アストラゼネカのタグリッソ®(オシメルチニブ)、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん1次治療の適応拡大承認を取得


~EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの1次治療として新たな標準治療となる可能性~

 

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は、「タグリッソ®40mgおよびタグリッソ®80mg錠」(一般名:オシメルチニブ、以下、「タグリッソ」)に関して、2018年8月21日、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を適応症とする製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことをお知らせいたします。タグリッソは、本適応の審査過程において、本年2月に厚生労働省より優先審査品目に指定されていました。

今回の適応拡大は、第III相FLAURA試験の結果に基づいて承認されました。同試験において、タグリッソは18.9カ月の無増悪生存期間(PFS)中央値を達成し、EGFR-TKI対照群と比較し統計学的かつ臨床的に有意な改善を示しました(表1参照)。また、これらの改善は脳転移の有無に関するサブグループを含む、解析を行ったすべてのサブグループにおいて一貫して認められました。さらに、安全性についても忍容性が確認されました。

アストラゼネカ 専務取締役執行役員 研究開発本部長の谷口 忠明は次のように述べています。
「この度、タグリッソをEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者さんの1次治療として適応拡大して日本の患者さんにお届けできることを大変嬉しく思います。FLAURA試験において、タグリッソはこれまでの標準治療と比較してPFS中央値を大幅に改善する18.9カ月を達成しており、今回の適応拡大が肺がん患者さんの1次治療に大きな進展をもたらすことを期待しています。当社は肺がんで苦しむ患者さんにより多くの治療選択肢を提供するため、今後もアンメットニーズに応える治療薬の研究開発を積極的に推進してまいります」

本承認取得に先立ち、2018年7月31日には、「コバス®EGFR 変異検出キット v2.0」(製造販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)がタグリッソのコンパニオン診断薬として、製造販売承認事項一部変更の承認を取得しました。これにより、転移性EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの1次治療薬としてのタグリッソ投与判定補助に用いられるEGFR遺伝子変異は、血漿・組織両検体からの検出が可能となりました。

タグリッソは、2016年3月に「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」の適応で、本邦において承認されました。転移性EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの1次治療としての承認は、本邦以外では、米国、欧州で承認されており、他国の承認審査および承認申請も進行中です。

以上

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EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんについて
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります。肺がんは大きく非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に分類され、非小細胞肺がんが肺がん全体の80~85%を占めます。非小細胞肺がん患者さんのうちEGFR遺伝子変異陽性の患者さんは、欧米で10-15%、アジアでは30-40%を占め、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害するEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による治療に非常に高い感受性を示します。また、EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんの約25%は診断時に脳転移を有しており、診断後2年以内にその率は約40%に増加します。脳転移は生存期間中央値を8カ月未満に減少させる場合もあります。

タグリッソについて
タグリッソ (オシメルチニブ) は第3世代不可逆的EGFR阻害剤です。EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害するように設計されており、中枢神経系 (CNS) 転移に対する臨床活性も有しています。タグリッソ40mg錠および80mg錠1日1回経口投与は、米国と日本、欧州を含む40カ国で、EGFR遺伝子変異陽性進行非小細胞肺がんの1次治療として承認されており、EGFR T790M変異陽性進行非小細胞肺がんの治療薬として米国、欧州、日本、中国を含む75カ国以上で承認されています。また、タグリッソは術後補助療法(ADAURA)ならびに他の治療薬との併用療法などにおいても開発プロジェクトを展開中です。

タグリッソの有効性と安全性について
本承認は主に第III相FLAURA試験の結果に基づいています。
FLAURA試験は、前治療歴のない局所進行あるいは転移性EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者さんを対象とし、タグリッソ80mg1日1回経口投与の有効性および安全性を標準治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤 (エルロチニブ [150mg 1日1回経口投与]あるいはゲフィチニブ [250mg 1日1回経口投与])と比較検討した試験です。本試験は、二重盲検無作為化試験であり、29カ国の556例の患者さんを対象としています。

表1: 第III相FLAURA試験における主な有効性

*適応拡大承認時のデータでは統計学的に有意ではない。
NC:計算不可

FLAURA試験におけるタグリッソの安全性データは、過去の臨床試験で認められた安全性プロファイルと一貫していました。安全性評価対象症例279例中253例(90.7%)に副作用が認められ、よく見られた症状は、発疹/ざ瘡等(54.5%)、下痢(49.5%)、皮膚乾燥/皮膚炎等(33.3%)、爪の障害(爪囲炎を含む)(32.6%)でした。(適応拡大承認時)

コバス® EGFR 変異検出キット v2.0について
「コバス® EGFR 変異検出キット v2.0」はロシュ・ダイアグノスティックス株式会社が製造販売する、ゲノムDNA中のEGFR遺伝子変異を定性的に検出するキットです。非小細胞肺がんの治療においてEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療対象者を層別する検査の際に、コンパニオン診断薬として用いられます。使用検体は、組織検体または血漿検体です。本製品は1次治療におけるEGFR-TKI治療対象患者の適応判定補助として、ゲフィチニブ、エルロチニブ塩酸塩及びアファチニブマレイン酸塩のコンパニオン診断薬として承認されています。また、2次治療におけるT790M変異陽性患者の層別のため、すでにオシメルチニブメシル酸塩のコンパニオン診断として承認されていましたが、今回、オシメルチニブメシル酸塩が1次治療にも適応申請され、「コバス® EGFR変異検出キット v2.0」の適応が拡大されました。

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、肺がん領域において、すべての病期及び治療段階にわたり、すでに承認を得取得した薬剤や臨床開発後期に入った新薬など、包括的なポートフォリオを有しています。既承認薬のイレッサおよびタグリッソの提供や、第III相ADAURA試験によって得られる新たなエビデンスを通じて、患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています。

免疫療法(IO)のポートフォリオには、単剤療法(ADJUVANT、MYSTIC、PEARL試験)およびCTLA-4抗体であるトレメリムマブや化学療法との併用において(MYSTIC、NEPTUNE、CASPIAN、POSEIDON試験)開発中の抗PD-L1抗体であるイミフィンジ®が含まれます。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に上市を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝/消化器疾患、呼吸器疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはwww.astrazeneca.co.jpをご覧ください。