アストラゼネカのデュルバルマブ、米国食品医薬品局 (FDA)より、切除不能ステージIII非小細胞肺がんの適応で承認取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年2月17日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

 

~切除不能ステージIII非小細胞肺がん治療薬として承認された唯一の免疫治療薬~
~無増悪生存期間中央値を11.2カ月延長 (プラセボの5.6カ月に対し16.8カ月)~



アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)と当社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは、2018年2月17日、米国食品医薬品局(FDA)がプラチナ製剤を用いた根治的同時化学放射線療法 (CRT) 後に病勢進行が認められなかった切除不能ステージIII非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの治療薬としてデュルバルマブ(遺伝子組換え)を承認したことを発表しました。

アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネス部門の責任者であるデイヴィド・フレドリクソンは次のように述べました。「非小細胞肺がん対するデュルバルマブの本承認は、これまでFDAにより承認された同時化学放射線療法後の治療選択肢がなかった患者さんにとって、非常に意味のあるマイルストーンです。全世界でNSCLCの約30%を占めるとされるステージIIIの患者さんに対する世界初の免疫治療薬として、デュルバルマブを上市できることを嬉しく思います」。

H・リー・モフィットがんセンター・研究所(フロリダ州・タンパ)の胸部腫瘍学部の部長でありPACIFIC試験の国際治験調整医師であるScott J. Antonia, MD, Ph.D.は次のように述べました。「これまで、治療ガイドラインでは、切除不能ステージIII肺がん患者さんに対し病勢進行までは同時化学放射線療法後に無治療経過観察を続けることが推奨されてきました。しかしながら、患者さんの89%は病勢が進行し転移に至ることから、病勢進行に至るまでの時間をより長く延長させることが出来る新たな選択肢が出てきたことは重要な意義を持ちます。本日のデュルバルマブの承認の根拠となったPACIFIC試験データは、対象患者さんに対する治療体系を変えていくことでしょう」。

デュルバルマブの本承認は第III相PACIFIC試験の良好な無増悪生存期間(PFS)データに基づいています。本試験において、デュルバルマブはプラセボとの比較でPFS中央値を11.2カ月延長し、PD-L1の状況にかかわらず、全対象集団においてプラセボに対し病勢進行あるいは死亡の相対リスクを48%低減しました。PACIFIC試験は切除不能ステージIII NSCLC患者さんの全生存期間(OS)を評価する目的で継続中です。PACIFIC試験の詳細な中間結果はNew England Journal of Medicine (NEJM)のオンライン版に掲載されています。

PFS (複合共主要評価項目) 1

デュルバルマブ
(症例数:476) 2

プラセボ
(症例数:237) 2

イベント発生患者数 (%)

214 (45%)

157 (66%)

PFS中央値(95%信頼区間)(月)

16.8 (13, 18.1)

5.6 (4.6, 7.8)

ハザード比(95%信頼区間) 3, 4

0.52 (0.42, 0.65)

p値3, 5

<0.0001

1 盲検独立中央判定(BICR)
2 ITT患者集団 (治療から脱落した患者さんも含めた集団) のうち, デュルバルマブ群の7%およびプラセボ群の10%の患者さんがRECIST v1.1に準拠したBICRにより判定された測定不能病変を有していました。
3 性、年齢および喫煙歴で層別化したログランク検定により実施
4 Pike推定量
5 中間解析において割り当てられた0.0104の有意水準(O’Brien Fleming基準に近似したLan DeMets消費関数)と比較

全般的に見て、有害事象の発現率および重症度はデュルバルマブ投与群の患者さんとプラセボ投与群の患者さんにおいて同様でした。デュルバルマブ投与群の患者さんにおいて、最も発現率の高い有害事象 (患者さんの20%以上に発現) は咳 (40%)、疲労 (34%)、肺炎もしくは放射線肺炎 (34%)、上気道感染 (26%)、呼吸困難 (25%)、および発疹 (23%) でした。因果関係を問わず、有害事象が原因で同時CRT後に投薬が中止された症例の割合はデュルバルマブ投与群では15%、プラセボ投与群では10%でした。

2017年9月28日、米国National Comprehensive Cancer Network (NCCN)腫瘍学臨床診療ガイドラインが改訂され、根治的化学放射線療法(CRT)2サイクル以上実施後に病勢進行が認められなかった切除不能ステージIII NSCLC患者さんの治療薬としてデュルバルマブが収載されました。

*デュルバルマブは本邦未承認薬です。

以上

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ステージIII非小細胞肺がん (NSCLC) について
ステージIII (局所進行) NSCLCは通常3つのステージ(ステージIIIA、IIIBおよびIIIC)に分類され、これらはがんの局所浸潤の面積と外科手術の可能性により定義されます。外科手術の可能性があることが、がんが他の臓器に転移したステージIVと異なる点です。

ステージIIIのNSCLCはNSCLCの罹患件数の約3分の1を占めており、2016年にはフランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、英国および米国において約10万5千人が罹患したと推定されます。ステージIIIのNSCLC患者さんの大多数の腫瘍は切除不能です。現在の標準治療は根治的化学放射線療法で、その後は進行の有無について無治療経過観察が行われます。予後は依然として不良であり、長期生存率は低率です。

デュルバルマブについて
デュルバルマブは、PD-L1に結合し、PD-L1とPD-1およびCD80の相互作用を阻害するヒトモノクローナル抗体であり、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用し、免疫反応を誘発します。 

デュルバルマブは、プラチナ製剤を含む化学療法後病勢が進行した、あるいは、外科手術前 (術前補助療法) もしくは外科手術後 (術後補助療法後) にプラチナ製剤を含む化学療法を受けてから12カ月以内に病勢が進行した局所進行あるいは転移尿路上皮がんの治療薬として米国で既に迅速承認を取得しています。             

広範な開発プログラムの一環として、デュルバルマブはカナダがん試験グループのBR31 試験(ADJUVANT) においてNSCLC患者さんの術後補助療法としても検討されています。また、MYSTIC試験、NEPTUNE試験およびPEARL第III相試験において、デュルバルマブは単剤療法および・あるいはCTLA-4モノクローナル抗体トレメリムマブとの併用療法の1次治療として転移NSCLCにおいて検討されています。POSEIDON試験は、同様の患者集団においてトレメリムマブと化学療法との併用および化学療法との併用においてデュルバルマブを検討しています。

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、すべての肺がん患者さんに貢献できる治療薬の開発に努めています。当社は、承認済の3つの治療薬に加えて、腫瘍細胞の遺伝子変異を標的とするものやがんに対する免疫応答を増強するものなど成長著しいパイプラインを有しています。当社は、サイエンスの限界に挑戦し続けることで、肺がんのすべてのステージおよびすべての治療ラインにおいて患者さんの延命に寄与し、生活の質を改善する画期的な治療をもたらすことを目指しています。

がん免疫療法(IO)に対するアストラゼネカの取組みについて
がん免疫療法(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を攻撃するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています。当社は、IOに基づく治療は大多数の患者さんの人生に変革をもたらすがん治療となる可能性を提供するものと信じています。

当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用することで、複数のがん種、病期、および治療の段階におけるデュルバルマブ(抗PD-L1抗体)単剤療法およびトレメリムマブ(抗CTLA-4抗体)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復 および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

メディミューンについて
メディミューンは、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化するグローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器、循環器・代謝疾患、および感染症・ワクチン等の重点疾患領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、これに加え英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州マウンテンビューにも研究所があります。詳細については https://www.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。