リムパーザの乳がん患者への適応判定を補助するコンパニオン診断プログラム「BRACANALYSIS診断システム」、国内における製造販売承認を取得

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は3月29日、ミリアド ジェネティック ラボラトリーズ,インク(本社:アメリカ合衆国ユタ州ソルトレークシティ、以下、ミリアド社)が、リムパーザ(一般名:オラパリブ、以下、「リムパーザ」)の乳がん患者さんへの適応を判定するために使用されるコンパニオン診断プログラムとして、「BRACAnalysis診断システム」(以下、本品)の外国製造医療機器としての国内における製造販売承認を取得したことをお知らせします。リムパーザは、アストラゼネカが「BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がん」を予定の適応として国内承認申請中のPARP阻害剤です。

本品は、BRCAタンパク質の機能欠損を生じうる遺伝子変異を検出することにより、リムパーザの適応対象となる乳がん患者さんを特定します。アストラゼネカは、ミリアド社の選任製造販売業者として、国内における本品の製造販売申請に関する手続きを行いました。

アストラゼネカの研究開発本部長の谷口忠明は、次のように述べています。「ミリアド社との業務提携により、本日、国内におけるBRACAnalysis診断システムの製造販売承認を取得できたことを大変嬉しく思います。今回の承認取得が、乳がん患者さんの遺伝子検査環境の整備につながることを期待しています。当社は、国内初のBRCA遺伝子変異陽性乳がん治療薬として承認申請中のリムパーザとともに、今後も国内の個別化治療の発展に尽力していく所存です」。

アストラゼネカの上級副社長兼Precision Medicine and Genomics部門責任者のルース・マーチ博士は次のように述べています。「日本国内において、リムパーザの乳がん適応患者さんを判定するために使用されるBRACAnalysis診断システムの製造販売承認を迅速に取得できたことを大変嬉しく思います。弊社はプレシジョンメディシンのリーダーとして、革新的な診断法を提供し、患者さん一人一人が薬剤の恩恵を最大限に享受することに注力しています。今回の承認は、当社のこの一連の活動を象徴するものです」。

【BRACAnalysis診断システムについて】
BRACAnalysis診断システムは、ミリアド ジェネティック ラボラトリーズ,インク(本社:アメリカ合衆国ユタ州ソルトレークシティ、以下、ミリアド社)が開発および製造販売を行い、患者さんの臨床的意義のあるバリアント(DNA配列変化)の分類に関する情報を医療従事者に提供するコンパニオン診断プログラムです。本診断プログラムは、患者さんから採取した全血検体を用いてBRCA1またはBRCA2遺伝子のバリアントを検出します。検出されたバリアントは、「病的変異」、「病的変異疑い」、「臨床的意義不明のバリアント(VUS)」、「遺伝子多型の可能性」または「遺伝子多型」の5つのカテゴリーのいずれかに分類された後、医療従事者宛に判定結果が送付されます。

アストラゼネカ英国本社は、2007年にミリアド社とリムパーザのコンパニオン診断システムの開発に関する業務提携を締結しており、2014年には米国でBRACAnalysis CDxが承認されています。

【BRACAnalysis診断システムの臨床性能】
リムパーザのコンパニオン診断システムとしての本検査システムの臨床性能は、アストラゼネカが実施した生殖細胞系列のBRCA1/2変異を有するHER2陰性転移性乳がん患者さんを対象にリムパーザの有効性および安全性を医師の選択した化学療法と比較検討した無作為化、非盲検、多施設共同第III相試験(OlympiAD試験)の結果に基づき評価されています。

OlympiAD試験全体として、無作為割付けした302例のうち299例についてBRACAnalysis診断システムによるプロスペクティブな検査又は再検査を実施。OlympiAD試験の最大解析対象集団の98%に相当する297例において生殖細胞系列 BRCA(gBRCA)遺伝子変異に関し、病的変異又は病的変異疑いであることが確認されました。BRACAnalysis診断システムによるgBRCA遺伝子変異陽性集団の結果は、OlympiAD試験の全体集団302例の結果と同様であり、本検査の有用性が裏付けられています。

以上

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ミリアド ジェネティック ラボラトリーズ,インクについて
ミリアド ジェネティック ラボラトリーズ,インクは、先駆的な分子診断薬を通して世界中の患者さんの生活を変え、信頼できるアドバイザーとなることに専念する個別化医療のリーディングカンパニーです。ミリアド社は、分子診断薬による患者ケアの改善と大幅な医療費の削減が可能な6つの主要な医療専門分野において、発病リスク、正確な診断、疾患進行リスク評価、および治療決定の指針を実現する分子診断薬の開発と商業化を行っています。ミリアド社は、強固な遺伝疾患の基礎構築、新製品数の増加、新製品の保険償還範囲の拡大、国際的なRNAキット収益の増加とElevate 2020プログラムを通じた収益性の向上の5つの戦略の柱とし、重点的に取り組んでいます。詳細については、当社ウェブサイトwww.myriad.comをご覧ください。

BRCA遺伝子変異について
BRCA1およびBRCA2は損傷したDNAの修復に関わるタンパク質を生成するヒト遺伝子であり、細胞内遺伝子の安定性維持に重要な役割を果たします。これらの遺伝子のいずれかが変異あるいは変化すると、BRCAタンパクが生成しないまたは正常に機能せず、DNA損傷が適切に修復されない可能性があります。その結果、細胞のがん化につながるさらなる遺伝子変化を起こす可能性が高くなります。

リムパーザについて
リムパーザは、FDAに承認された最初の経口ポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、BRCA変異などのDNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導する最初の標的治療薬です。特に、複数のin vitro試験によりリムパーザによる細胞毒性はPARP酵素活性の阻害およびPARP-DNA複合体の生成を増加させる可能性があり、その結果DNA損傷およびがん細胞死が生じることが示されています。

リムパーザはDDR経路に異常をきたした一連のがん種において開発が進行中であり、アストラゼネカの業界を主導するがん細胞のDNA損傷応答(DDR)メカニズムを標的とする新薬候補のポートフォリオの基盤となる化合物です。

本邦では2018年1月に「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法」を効能・効果として製造販売承認を取得しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの5つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝/消化器疾患、呼吸器疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはhttp://www.astrazeneca.co.jpをご覧ください。