アストラゼネカのイミフィンジ、進展型小細胞肺がんの治療薬として、欧州医薬品評価委員会より承認勧告を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年7月27日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

選択可能な化学療法との併用療法において、有意な生存期間の延長および
奏効率の改善を実証した唯一のPD-1/PD-L1免疫療法

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、7月27日、欧州連合(EU)においてイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え]、以下、イミフィンジ)に対し、化学療法(エトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法で、成人の進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者さんの一次治療薬として、製造販売承認が勧告されたことを発表しました。小細胞肺がん(SCLC)は悪性度が高く増殖の速いがんであり、化学療法で奏効が認められたとしてもしばしば再発し、急速に進行します1,2

今回の欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解は、イミフィンジと化学療法との併用療法を検討した第Ⅲ相CASPIAN試験の結果に基づくものであり、本試験の結果はLancet誌にも掲載されています3

本試験において、イミフィンジと化学療法との併用療法が、化学療法単独との比較で、ES-SCLC患者さんの一次治療において統計学的に有意で臨床的に意義のある全生存期間(OS)の延長が認められ、死亡リスクを27%低下させました(ハザード比:0.73;95%信頼区間  0.59 - 0.91;p=0.0047)。また、イミフィンジと化学療法との併用療法群では、客観的奏効率(Confirmed)の増加(化学療法単独58%に対して、イミフィンジと化学療法との併用療法群68%)が示され、化学療法にイミフィンジを追加することで、肺がん関連の症状が悪化するまでの期間が延長することが示されました4

最新の解析データでは、追跡期間中央値が2年を超えた時点でも、イミフィンジと化学療法との併用療法による持続的な有効性が示されました(OSハザード比:0.75;95% 信頼区間 0.62 -0.91;p=0.0032(名目上))。イミフィンジと化学療法との併用療法の安全性および忍容性は、これらの医薬品の既知の安全性プロファイルと一致していました。また、イミフィンジの投与に関連したイミフィンジに対する抗薬物抗体が陽性の患者さんは認められませんでした。

第Ⅲ相CASPIAN試験の国際治験調整医師であり、Hospital Universitario Doce de Octubre(スペイン・マドリッド)の腫瘍内科部長であるLuis Paz-Ares医学博士は次のように述べています。「CASPIAN試験は、イミフィンジと医師が選択する白金系抗悪性腫瘍剤とエトポシドを用いた化学療法との併用療法が、良好な忍容性を示し生存期間の延長をもたらす重要で新たなES-SCLCの一次治療の選択肢となり得ることを示しました。欧州の多くの医師にとって、シスプラチンはこの病気に対して好んで選択される化学療法であり、今回の承認勧告は、欧州のES-SCLC患者さんに対して、初めてシスプラチンと免疫治療との併用療法を可能にする重要なステップとなります」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselgaは次のように述べています。「イミフィンジは、この非常に深刻で悪性度が高く、治療選択肢がほとんどないES-SCLCと闘う欧州の患者さんの重大なアンメットニーズに対処できる可能性があります。維持療法における4週間ごとの投与は利便性が高い治療法であり、選択可能な化学療法との併用において生存期間を有意に延長することができるこの新たな標準治療をお届けできることを楽しみにしています」。

今回のCHMPによる承認勧告は、成人ES-SCLC患者さんの一次治療におけるイミフィンジとエトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチンとの併用療法に対して与えられました。CASPIAN試験においては、化学療法との併用療法で、固定用量のイミフィンジ(1500mg)を3週間間隔で4回を患者さんに投与し、その後、病勢進行するまで4週間間隔で投与しました。

イミフィンジとエトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチンとの併用療法は、一次治療でのES-SCLCの治療薬として、米国および世界中の数カ国で承認されており、現在日本および各国で薬事承認審査中です。

※ES-SCLCに対するイミフィンジの適応は本邦では未承認です。

以上

 

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小細胞肺がんについて
肺がんは男女共にがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています5。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、約15%がSCLCに分類されます6。SCLC患者さんの約3分の2は、がんが肺の大部分または体の他の部位に広範囲に拡がっている進展型と診断されます7。SCLCの5年生存率はわずか6%であり、予後は特に不良です7

CASPIAN試験について
CASPIAN試験は、ES-SCLC患者さん805名が参加し、その一次治療を対象とした、無作為化非盲検国際多施設共同第Ⅲ相試験です。本試験では、イミフィンジと化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)の併用療法、またはイミフィンジと化学療法に免疫チェックポイント阻害剤であるトレメリムマブを追加した併用療法と、化学療法を比較しました。イミフィンジを投与している2つの群においては化学療法を最長4サイクル実施しました。化学療法群においては最長6サイクルの化学療法および予防的頭蓋内照射の実施が認められていました。本試験は、米国、欧州、南米、アジア、中東の23カ国200以上の施設で実施され、イミフィンジを投与しているどちらの群においてもOSを主要評価項目としました。2019年6月、CASPIAN試験は計画された中間解析で、イミフィンジと化学療法との併用療法において、全生存期間(OS)の延長を示し、主要評価項目の1つを達成しました。なお、2020年3月の解析において、2つ目の治験薬群であるイミフィンジとトレメリムマブと化学療法との併用療法群では、OSの主要評価項目を達成しませんでした。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、国際共同第Ⅲ相臨床試験(PACIFIC試験)に基づき、切除不能な局所進行(ステージⅢ)の非小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法として、米国、日本、中国、ヨーロッパ諸国をはじめ、多くの国々で承認されています。また、前治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても米国を含む複数の国で承認されています。

イミフィンジは、広範な開発プログラムの一環として、NSCLC、SCLC、膀胱がん、頭頸部がん、肝がん、胆道がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮体がんおよびその他の固形腫瘍患者さんの治療薬として、単剤療法、および抗CTLA4モノクローナル抗体で新薬候補のトレメリムマブとの併用療法においても検討されています。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、さまざまな病期における異なる組織型の肺がん、治療法、作用機序に対して、承認済みおよび後期臨床開発段階の新薬候補を含め、包括的なポートフォリオを有しています。欧米では10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しており、既承認薬イレッサ®(ゲフィチニブ)およびタグリッソ®(オシメルチニブ)の提供や、現在進行中の第Ⅲ相試験であるLAURA、NeoADAURA、FLAURA2によって得られる新たなエビデンスを通じて、遺伝子変異を持つ患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています8-10

当社はまた、タグリッソとc-Met受容体チロシンキナーゼの選択的阻害薬であるサヴォリチニブ、および他の新薬候補との併用療法を評価する、現在進行中の第Ⅱ相SAVANNAHおよびORCHARD試験を通じて、耐性の腫瘍メカニズムを解き明かそうとしています。

また、当社の広範ながん免疫療法の後期開発プログラムは、すべての肺がん患者さんの4分の3にあたる既知の遺伝子変異を持たない患者さんを対象にしています。免疫療法ポートフォリオには、PD-L1抗体であるイミフィンジ単剤療法、およびトレメリムマブおよび/または化学療法との併用療法が含まれ、病勢進行が認められた患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(POSEIDONおよびPEARL)、治癒の可能性がある初期段階の患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(MERMAID-1, AEGEAN、ADJUVANT BR.31、PACIFIC-2、PACIFIC-4、PACIFIC-5、およびADRIATIC)が現在進行中です。さらに、イミフィンジは、エンハーツを含むまだ開発パイプラインの初期段階にある新薬候補との併用療法を評価する第Ⅱ相併用投与試験(NeoCOAST、COASTおよびHUDSON)においても検討されています。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
免疫腫瘍学(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療によって支えられています。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。

また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法に対しては、様々ながん腫、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保有しています。2014年から2020年までの期間に7つの新薬発売を予定し、低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当て、成長基盤としてオンコロジー治療を進展させることに尽力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca.(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1.National Cancer Institute. NCI Dictionary - Small Cell Lung Cancer. Available at https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms/def/small-cell-lung-cancer. Accessed May 2020.
2.Kalemkerian GP, et al. Treatment Options for Relapsed Small-Cell Lung Cancer: What Progress Have We Made? Journal of Oncology Practice, 2018:14;369-370.
3.Paz-Ares L, et al. Durvalumab plus platinum-etoposide versus platinum-etoposide in first-line treatment of extensive-stage small-cell lung cancer (CASPIAN): a randomised, controlled, open-label, phase 3 trial. The Lancet. 2019;394(10212):1929-1939.
4.Paz-Ares L, et al. PD-L1 Expression, Patterns of Progression and Patient-reported Outcomes (PROs) with Durvalumab Plus Platinum-etoposide in ES-SCLC: Results from CASPIAN. Presented at the European Society for Medical Oncology Congress. Barcelona, Spain. 28 September 2019.
5.World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Available at http://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed May 2020.
6.LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed May 2020.
7.Cancer.Net. Lung Cancer - Small Cell. Available at https://www.cancer.net/cancer-types/33776/view-all. Accessed May 2020.
8.Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
9.Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
10.Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
11.Pakkala, S, et al. Personalized therapy for lung cancer: striking a moving target. JCI Insight. 2018;3(15):e120858.

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