アストラゼネカのアカラブルチニブ (Calquence) 、 再発又は難治性慢性リンパ性白血病患者さんの無増悪生存期間を有意に延長

本資料はアストラゼネカ英国本社が2019年6月17日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


12カ月時点で無増悪を維持した患者さんの割合は、アカラブルチニブ単剤群88%、
イデラリシブとリツキシマブ又はベンダムスチンとリツキシマブとの併用群68%

 

アストラゼネカ (本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ) は、2019年6月17日、アムステルダムで開催された欧州血液学会(EHA)の年次総会において、第Ⅲ相ASCEND試験における中間解析結果の詳細を示し、アカラブルチニブ(Calquence)が再発又は難治性慢性リンパ性白血病 (CLL) 患者さんの無増悪生存期間を有意に延長したことを発表しました。

ASCEND試験は、再発又は難治性CLL患者さんを対象にアカラブルチニブ単剤療法に対し医師の選択した治療(イデラリシブとリツキシマブの併用療法 [IdR] またはベンダムスチンとリツキシマブとの併用療法 [BR] )を比較した試験です。

本試験では、16.1カ月の追跡期間(中央値)において、アカラブルチニブはIdRまたはBRに対して、統計学的有意かつ臨床的意義のある無増悪生存期間(PFS)の改善を示し、病勢進行もしくは死亡のリスクを69%低減しました(ハザード比 0.31; 95% 信頼性区間, 0.20-0.49, p<0.0001)。無増悪期間の中央値はアカラブルチニブ単剤群では未達である一方、対照群では16.5カ月でした。12カ月の時点で、アカラブルチニブ単剤群の88%において病勢進行が見られなかったのに対して、対照群ではその割合は68%でした。アカラブルチニブの安全性および忍容性は同剤の確立されたプロファイルと一貫していました。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselgaは次のように述べています。「今回発表したデータにより、致死性疾患である慢性リンパ性白血病に対して、良好な安全性プロファイルを有し、化学療法ではない治療選択肢となり得る選択的BTK阻害剤としてのアカラブルチニブの有効性を支持するエビデンスがより強固なものとなりました。本データは、前治療歴のない慢性リンパ性白血病を対象とした第Ⅲ相ELEVATE-TN試験の良好な最新結果と同じく、本年後半に予定している薬事申請の土台となります」。

ミラノのビタサルートサンラファエル大学の臨床腫瘍学の教授であり、ASCEND試験の担当医師であるPaolo Ghiaは次のように述べています。「本試験はBTK阻害剤の単剤療法と、標準治療である免疫化学療法もしくはイデラリシブとリツキシマブの併用療法とを直接比較した最初の無作為化試験です。無増悪生存期間の有意な改善と良好な安全性プロファイルにより、アカラブルチニブは再発又は難治性慢性リンパ性白血病患者さんの重要な治療選択肢となるでしょう」。
 



アストラゼネカは先日、前治療歴のないCLLを対象とした第Ⅲ相ELEVATE-TN試験の中間解析において主要評価項目を達成したことを発表しました。本試験の結果は今後の学術集会で発表します。アカラブルチニブは現在、米国、ブラジル、UAEおよびカタールで、再発または難治性のマントル細胞リンパ腫(MCL)の成人患者さんの治療薬として承認されており、CLLおよびその他の血液がんの治療薬としても開発が進んでいます。

※アカラブルチニブは本邦未承認です。

以上

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ASCEND試験について
ASCEND(ACE-CL-309)試験は、前治療のあるCLL患者さんを対象にアカラブルチニブの有効性を評価する、無作為化、多施設共同、非盲検である国際共同第Ⅲ相試験です2。本試験では、310例を2群に分け、1対1で無作為割付けをしています。一群目はアカラブルチニブ単剤療法(100mgを1日2回、病勢進行が認められるまで)を、二群目はリツキシマブをベースに医師が選択したイデラリシブまたはベンダムスチンの併用療法を受けました1,2

主要評価項目は独立判定委員会(IRC)によって評価されたPFSで、副次評価項目は医師の評価によるPFS、IRCと医師の評価による全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、全生存期間(OS)、患者報告による治療アウトカム(PROs)および次治療までの期間(TTNT)です1,2

アカラブルチニブについて
アカラブルチニブは、2017年10月に米国食品医薬品局 (FDA)より1次以上の前治療歴のある成人マントル細胞リンパ腫(MCL)患者さんの治療薬として迅速承認を取得しました。本適応症の今後の承認は、確認試験による臨床的ベネフィットの検証および説明が条件となる可能性があります。

アカラブルチニブ はブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する阻害剤であり、BTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します3。BTKシグナルはB細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています。

現在、アストラゼネカとAcerta Pharmaでは、アカラブルチニブについて、26の臨床試験を実施しています。アカラブルチニブは、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、多発性骨髄腫およびその他の血液悪性腫瘍を含む複数のB細胞性の血液がんの治療薬として開発中です。良好な結果を示した第Ⅲ相試験であるASCEND試験、 ELEVATE-TN試験の他にも、 CLLを適応症とする複数の第Ⅲ相試験:前治療歴のあるハイリスクCLL患者さんを対象にアカラブルチニブをイブルチニブと比較したELEVATE-RR (ACE-CL-006)試験や、17p欠損もしくはTP53変異が無く前治療歴のないCLL患者さんを対象にアカラブルチニブとベネトクラクスとオビヌツズマブの併用、もしくはアカラブルチニブとベネトクラクスの併用療法を評価するACE-CL-311試験が進行中です。

慢性リンパ性白血病 (CLL) について
CLLは欧米の成人白血病において最も数が多く、世界では約191,000人、米国では約20,720人が毎年新たに診断されており、患者数は治療の発展に伴い増加するとみられています4-7。CLLでは、骨髄中の過剰な血液幹細胞が異常なリンパ球となり、これらの異常細胞によって、感染症に対する防御力が低下することが知られています4。異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため、貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります4。BTKを通るB細胞受容体のシグナルは、CLLの基本的な増殖情報伝達経路の一つです。

アストラゼネカにおける血液がん領域について
がん領域における強みを活かし、アストラゼネカは血液がんを4つの重点がん疾患領域のひとつとして確立しました。当社の血液がんフランチャイズは米国FDAにより承認された2つの治療薬と血液がん治療薬候補の広範なポートフォリオのための強固なグローバル開発プログラムを有しています。Acerta Pharmaはアストラゼネカの血液がん領域における中核的研究開発拠点としての役割を果たしています。アストラゼネカはアンメットニーズに応えるために治療薬の創薬及び開発を進展させるため、志を同じくするサイエンス志向の企業と提携しています。

2018年10月、アストラゼネカとInnate PharmaInnate PharmaによるLumoxiti (moxetumomab pasudotox-tdfk) の米国におけるアストラゼネカのサポートを得ながらの商業化の権利の導入および、薬事申請や承認を控えるEUでの開発及び商業化の継続を含む世界的な戦略的提携を発表しました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたOncologyを成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

 

References
1 Ghia P, Pluta A, Wach M, et al. ASCEND Phase 3 study of acalabrutinib vs. investigator’s choice of rituxumab plus idelalisib (idR) or bendamustine (BR) in patients with relapsed/refractory chronic lymphocytic leukaemia (CLL). Abstract LB2606 at: European Hematology Association 2019 Annual Meeting. Available online. Accessed June 2019.
2 ClinicalTrials.gov. A Study of Acalabrutinib vs Investigator's Choice of Idelalisib Plus Rituximab or Bendamustine Plus Rituximab in R/R CLL. NCT02970318. Available online. Accessed June 2019.
3 CALQUENCE® (acalabrutinib) Prescribing Information. AstraZeneca Pharmaceuticals LP, Wilmington, DE.
4 National Cancer Institute. Chronic Lymphocytic Leukaemia Treatment (PDQ®)–Patient Version. Available online. Accessed June 2019.5Global Burden of Disease Cancer Collaboration. JAMA Oncol. 2017;3(4):524-528.
5 Global Burden of Disease Cancer Collaboration. JAMA Oncol. 2017;3(4):524-52.
6 National Institute of Health SEER Program. Cancer Stat Facts: Leukemia—Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL). Available online. Accessed June 2019.
7 Jain N, et al. Prevalence and Economic Burden of Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL) in the Era of Oral Targeted Therapies. Blood. 2015;126:871.