アストラゼネカ、非小細胞肺がん3次治療ARCTIC試験の結果を報告

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年4月24日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。



アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)と当社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは、2018年4月24日、前治療として少なくとも2レジメンの治療を受けた局所進行もしくは転移非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象とする第III相 ARCTIC試験の結果概要を発表しました。無作為化、非盲検、多施設共同試験である本試験は、PD-L1低発現・陰性NSCLC患者さんを対象に、デュルバルマブ(遺伝子組換え)とトレメリムマブ(遺伝子組換え)の併用療法、デュルバルマブ単剤療法およびトレメリムマブ単剤療法の有効性および安全性を標準的な治療である化学療法(SoC)と比較検討するとともに(サブスタディB)、 PD-L1高発現NSCLC患者さんを対象にデュルバルマブ単剤療法の有効性および安全性をSoCと比較検討しました(サブスタディA)。

サブスタディBにおいて、PD-L1低発現・陰性NSCLC患者さんに対するデュルバルマブおよびトレメリムマブ併用療法は、SoCとの比較で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)ならびに全生存期間(OS)について統計学的有意および臨床的に意味のある延長は認められませんでした。サブスタディBの単剤療法群の臨床効果および安全性は過去に発表されたデータと一貫していました。

サブスタディAは統計学的有意差を検証できる設定ではありませんでした。しかし、デュルバルマブ単剤療法は、SoCに比べ、臨床的に意味のある死亡リスクの低減を示しました。

ARCTIC試験の詳細データは今後の学会で発表されます。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーのSean Bohenは、次のように述べています。「多くの前治療を受けた患者集団においてデュルバルマブおよびトレメリムマブの併用療法が統計学的に有意な生存期間の延長を示さなかったことは残念ですが、本試験において見られたデュルバルマブ単剤療法の臨床効果には勇気づけられましたし、ARCTIC試験の詳細データを今後の学会で発表することを楽しみにしています」。

アストラゼネカは、先日、米国食品医薬品局(FDA)による、プラチナ製剤を用いた根治的同時化学放射線療法(CRT)後に病勢進行が認められなかった切除不能ステージIII非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの治療薬としてのデュルバルマブの承認を取得しました。

*デュルバルマブは本邦未承認薬です。

以上

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ARCTIC試験について
ARCTIC試験は、2つのサブスタディを含む無作為化、非盲検、多施設、第III相国際共同試験です。サブスタディA(PD-L1高発現患者さんを1:1の割合でデュルバルマブ群とSoC群に無作為に割付け)とサブスタディB (PD-L1低発現・陰性患者さんを2:3:1:2の割合でデュルバルマブ単剤療法群、デュルバルマブ・トレメリムマブ併用群、またはトレメリムマブ群、およびSoC群に無作為に割付け)。腫瘍のPD-L1発現状況はVentana PD-L1 (SP263)アッセイにより判定され、25%以上の腫瘍細胞の細胞膜に染色が認められる場合PD-L1高発現と定義されました。

デュルバルマブ(遺伝子組換え)について
デュルバルマブは、PD-L1に結合し、PD-L1とPD-1およびCD80の相互作用を阻害するヒトモノクローナル抗体であり、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用し、免疫反応を誘発します。 

2018年2月、デュルバルマブは、プラチナ製剤を用いた根治的同時化学放射線療法(CRT)後に病勢進行が認められなかった切除不能ステージIII非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの治療薬として米国食品医薬品局 (FDA)の承認を取得しました。また、デュルバルマブはプラチナ製剤を含む化学療法後病勢が進行した、あるいは、外科手術前(術前補助療法)もしくは外科手術後(術後補助療法後)にプラチナ製剤を含む化学療法を受けてから12カ月以内に病勢が進行した局所進行あるいは転移尿路上皮がんの治療薬として米国で迅速承認を取得しています。

広範な開発プログラムの一環として、デュルバルマブは単剤療法およびCTLA-4モノクローナル抗体トレメリムマブとの併用療法の1次治療としてNSCLC、小細胞肺がん、局所進行あるいは転移尿路上皮がん、頭頸部がんおよび他の固形がんにおいて検討されています。

トレメリムマブ(遺伝子組換え)について
トレメリムマブは細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の活性を標的とする開発中の新薬候補であるヒトモノクローナル抗体です。トレメリムマブはCTLA-4の作用を阻害し、T細胞の活性化に寄与し、がんに対する免疫反応を増強します。トレメリムマブはデュルバルマブとの併用療法で、NSCLC、局所進行または転移尿路上皮がん、頭頸部がん、肝臓がんおよび血液がんにおける広範な臨床試験プログラムにおいて検討中です。

アストラゼネカにおける非小細胞肺がん(NSCLC)について
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約3分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります。

アストラゼネカはすべての病期および治療段階にわたる既承認薬および後期開発段階にある新薬候補含むNSCLC治療薬の包括的なポートフォリオを有しています。当社は、当社の既承認薬であるイレッサおよびタグリッソならびに現在進行中のFLAURAおよびADAURA試験を以って、欧米のNSCLC患者さんの10-15%に、アジアにおけるNSCLC患者さんの30-40%に発現する疾患のドライバー遺伝子としてEGFRの変異を有する患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています。当社の広範な後期がん免疫療法プログラムは、既知の遺伝子変異を持たないNSCLC患者さんの75-80%に焦点を当てています。当社のポートフォリオには、単剤療法として(ADJUVANT、PACIFIC、MYSTIC、PEARLおよびARCTIC試験)および抗CTLA-4抗体であるトレメリムマブとの併用において(MYSTIC、 NEPTUNE、ARCTICおよびPOSEIDON試験)開発中の抗PD-L1抗体であるデュルバルマブが含まれます。

がん免疫療法(IO)に対するアストラゼネカの取組みについて
がん免疫療法(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を攻撃するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています。当社は、IOに基づく治療は大多数の患者さんの人生に変革をもたらすがん治療となる可能性を提供するものと信じています。

当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める意思決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用することで、複数のがん種、病期、および治療の段階におけるデュルバルマブ(抗PD-L1抗体)単剤療法およびトレメリムマブ(抗CTLA-4抗体)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています。さらに、当社のIOポートフォリオを当社のオンコロジーパイプライン全体あるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

メディミューンについて
メディミューンは、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化するグローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器、循環器・腎・代謝疾患、および感染症・ワクチン等の重点疾患領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、これに加え英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州マウンテンビューにも研究所があります。詳細は https://www.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発および商業化活動に従事しています。また、当社は自己免疫、ニューロサイエンスおよび感染症領域においても選択的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。