再発性または転移性頭頸部がん患者さんの一次治療における、イミフィンジ単剤療法またはイミフィンジとトレメリムマブの併用療法、第Ⅲ相KESTREL試験の最新結果について

本資料はアストラゼネカ英国本社が2021年2月5日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、一次治療として再発性または転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の患者さんを対象とし、イミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え]、以下、イミフィンジ)を標準化学療法であるEXTREMEレジメン(化学療法とセツキシマブ)と比較した第Ⅲ相試験であるKESTREL試験において、主要評価項目である腫瘍にPD-L1を高発現している患者さんでの全生存期間(OS)の延長を達成しなかったと発表しました。また、イミフィンジとトレメリムマブ(遺伝子組換え)の併用療法においても、副次評価項目である全ての患者さんを対象としたOSの延長は認められませんでした。

アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニット責任者であるDave Fredricksonは次のように述べています。「転移性頭頸部がんは複雑かつ治療困難な予後の悪い疾患です。今回の結果は残念ですが、第Ⅲ相KESTREL試験から得られた知見は、当社の臨床開発プログラム全体における免疫治療への理解とその応用を前進させるものです。我われは引き続き、効果が得られる可能性のあるすべての患者さんに新たな選択肢として免疫治療をお届けするべく、早期肺がんや小細胞肺がんにおいて確立されたイミフィンジのベネフィットをさらに強化してまいります」。

イミフィンジの単剤療法およびイミフィンジとトレメリムマブの併用療法の安全性および忍容性プロファイルはこれまでの試験と一貫していました。試験データは今後公表する予定です。

※イミフィンジによるHNSCCに対する治療は本邦未承認です。また、トレメリムマブは本邦未承認です。

以上

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頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)について
2020年に世界中で75万人近くの患者さんが頭頸部がんと診断されました1。頭頸部がんと診断された患者さんの3分の2は進行期にあり、治療を受けた患者さんの半数以上が最終的には再発しています2,3。切除不能または転移性再発の患者さんの生存期間中央値は現在も1年未満のままです3。すべての頭頸部がんの90%以上は口、鼻および喉にある扁平上皮細胞に発症し、HNSCCと称されます4

KESTREL試験について
第Ⅲ相KESTREL試験は、一次治療を受ける再発性または転移性HNSCC患者さんに対する国際多施設共同無作為化非盲検試験です。同試験では、イミフィンジ単剤療法またはイミフィンジと2種類目の免疫治療薬であるトレメリムマブとの併用療法を、標準治療であるEXTREMEレジメン(セツキシマブ+シスプラチン/カルボプラチン+5-フルオロウラシル)と比較して検討しました。PD-L1高発現は、50%以上の腫瘍細胞または25%以上の腫瘍浸潤免疫細胞へのPD-L1の発現と定義されました。

本試験は、米国、欧州、南米、アジアの23カ国200以上の施設で実施され、PD-L1高発現患者さんにおけるイミフィンジ単剤投与によるOS延長を主要評価項目としました。また、全患者さんを対象としたイミフィンジとトレメリムマブの併用療法によるOS延長も主要な副次評価項目として検討しました。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ [遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、切除不能なステージⅢの非小細胞肺がん(NSCLC)における化学放射線療法後の根治を目的とした治療薬として、EU、米国、日本、中国をはじめ、多くの国々で承認されています。また、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型小細胞肺がん(SCLC)の治療薬としても、EU、米国、日本をはじめとする多くの国々で承認されました。さらに、前治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても米国を含む複数の国で承認されています。

イミフィンジは、広範な開発プログラムの一環として、NSCLC、SCLC、膀胱がん、肝細胞がん(HCC)、胆道がん、食道がん、胃・食道胃接合部がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜がんおよび他の固形がんの患者さんに対する治療薬として、単剤療法、および他の抗がん治療薬との併用療法においても検討されています。

トレメリムマブについて
トレメリムマブは開発中の新薬で、細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の働きを標的とするヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4の作用を阻害することによりT細胞を活性化させ、がんに対する免疫反応を増強して、がん細胞死を引き起こします。トレメリムマブはイミフィンジとの併用療法として、NSCLC、SCLC、膀胱がんおよびHCCに対する臨床試験プログラムが進行中です。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
免疫腫瘍学(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療によって支えられています。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。

また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法に対しては、様々ながん腫、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

頭頸部がんでは、当社はファーストインクラスのヒト化抗NKG2A抗体であるモナリズマブについても、セツキシマブとの併用療法において、免疫治療薬および化学療法による前治療歴のある再発性または転移性HNSCC患者さんを対象として、第Ⅲ相INTERLINK-1試験で検討しています。当社は、2015年に締結した共同開発および共同商業化に関する提携契約により、2018年10月にInnate Pharmaからモナリズマブのがん領域における全権利を取得しました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保有しています。2014年から2020年までの期間に7つの新薬の販売を開始し、低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当て、成長基盤としてオンコロジー治療を進展させることに尽力しています。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、DNA損傷修復および抗体薬物複合体、エピジェネティクスおよび細胞療法の6つの科学的基盤を強化し、個別化併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については
https://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. World Health Organization. World GLOBOCAN 2020. Available at https://gco.iarc.fr/today/home. Accessed January 2021.
2. Heriou A, et al. Multiple Cancers of the Head and Neck. MAEDICA – a Journal of Clinical Medicine 2013;8(1):80-852.
3. Rothschild U, et al. Immunotherapy in head and neck cancer – scientific rationale, current treatment options and future directions. Swiss Med Wkly. 2018;148:w14625.
4. Palka K, et al. Update in Molecular Diagnostic Tests in Head and Neck Cancer. Semin Oncol. 2008 June;35(3):198-210.

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