相試験と一貫しており、ファセンラの
安全性プロファイルを支持

各年で増悪を経験しなかった患者さんは少なくとも75%以上でした

第III相非盲検MELTIMI延長試験のデータを含む新たな統合解析の結果は、ファセンラ(一般名:ベンラリズマブ)の忍容性は良好で、長期安全性プロファイルは、最長5年間、成人重症喘息患者さんを対象とした以前の第III相試験と一致していることを示しました1

この結果は、5月19日、2021年米国胸部疾患学会(ATS)の国際会議において発表されました。

BORA試験およびMELTIMI延長試験の期間中、有害事象および重篤な有害事象の発現率は、主要第III相試験でみられたプラセボ投与群での発現率を超えるものではありませんでした1
8週ごとにファセンラの投与を受けた患者さんにおいて、重篤な感染症、過敏症および悪性腫瘍の発現率はそれぞれ5例(1.1%)、23例(5.2%)および3例(0.7%)で、治療期間中に死亡例はみられませんでした。また、非盲検期間中に最も多く報告された有害事象として、鼻咽頭炎53例(11.9%)、喘息33例(7.4%)、頭痛22例(5.0%)および気管支炎19例(4.3%)が挙げられます1。これらのデータは、ファセンラの安全性プロファイルを支持するものです。

副次的評価項目に関し、ファセンラは、先行第III相試験であるSIROCCO試験2 、CALIMA試験3、ZONDA試験4、および BORA5試験においてみられた増悪率の抑制を持続し、年間喘息増悪率(AAER)は5年の治療期間中一貫して低いままでした。

高用量の吸入ステロイド薬 (ICS)投与を受けている血中好酸球数が300cells/µL 以上の被験者中、ファセンラの投与を8週間ごとに受けた被験者におけるAAERは先行試験において、治療前の3.1回/年から0.5回/年に低下し、更に非盲検試験の4年目までに、0.2回/年に低下しました。同じ治療群において、被験者の59%は、4年間の非盲検期間中(BORA試験およびMELTIMI試験)増悪を経験することはなく、少なくとも75%の被験者は毎年増悪を経験することがありませんでした。本試験の最後の年にも、被験者の87%において増悪はみられませんでした1

MELTIMI試験の治験統括医師であるフランス・モンペリエのArnaud de Villeneuve病院の呼吸器科の責任者かつ呼吸器内科教授であるArnaud Bourdinは次のように述べています。「好酸球性重症喘息を治療している臨床医は、彼らが処方する治療薬が一貫した安全性プロファイルを有し、長期にわたり患者さんの継続的な疾患コントロールに役立てたいと願っています。医師及び患者さんは、MELTIMI試験の新たなデータにより、ファセンラが既知の安全性プロファイルを有し増悪を抑制することで継続的な疾患コントロールを可能にする治療選択肢がもたらされると信じることができると思います」。

ファセンラのグローバルフランチャイズの責任者であるMark Whiteは次のように述べています。「MELTIMI試験により新たに得られたデータは、先に報告された複数の第III相試験にみられたファセンラの有効性および安全性プロファイルを支持できたという意味で、非常に有望です。これらの結果は、ファセンラでの治療を通じて医師や患者さんが経験している良好なアウトカムを今後は長期にわたり維持できることを信じる根拠になるでしょう」。

ファセンラは、現在、米国、EU、日本、その他数カ国において6、重症喘息治療の追加療法として承認されており、米国7とEU8においては自己投与が承認されています。米国食品医薬品局(FDA)はファセンラに対し、2018年11月には好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)治療薬として9、2019年2月には好酸球増加症候群 (HES)治療薬として10、および2019年8月には好酸球性食道炎(EoE)治療薬として11、希少疾病治療薬指定を付与しました。

以上

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重症喘息について
喘息は世界で推定3億3,900万人の人々に影響を与えている多様性を有する疾患です12,13。喘息患者さんの約10%は重症喘息に罹患しています13,14。吸入の喘息長期管理薬および現在使用可能な生物学的製剤を使用しているにも関わらず、多くの患者さんはコントロール不良の状態に留まっています13-15。重症喘息はその複雑性により、多くの患者さんにおいて炎症の病態が明確ではなく、複数の炎症機序を有しており、既存の生物学的製剤に適さない場合や、良好に反応しない可能性があります14-17

コントロール不良の重症喘息は消耗性疾患で、患者さんは頻回な増悪を経験し、著しい呼吸機能の低下、生活の質の低下を余儀なくされます13,14,18。コントロール不良の重症喘息患者さんの死亡リスクは高く、これらの患者さんでは喘息関連の入院頻度が2倍高いとされています19-21。さらに、疾患による社会経済的な負担も大きく、経済的負担は喘息関連費用の約50%にあたるとも言われています22

MELTIMI試験について
MELTIMI試験は、経口ステロイド薬(OCS) および/または他の喘息長期管理薬の使用の有無を問わず、吸入ステロイド薬 (ICS) と長時間作用型β2刺激薬による治療を受けているコントロール不良の重症喘息患者さんを対象とするファセンラの皮下投与の安全性と忍容性を評価する多施設共同非盲検安全性第III相延長試験です。被験者は先行の3つのプラセボ対照第III相試験(SIROCCO, CALIMA, ZONDA) のうち1つを完了し、その後二重盲検安全性延長試験であるBORA試験に登録され、さらに非盲検延長試験であるMELTIMI試験に移行しました。

本統合解析の結果には、先行試験の治療期間の開始時から最長5年間ファセンラの投与を受けた患者さんが含まれました。合計446例の被験者が本解析に含まれ、うち384例 (86.1%)は治療期間を完了しており、16%は5年以上の治療を受けました。治療期間の平均値は、それぞれの群において3年以上でした。長期試験において典型的にみられるように、被験者の追跡期間により、本試験の後期段階まで継続した被験者は、先行試験を完了した被験者よりも少数でした。

MELTIMI試験の主要評価項目は、ファセンラの安全性と忍容性であり、治療期間中の有害事象および重篤な有害事象の発現率が測定されました1,23。副次的評価項目としては、先行第III相試験の主要および副次的評価項目のサブセットが挙げられます。これらは、治療期間中の年間喘息増悪数、入院中の患者数および・または救急来院患者数、血中好酸球数、ならびに免疫原性でした。

ファセンラについて
ファセンラは、ほとんどの患者さんにおいて好酸球の表面にあるIL-5受容体αに直接結合することで、ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性により、ナチュラルキラー細胞が好酸球を直接的にアポトーシス (プログラム細胞死)させ、血中および気道の好酸球を速やかに、かつほぼ完全に除去するモノクローナル抗体です24,25

ファセンラは、現在、米国、EU、日本、その他数カ国において6、好酸球性重症喘息の追加維持療法として承認されており、米国7, EU8よびその他数カ国においては自己投与が承認されています。

また、ファセンラは他の好酸球性疾患および慢性閉塞性肺疾患 (COPD)に対する治療薬として開発中です 。米国食品医薬品局 (FDA)はファセンラに対し、2018年11月には好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)治療薬として9、2019年2月には好酸球増加症候群(HES)治療薬として10、および2019年8月には好酸球性食道炎(EoE)治療薬として11、希少疾病治療薬指定を付与しました。

ファセンラは、日本の協和発酵キリンの完全出資子会社であるBioWa社から導入され、アストラゼネカにより開発されました。

アストラゼネカにおける呼吸器および自己免疫疾患領域について
呼吸器・免疫疾患はアストラゼネカが注力する3つの疾患領域のひとつで、当社にとって重要な今後の成長の原動力です。

アストラゼネカは呼吸器疾患治療における確固たるリーダーであり、吸入薬および生物学的製剤を2019年5,300万人を超える患者さんにお届けしました。50年の歴史を基盤として、アストラゼネカは、すべての重症度における予防可能な喘息発作をなくし、生物学的製剤を中心とした早期治療により、喘息およびCOPD治療を革新的に向上させ、COPDを死因の上位3位から除くことを目指しています。また、当社の呼吸器領域における初期研究では、疾患や神経機能不全における免疫機構、肺損傷および異常細胞修復プロセス等の新たなサイエンスに焦点を当てています。

アストラゼネカは、呼吸器疾患と免疫疾患に共通する経路と基礎疾患ドライバーを足掛かりに、慢性肺疾患から自己免疫疾患領域まで網羅する研究に注力していきます。また、リウマチ性疾患 (全身性エリテマトーデスを含む)、皮膚疾患、消化器疾患、全身性好酸球性疾患をはじめ、複数疾患につながる可能性がある5つの中期~後期フランチャイズに焦点を当て、自己免疫疾患領域におけるプレゼンスを高めています。アストラゼネカは、呼吸器・免疫疾患領域において、世界中の多くの患者さんのために疾患修飾および継続的な寛解を達成することを目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References:
1. Bourdin A, et al. Integrated Safety and Efficacy Among Patients with Severe Asthma Receiving Benralizumab for Up to Five Years. Am J Respir Crit Care Med. 2021 (3 May);203 [Online]. Data presented at American Thoracic Society (ATS) 2021 International Conference. Session: D007 Advances in asthma therapies (19 May 2021). Abstract: A1205.
2. Bleecker ER, et al. Efficacy and safety of benralizumab for patients with severe asthma uncontrolled with high-dosage inhaled corticosteroids and long-acting β2-agonists (SIROCCO): a randomised, multicentre, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet. 2016;388:2115-2127.
3. FitzGerald JM, et al. Benralizumab, an anti-interleukin-5 receptor alpha monoclonal antibody, as add-on treatment for patients with severe, uncontrolled, eosinophilic asthma (CALIMA): a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet. 2016;388:2128-2141.
4. Nair P, Wenzel S, Rabe KF, et al, on behalf of the ZONDA trial investigators. Oral Glucocorticoid–Sparing Effect of Benralizumacomb in Severe Asthma. N Engl J Med. 2017;376:2448-2458.
5. Busse WW, et al. Long-term safety and efficacy of benralizumab in patients with severe, uncontrolled asthma: 1-year results from the BORA phase 3 extension trial. Lancet Respir Med. 2019 Jan;7(1):46-59. doi: 10.1016/S2213-2600(18)30406-5.
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