アストラゼネカのリムパーザ®(オラパリブ)再発卵巣がん治療薬として国内製造販売承認を取得

~本邦初のPARP阻害剤、BRCA遺伝子変異の有無を問わず
プラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法として承認取得~

 

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は本日、「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法」を効能・効果とした「リムパーザ錠」(300mg1日2回投与)(一般名:オラパリブ、以下、「リムパーザ」)の国内における製造販売承認を取得したことをお知らせします。リムパーザは、本邦初のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤です。

アストラゼネカ研究開発本部長の谷口忠明は、次のように述べています。「がんのDNAの修復機構に着目し開発された世界初のPARP阻害剤として、本日リムパーザの国内製造販売承認を取得できたことを大変うれしく思います。卵巣がんは化学療法後の再発率が非常に高い疾患であり、これまでその治療選択肢は限られていました。リムパーザの承認により再発卵巣がん患者さんに新たな治療選択肢を提供し、卵巣がん治療の進展に貢献できることを期待します。治験に参加いただいた卵巣がん患者さんと治験施設関係者の方々に、深く御礼申し上げます」。

【リムパーザについて】
リムパーザはDNA損傷応答(DDR)機能を活用した新規の作用機序を持つ、世界初のPARP阻害剤です。DNAの相同組換え修復機構が機能していないがん細胞に特異的に細胞死を誘導する画期的な作用機序を持ちます。

再発卵巣がんは根治が困難なことから、延命やQOL の改善を目的とした治療が行われますが、リムパーザはがん細胞に特異的にはたらく分子標的薬であるため、良好な安全性プロファイルを保ちながら、病勢進行や死亡のリスクを下げることが期待されます。また、経口剤のため、注射による疼痛や点滴のために必要な時間的拘束といった患者さんの負担を回避しながら治療することも可能です。

本剤は、米国食品医薬品局(FDA)から、プラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法、3回以上の化学療法の治療歴がある病的変異または病的変異疑いに分類される生殖細胞系列BRCA(gBRCA)遺伝子変異陽性進行卵巣がん、さらにgBRCA遺伝子変異陽性転移乳がんの承認を、また、欧州連合(EC)からBRCA遺伝子変異陽性のプラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法の承認を受けています。また日本では、BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳癌を予定の効能・効果として承認申請中です。

【リムパーザの有効性と安全性】
本承認は、プラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法におけるリムパーザの2つの無作為化試験(SOLO-2および試験19)の結果に基づいています。

表1. 無作為化試験における主な有効性のまとめ:

 

病勢進行または

死亡リスクの低減(PFS)

死亡リスクの低減(OS)

SOLO-2

[生殖細胞系列BRCA 遺伝子変異陽性PSR OC*]

n=295

リムパーザ

70%(ハザード比 0.30[95% 信頼性区間, 0.22-0.41], P<0.0001;治験担当医師評価による中央値19.1ヵ月対5.5ヵ月)

予定のイベント数に達するまでデータ取得中

プラセボ

試験19

[BRCA 遺伝子変異の有無を問わないPSR OC*]

n=265

リムパーザ

65%(ハザード比0.35[95% 信頼性区間, 0.25-0.49], P<0.0001;中央値8.4ヵ月対4.8ヵ月)

27%(ハザード比 0.73 [95% 信頼性区間,0.55-0.95];中央値29.8ヵ月対27.8ヵ月)

プラセボ

*プラチナ製剤感受性再発卵巣がん

SOLO-2 試験において、主な副作用は、悪心(66.7%)、貧血(39.0%)、疲労(29.7%)、嘔吐(25.6%)、無力症(24.1%)、味覚異常(23.1%)でした(承認時)。

試験19 において、主な副作用は、悪心(64.0%)、疲労(43.4%)、嘔吐(21.3%)でした(承認時)。

【リムパーザ薬価収載前の無償提供】
アストラゼネカは、治療選択肢が極めて限られている再発卵巣がん患者さんの緊急の要望に一日も早くお応えするために、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもとで、本剤の無償提供を実施いたします。

本剤の提供は、適正使用の観点より、本剤開発治験実施施設等の限定された施設において、承認された適応、用法・用量に従ってのみ使用すること、無償提供期間中に弊社が実施する市販直後調査に準じた活動を含む適正使用推進等の各種安全対策にご協力いただくことを理解・合意し、無償提供を希望する施設でのみ実施します。また、本剤提供は製造販売承認取得日以降、各施設での準備が整った時点から開始し薬価収載前日に終了します。

アストラゼネカは、今後も、患者さんの緊急のご要望を満たす薬剤を一日も早く提供する努力を続けるとともに、薬剤の適正使用の促進と安全管理にも力を注いでまいります。
 

リムパーザ薬価収載前無償提供に関するお問い合わせ先
アストラゼネカ株式会社

医療従事者の皆様

0120-189-115
(メディカルインフォメーションセンター/9:00-17:30
土日祝祭日および弊社休業日を除く)

患者様とそのご家族の皆様

0120-119-703
(アストラゼネカ患者様相談窓口/9:00-17:30
土日祝祭日および弊社休業日を除く)

報道関係者の皆様

03-6308-2800
(コーポレート・アフェアーズ統括本部:倉橋)

 

リムパーザの製品概要

製品名

リムパーザ錠100mg 、リムパーザ錠150mg
英語表記:Lynparza Tablets 100mg, Lynparza Tablets 150mg

一般名

オラパリブ

効能・効果

白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法

用法・用量

通常、成人にはオラパリブとして300 mgを1日2回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

製造販売承認日

2018年1月19日

製造販売元

アストラゼネカ株式会社

以上

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卵巣がんについて
世界中で卵巣がんは女性のがんにおいて7番目に多いがんであり、女性のがんによる死因の8番目です。近年、日本において卵巣がん罹患数は増加傾向にあり、毎年9000人以上1の女性が卵巣がんと診断されています。 5年生存率も58%2と、婦人科がんの中で最も低く、2012年の死亡者数は4,758人2と約2人に1人の卵巣がん患者さんが亡くなっています。

SOLO-2試験について
SOLO-2試験はgBRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん、卵管がんおよび原発性腹膜がん患者さんを対象としたリムパーザ錠の単剤維持療法としての有効性をプラセボと比較評価することを目的とした無作為化二重盲検多施設共同第III相試験です。The European Network for Gynaecological Oncological Trial Groups(ENGOT)および Groupe d’Investigateurs National pour l’Etude des Cancers de l’Ovaire et du sein(GINECO)との協働で実施された本試験は最低2レジメンのプラチナ製剤ベースの化学療法による前治療を受け、完全または部分奏効を示した生殖細胞系列のBRCA1またはBRCA2遺伝子変異が確認されている295例の患者さんを無作為に割り付けました。適格な患者さんがリムパーザ錠300mg1日2回投与群あるいはプラセボ錠1日2回投与群に無作為に割り付けられました。

試験19について
試験19は高悪性度再発卵巣がん患者さんを対象としてリムパーザ(カプセル剤)の有効性と安全性を比較評価することを目的とした無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第II相試験です。BRCA遺伝子変異の有無を問わず、最低2レジメンのプラチナ製剤ベースの化学療法による前治療を受け、かつそれが直前のレジメンである265例のプラチナ製剤感受性の再発卵巣がん患者さんを無作為に割り付けました。被験者はリムパーザ(カプセル剤)を単剤維持療法として1日1回400mgの投与もしくはプラセボの投与群に無作為に割り付けました。

アストラゼネカとMSDのがん領域における戦略的提携について
2017 年7 月27 日、アストラゼネカとメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー州ケニルワース、北米以外ではMSD)は、アストラゼネカの世界初および主要なPARP 阻害剤であるリムパーザおよび現在開発中であるMEK 阻害剤セルメチニブを複数のがん種における共同開発・商業化に関するがん領域における世界的な戦略的提携を発表しました。本提携は、PARP とMEK 阻害剤は一連のがん種においてPD-L1/PD-1 阻害剤と併用することが可能であることを示す増加しつつあるエビデンスに基づくものであり、併用療法の望ましい基幹製品になるというリムパーザの可能性を最大化することを目的としています。本提携において、両社はリムパーザおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として共同開発します。また、単独で、各社は各々のPD-L1 およびPD-1 薬との併用でリムパーザおよびセルメチニブを開発します。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において長い歴史と深い経験を有し、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを急速に拡大しています。当社は、低分子からバイオ医薬品に至る広範な開発パイプラインを基盤に、2014 年から2020 年までの期間に少なくとも6 つの新薬の発売を予定しています。また、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncology をアストラゼネカの5 つの成長基盤のひとつとして位置づけ、進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、AcertaPharma 社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA 損傷修復および抗体薬物複合体の4 つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3 つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100 カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝/消化器疾患、呼吸器疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはhttp://www.astrazeneca.co.jpをご覧ください。

1国立がん研究センター、がん情報サービス. がん登録・統計『グラフデータベース』
2国立がん研究センター、がん情報サービス. がん登録・統計『最新がん統計』 http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html (2017年12月アクセス時)