タグリッソの第Ⅲ相ADAURA試験、EGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんに対する術後補助療法において顕著な有効性を示し、早期に非盲検化を予定

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年4月10日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

ADAURA試験は、肺がんの術後補助療法を対象にEGFR阻害剤を評価し、
統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるベネフィットを示した初の国際試験

試験結果に基づき、薬事承認申請を予定

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、4月10日、アストラゼネカのタグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)が第Ⅲ相ADAURA試験において顕著な有効性を示したことにより、独立データモニタリング委員会(IDMC)の勧告に従って早期に非盲検化されることを発表しました。ADAURA試験は、完全腫瘍切除したIB期、Ⅱ期、ⅢA期の上皮成長因子受容体遺伝子変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象に術後補助療法としてのタグリッソの評価を行う第Ⅲ相臨床試験です。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselgaは次のように述べています。「第Ⅲ相ADAURA試験が予定よりも早期に非盲検化されることを喜んでいます。また、早期のEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんにとって前例を見ないほどの良好な結果を本試験で確認できたことを大変嬉しく思います。肺がんは深刻な疾患ですが、これでEGFR阻害剤が初めてその治癒の希望を与えることができます」。

第Ⅲ相ADAURA試験の主要評価項目は無病生存期間です。本試験では、タグリッソをプラセボと比較し、最長3年の治療期間で評価しました。本試験は引き続き、副次評価項目である全生存期間の評価を行います。なお、IDMCからは、本試験における新たな安全上の問題は提起されませんでした。本試験の詳細データは、今後の学会で発表される予定です。

※  EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの術後補助療法に対するタグリッソの適応は、本邦では未承認です。

以上

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肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています。さらには、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります1。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、肺がん患者さんの80~85%がNSCLCと診断されます2。欧米ではおよそ10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています3,4,5。これらの患者さんはとくに、がん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路をブロックするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります。アストラゼネカの予測では、NSCLC患者さんの60%あまりが早期(Ⅰ-Ⅲ期)がんと診断されます。

ADAURA試験について
ADAURA試験は、無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第Ⅲ相試験で、腫瘍完全切除および標準的な術後補助療法を伴うIB期、Ⅱ期、ⅢA期のEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さん682人を対象としています。タグリッソ治療群においては、患者さんはタグリッソ 80mg錠 1日1回経口投与で3年間または再発するまで治療を受けました。なお、本試験は米国、欧州、南米、アジア、中東の20ヵ国以上、200を超える施設で実施されました。主要評価項目は無病生存期間で、データ解析は当初2022年に予定されていました。

タグリッソについて
タグリッソ(オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害するよう設計されており、中枢神経系転移に対する臨床活性も有しています。現在、タグリッソ40mg錠および80mg錠の1日1回経口投与は、EGFR遺伝子変異陽性進行NSCLCの1次治療として米国、日本、中国およびEUを含む80か国で承認されており、EGFR T790M変異陽性進行NSCLCの2次治療としても米国、EU、日本、中国、EUを含む87カ国で承認されています。また、タグリッソは術後補助療法(ADAURA試験)、切除不能な局所進行例(LAURA試験)、転移がんにおける化学療法との併用療法(FLAURA2試験)、ならびにEGFR阻害剤に対する耐性に取り組むため他の新薬候補との併用療法(SAVANNAH試験、ORCHARD試験)においても検討が進んでいます。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、さまざまな病期における異なる組織型の肺がん、治療法、作用機序に対して、承認済みおよび後期臨床開発段階の新薬候補を含め、包括的なポートフォリオを有しています。欧米では10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しており、既承認薬イレッサ®(ゲフィチニブ)およびタグリッソ(オシメルチニブ)の提供や、現在進行中の第Ⅲ相試験であるADAURA、LAURA、FLAURA2によって得られる新たなエビデンスを通じて、遺伝子変異を持つ患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています3,6-7

当社はまた、タグリッソとc-Met受容体チロシンキナーゼの選択的阻害薬であるサボリチニブ、および他の新薬候補との併用療法を評価する、現在進行中の第Ⅱ相SAVANNAH試験およびORCHARD試験を通じて、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。また、抗HER2抗体薬物複合体であるエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)については、転移性非扁平上皮がんのHER2過剰発現またはHER2変異を有するNSCLCに対して開発が進められ、他の抗がん剤との併用療法を評価する臨床試験も行われています。なお、本邦においてはエンハーツの開発は第一三共株式会社が行います。

また、当社の広範ながん免疫療法の後期開発プログラムは、すべての肺がん患者さんの4分の3にあたる既知の遺伝子変異を持たない患者さんを対象にしています8。免疫療法ポートフォリオには、抗PD-L1抗体であるイミフィンジ単剤療法、およびトレメリムマブおよび/または化学療法との併用療法が含まれ、病勢進行が認められた患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(POSEIDONおよびPEARL)、治癒の可能性がある初期段階の患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(AEGEAN、ADJUVANT BR.31、PACIFIC-2、PACIFIC-4、PACIFIC-5、およびADRIATIC)が現在進行中です。さらに、イミフィンジは、まだ開発パイプラインの初期段階にある新薬候補との併用療法を評価する第Ⅱ相併用投与試験(NeoCOAST、COASTおよびHUDSON)においても検討されています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保有しています。2014年から2020年までの期間に少なくとも6つの新薬発売を予定し、低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当て、成長基盤としてオンコロジー治療を進展させることに尽力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Globocan Worldwide Fact Sheet 2018. Available at http://globocan.iarc.fr/Pages/fact_sheets_population.aspx
2. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://www.lungevity.org/about-lung-cancer/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer
3. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
4. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
5. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
6. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
7. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: A Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
8. Pakkala, S, et al. Personalized Therapy for Lung Cancer: Striking a Moving Target. JCI Insight. 2018;3(15):e120858.