アストラゼネカ、本邦初のステージIII非小細胞肺がんにおける抗PD-L1抗体「イミフィンジ®(デュルバルマブ)」の販売を開始

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は本日、「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果とした「イミフィンジ®点滴静注120 mgおよびイミフィンジ®点滴静注500 mg」(一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え)、以下、「イミフィンジ®」)の販売を開始したことをお知らせいたします。イミフィンジ®は、切除不能な局所進行(ステージIII)非小細胞肺がん(NSCLC)に対する治療薬として承認された、本邦初の抗PD-L1ヒトモノクローナル抗体(抗PD-L1抗体)です。



【アストラゼネカ 執行役員 オンコロジー事業本部 事業本部長のコメント】
イミフィンジ®販売開始にあたり、アストラゼネカ 執行役員 オンコロジー事業本部 事業本部長の森田慎一郎は次のように述べています。「ステージIII非小細胞肺がん治療における、本邦初の抗PD-L1抗体として、本日イミフィンジ®の販売を開始できたことを心から嬉しく思います。ステージIVとは対照的に、ステージIIIは約20年間に亘って、治療進展が見られなかったアンメットニーズの高い領域でした。イミフィンジ®の登場によって、ステージIIIの治療目的である根治の可能性を広げ、患者さんの治療意欲の向上に寄与することを期待しています。アストラゼネカは、今後もより多くの肺がん患者さんの治療に貢献してまいります」。

【イミフィンジ®について】
イミフィンジ®は、2018年7月に「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果として製造販売承認された、本邦初の抗PD-L1抗体です。PD-L1に結合し、PD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し、抗腫瘍免疫反応を誘発します。

海外では、2018年2月に白金製剤を含む同時化学放射線療法(CRT)後に病勢進行が認められなかった切除不能なステージIIIのNSCLCに対する治療薬として米国で承認を取得し、さらに2018年5月にカナダ、2018年6月にスイスおよびインド、2018年7月にブラジルで薬事承認を取得しています。

現在、イミフィンジ®は、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、尿路上皮がん、頭頸部がん、肝細胞がんならびにその他の固形がんの1次治療として、単剤療法ならびに、化学療法、放射線療法、低分子化合物および抗CTLA-4モノクローナル抗体であるトレメリムマブとの併用療法が検討されています。

【イミフィンジ®の有効性と安全性】
本承認は第III相PACIFIC試験の良好な無増悪生存期間(PFS)データに基づいています。また、2018年5月に発表された全生存期間(OS)の中間解析では、プラセボ投与群との比較でイミフィンジ®投与群の患者さんにおいて臨床的に意味のある延長を伴う統計学的に有意な結果が示されました。本試験結果の詳細については、今後学会等で発表する予定です。

有害事象はイミフィンジ®投与群の患者さんにおいて460例(96.8%)、プラセボ投与群の患者さんにおいて222例(94.9%)に発現しました。また、重篤な有害事象はイミフィンジ®投与群の患者さんにおいて136例(28.6%)、プラセボ投与群の患者さんにおいて53例(22.6%)に発現しました。イミフィンジ®投与群の患者さんにおいて発現した主な副作用は、発疹73例(15.4%)、甲状腺機能低下症50例(10.5%)、下痢46例(9.7%)、間質性肺疾患46例(9.7%)等でした。(承認時)

※詳細は最新の添付文書をご覧ください。

【イミフィンジ®薬価収載前無償提供終了のお知らせ】
アストラゼネカは、治療選択肢が極めて限られている切除不能な局所進行の非小細胞肺がん患者さんの緊急の要望に一日も早くお応えするために、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもとで、2018年7月2日の製造販売承認取得以降、薬価収載前日までに限定して、本剤の無償提供を実施致しました。その結果、45施設において153人の患者さんの治療に貢献することができました。本日の薬価収載に伴い、イミフィンジ®無償提供を終了致しましたことをお知らせします。

以上

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ステージIII NSCLC について
ステージIII  NSCLCは、がんの大きさや局所浸潤、リンパ節転移の程度などによって通常3つのステージ(ステージIIIA、IIIBおよびIIIC)に分類され、がんが他の臓器に転移したステージIVとは区別されます。

ステージIIIはNSCLCの罹患件数の約3分の1を占めており、2017年には中国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、英国および米国において約10万5千人が罹患しています。国内においては、非小細胞肺がん全体の17.2%を占めています1

ステージIIIは、局所コントロールと遠隔転移抑制によって根治が目標となる最後の病期です。しかし、ステージIIIの大多数を占める切除不能例においては、同時化学放射線療法を行ったとしても、5年以内に約89%の患者さんが再発・病勢進行しています2

PACIFIC試験について
PACIFIC試験は白金製剤を用いたCRTの後に進行が認められなかった切除不能なステージIIIのNSCLC患者さんを対象としたイミフィンジ®逐次投与の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。

本試験には、713人の患者さんが組み入れられ、26カ国の235施設において実施中です。本試験の主要評価項目はPFSおよびOSであり、副次的評価項目にはある特定時点での無増悪生存率及び生存率、客観的奏効率および奏効期間が含まれます。

独立データモニタリング委員会によって実施された中間解析では、プラセボ投与群との比較でイミフィンジ投与群の患者さんにおいて臨床的に意味のある統計学的に有意なOS延長を示しました。最新の試験結果に関しては、今後の学会において発表する予定です。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約3分の1を占めています。アストラゼネカは、この肺がん領域において、すべての病期および治療段階にわたる包括的なポートフォリオを有しています。

欧米では10-15%、アジアでは30-40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しており、既承認薬イレッサ®およびタグリッソ®の提供や、現在進行中のFLAURA、ADAURA、LAURA第III相試験によって得られる新たなエビデンスを通じて、このような患者さんのさらなるアンメットニーズに応えることを目指しています。また、当社の広範ながん免疫療法の後期開発プログラムは、欧米では75-80%、アジアでも60-70%にあたる既知の遺伝子変異を持たないNSCLC患者さんを対象にしています。免疫療法ポートフォリオには、単剤療法(ADJUVANT、BR.31, MYSTICおよびPEARL試験)および抗CTLA-4抗体であるトレメリムマブとの併用において(MYSTIC、NEPTUNE、CASPIANおよびPOSEIDON試験)開発中の抗PD-L1抗体であるイミフィンジ®が含まれます。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において40年以上の歴史を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを急速に拡大しています。2014年から2020年までに、少なくとも6つの新薬の上市を目指しています。低分子からバイオ医薬品にわたる広範な開発パイプラインを有し、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの成長基盤と位置づけ、その進展に注力しています。中核となる成長基盤に加え、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的技術基盤を強化し、個別化医療を推進することでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことを目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症・感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝/消化器疾患、呼吸器疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはwww.astrazeneca.co.jpをご覧ください。

参考資料
1. 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計’17」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/backnumber/2017_jp.html (2018年7月)
2. Aupérin A, et al 2010; 28(13):2181-90.