アストラゼネカのタグリッソ、ⅠB期~ⅢA期のEGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんの術後補助療法として、米国にて画期的治療薬指定を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年7月30日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

再発または死亡リスクを約80%低下させた
第Ⅲ相ADAURA試験におけるタグリッソの顕著な結果に基づく指定

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、7月30日、アストラゼネカのタグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)が、治癒目的の腫瘍完全切除後の早期ステージ(ⅠB期、Ⅱ期およびⅢA期)上皮増殖因子受容体変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの術後補助療法として、米国で画期的治療薬指定(BTD)を取得したことを発表しました。

米国食品医薬品局(FDA)によるBTDは、重篤な疾患の治療や、重大なアンメット・メディカル・ニーズに応えられる可能性のある新薬に対して、その開発と薬事承認審査を迅速化するために指定されます。新薬には、臨床的に意義ある評価項目において、既存の医薬品を大幅に上回る改善を示す有望な初期臨床データが求められます。

NSCLC患者さんのおよそ30%は、治癒を目的とした切除手術が可能な初期ステージに診断されますが、このステージは再発が多く、ステージⅠB期では診断された患者さんの半数近く、ステージⅢA期では4分の3以上の患者さんが5年以内に再発します1-6

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselgaは次のように述べています。「初期のEGFRm肺がん患者さんは、切除手術と術後補助療法に化学療法を受けても再発することが多く、現在のところ、アウトカムを改善できる承認された標的治療薬はありません。第Ⅲ相ADAURA試験において、これらの患者さんに対して、タグリッソは非常に高い臨床的有効性を示しました。当社は、治癒が期待できるこの治療を一日も早く患者さんに届けられるよう、FDAと緊密な連携を進めています」。

FDAによる今回のBTDは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)バーチャルサイエンティフィックプログラムのプレナリーセッションで発表された第Ⅲ相ADAURA試験のデータに基づいています。

本試験においてタグリッソは、ステージⅠB期~ⅢA期のEGFRm NSCLC患者さんに対する術後補助療法として、統計学的に有意で臨床的に意義のある無病生存期間(DFS)の延長を示し、副次評価項目においても、再発または死亡リスクを79%低下させました(ハザード比:0.21;95%信頼区間0.16-0.28;p値<0.0001)。これらの結果を受け、独立データモニタリング委員会は、タグリッソが顕著な有効性を示したとして、2020年4月に本試験の非盲検化を予定より2年早めることを勧告しました。 

タグリッソは、局所進行性または転移性EGFRm NSCLCの一次治療薬、および局所進行性または転移性EGFR T790M変異陽性進行NSCLCの治療薬として、米国、日本、中国、欧州およびその他多くの国において承認されています。

※ EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの術後補助療法に対するタグリッソの適応は、本邦では未承認です。

以上

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肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています7。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、肺がん患者さんの80~85%がNSCLCと診断されます8。NSCLCの全患者さんの大多数は進行がんと診断され、そのうち約25~30%は切除可能と診断されます。しかし、切除可能なNSCLCの患者さんの多くが、手術(腫瘍完全切除)および術後補助療法としての化学療法を受けても再発します。欧米ではおよそ10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています9-11。これらの患者さんは特にがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路をブロックするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります12

ADAURA試験について
ADAURA試験は、腫瘍完全切除および術後補助療法としての化学療法を伴うⅠB期、Ⅱ期、ⅢA期のEGFRmのNSCLC患者さん682人を対象に、タグリッソの術後補助療法に対する無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第Ⅲ相試験です。タグリッソ治療群においては、患者さんはタグリッソ 80mg錠 1日1回経口投与で3年間または再発するまで治療を受けました。なお、本試験は米国、欧州、南米、アジア、中東の20ヵ国以上、200を超える施設で実施されました。主要評価項目はⅡ期およびⅢA期の患者さんにおけるDFSであり、主要副次評価項目はステージⅠB期、Ⅱ期およびⅢA期の患者さんにおけるDFSです。データ解析は当初2022年に予定されていました。本試験ではOSの評価を引き続き行います。

タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対する臨床活性も有しています。現在、タグリッソ40mg錠および80mg錠の1日1回経口投与は、EGFR遺伝子変異陽性進行NSCLCの一次治療、およびEGFR T790M遺伝子変異陽性進行NSCLCの治療薬として米国、日本、中国およびEUを含む多くの国で承認されており、ステージⅢの切除不能な症例(LAURA試験)、術前補助療法(NeoADAURA)、化学療法との併用療法(FLAURA2試験)、ならびにEGFR阻害剤に対する耐性に取り組むため他の新薬候補との併用療法(SAVANNAH試験、ORCHARD試験)においても検討が進んでいます。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、さまざまな病期における異なる組織型の肺がん、治療法、作用機序に対して、承認済みおよび後期臨床開発段階の新薬候補を含め、包括的なポートフォリオを有しています。

欧米では10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんが疾患の遺伝的要因としてのEGFR遺伝子変異を有しており、アストラゼネカは既承認薬イレッサ®(ゲフィチニブ)およびタグリッソ(オシメルチニブ)の提供や、現在進行中の第Ⅲ相試験であるLAURA、NeoADAURA、FLAURA2によって得られる新たなエビデンスを通じて、遺伝子変異を持つ患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています9-11

当社はまた、タグリッソとc-Met受容体チロシンキナーゼの選択的阻害薬であるサボリチニブ、および他の新薬候補との併用療法を評価する、現在進行中の第Ⅱ相SAVANNAH試験およびORCHARD試験を通じて、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています13

また、当社の広範ながん免疫療法の後期開発プログラムは、すべての肺がん患者さんの4分の3にあたる既知の遺伝子変異を持たない患者さんを対象にしています14。抗PD-L1抗体であるイミフィンジについては単剤療法、およびトレメリムマブおよび/または化学療法との併用療法において、病勢進行が認められた患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(POSEIDONおよびPEARL)、治癒の可能性がある初期段階の患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(MERMAID-1、AEGEAN、ADJUVANT BR.31、PACIFIC-2、PACIFIC-4、PACIFIC-5、およびADRIATIC)が現在進行中です。さらに、イミフィンジは、エンハーツを含むまだ開発パイプラインの初期段階にある新薬候補との併用療法を評価する第Ⅱ相併用投与試験(NeoCOAST、COASTおよびHUDSON)においても検討されています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保有しています。2014年から2020年までの期間に7つの新薬発売を予定し、低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当て、成長基盤としてオンコロジー治療を進展させることに尽力しています。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca.(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Cagle P, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Archives Pathology Lab Med. 2013;137:1191-1198.
2. Le Chevalier T. Adjuvant Chemotherapy for Resectable Non-Small-Cell Lung Cancer: Where is it Going? Ann Oncol. 2010;21:196-8.
3. Datta D, et al. Preoperative Evaluation of Patients Undergoing Lung Resection Surgery. Chest. 2003;123: 2096–2103.
4. Sasaki H, et al. Prognosis of Recurrent Non‑Small Cell Lung Cancer Following Complete Resection. Onc Letters. 2014:7;1300-1304.
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8. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://www.lungevity.org/about-lung-cancer/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed July 2020.
9. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
10. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
11. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
12. Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.
13. Zaman S, et al. Targeting Trop-2 in solid tumors: future prospects. Onco Targets Ther. 2019; 12: 1781-1790.
14. Pakkala, S, et al. Personalized Therapy for Lung Cancer: Striking a Moving Target. JCI Insight. 2018;3(15):e120858.

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