アストラゼネカのSGLT2阻害剤「フォシーガ」、米国食品医薬品局(FDA)より心不全治療薬としての開発に対するファストトラック指定を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2019年9月16日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2019年9月16日、SGLT2阻害剤フォシーガ(米国での製品名:Farxiga、一般名:ダパグリフロジン)で進行中の、左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)または左室駆出率が保持された心不全 (HFpEF) の成人患者さんにおける心血管死または心不全の悪化のリスク低減を目的とした開発に対し、米国食品医薬品局(以下、FDA) よりファストトラック指定を取得したことを発表しました。

FDAのファストトラックプログラムは、現在の治療では満たされない医療ニーズがある重篤な疾患の治療となる新薬の開発および審査の迅速化を目的としています。

バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「世界中で約6,400万人が心不全に罹患しており、その約半数は診断後5年以内に亡くなると言われています。本ファストトラック指定により、心不全の予防、治療および根治に貢献するという目標に向けて前進することができました。当社は、FDAと連携し、心不全患者さんの新たな治療選択肢としてのフォシーガの可能性を探求することを楽しみにしています」。

本ファストトラック指定は、左室駆出率が低下した心不全 (HFrEF) 患者さん、左室駆出率が保持された心不全 (HFpEF) 患者さん、それぞれにおけるフォシーガの有効性を検討したDAPA-HF試験およびDELIVER試験の2つの第III相試験に基づいています。

フォシーガは現在、成人2型糖尿病患者さんの血糖コントロールの改善を適応とし、単剤療法および併用療法で用いる薬剤として承認されています。2019年8月、FDAは慢性腎臓病患者さんの腎不全の進行遅延、心血管死ならびに腎死の予防を目的としたフォシーガの開発に対しファストトラック指定を付与しました。

なお、本邦においてフォシーガは、心不全としての適応は取得していません。

以上

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心不全について
心不全は、心臓が十分な血液を体全体へ送り出すことができない疾患で、生命を脅かす疾患です1。世界中で約6,400万人(半数は左室駆出率低下を有する)を罹患する疾患で、その患者さんの半数は、診断されてから5年以内に死亡する慢性かつ進行性の疾患です2, 3, 4 。罹患率が最も高い男性のがん(前立腺がん、膀胱がん)や女性 のがん(乳がん)などと同様に予後の悪い疾患として知られています5。65歳以上で入院する方の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっています6

フォシーガについて
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法で用いる薬剤として使われる、ファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤(SGLT2阻害剤)です。本邦では2019年3月、1型糖尿病の適応を取得しました。フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されました。

DapaCare臨床プログラムについて
アストラゼネカは、循環器、代謝および腎疾患の有病率、これら疾患に関連する死亡率や臓器障害について明らかにすることにより、患者さん中心の包括的なアプローチによる疾患管理を目指しています。これらの疾患は相互に関連していることを受け、アストラゼネカでは、DapaCare臨床プログラムという、ダパグリフロジンの心血管および腎に対する薬効プロファイルを、患者さんの2型糖尿病合併の有無に関係なく検証するプログラムを開始しました。本臨床プログラムでは、約3万人近い患者さんが無作為化臨床試験に登録され、複数国で実施したリアルワールドエビデンス試験によって裏付けられています。DapaCare臨床プログラムは、2型糖尿病合併の有無にかかわらず、心血管疾患の既往がある患者さん、心血管リスク因子を有する患者さん、さまざまなステージの腎疾患を有する患者さんなど幅広い患者データを構築し、患者アウトカムの改善に必要なエビデンスを医療関係者に提供します。

心不全に対するアストラゼネカの取り組み
アストラゼネカは、心不全患者さんの治療におけるサイエンスの進展と臨床アウトカムの改善に、フォシーガによって貢献できるよう取り組んでいます。当社の広範な臨床プログラムには、心不全に関する包括的な臨床エビデンスの提供とアンメットニーズを明らかにすることを目的とした、心不全の臨床的に重要な領域に焦点を当てた複数の第III相国際試験(DAPA-HF試験、DELIVER試験およびDETERMINE試験)が含まれます。また、アストラゼネカは、心不全に対応する可能性がある複数の新薬候補の早期研究を通じて、意義ある新たなサイエンスの進展に注力しています。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝疾患 (CVRM) について
循環器・腎・代謝領域は、アストラゼネカの3つの主要治療領域のひとつであり、重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、循環器・腎・代謝疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1.Mayo Clinic. Heart failure; 2017 [cited 2019 Aug 14]. Available from URL: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heart-failure/symptoms-causes/syc-20373142.
2.Vos T et al. Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 328 diseases and injuries for 195 countries, 1990–2016: A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. The Lancet 2017; 390(10100):1211–59.
3.Mozaffarian D et al. Circulation. 2016 Jan 26;133(4):e38-360 and the CDC: https://www.cdc.gov/dhdsp/data_statistics/fact_sheets/fs_heart_failure.htm
4.Bhuiyan, Taslima, and Mathew S Maurer. “Heart Failure with Preserved Ejection Fraction: Persistent Diagnosis, Therapeutic Enigma.” Current cardiovascular risk reports vol. 5,5 (2011): 440-449. doi:10.1007/s12170-011-0184-2
5.Mamas, M. A., Sperrin, M., Watson, M. C., Coutts, A., Wilde, K., Burton, C., ... Myint, P. K. (2017). Do patients have worse outcomes in heart failure than in cancer? A primary care-based cohort study with 10-year follow-up in Scotland. European Journal of Heart Failure, 19(9), 1095-1104. https://doi.org/10.1002/ejhf.822
6.Azad, N., & Lemay, G. (2014). Management of chronic heart failure in the older population. Journal of Geriatric Cardiology: JGC, 11(4), 329-37.