アストラゼネカ株式会社、タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)の EGFR変異陽性非小細胞肺がん1次治療の追加適応に向け、製造販売承認事項一部変更承認を申請

~第III相FLAURA試験結果の良好な結果に基づき、適応拡大を目指す~
 

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長:マーク・デュノワイエ、以下アストラゼネカ)は、本日、第3世代不可逆的上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるタグリッソ(一般名:オシメルチニブ)に関し、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を予定の効能・効果として、本邦における製造販売承認事項一部変更承認を申請しましたのでお知らせします。

本申請は、第III相FLAURA試験の結果に基づき行われました。FLAURA試験は、過去治療歴のない局所進行あるいは転移を有するEGFRm NSCLC患者さんを対象として実施され、タグリッソ投与群は、現在の標準1次治療であるEGFR TKIのエルロチニブまたはゲフィチニブ投与群と比べて、2倍近い無増悪生存期間中央値の延長を示しました(18.9ヵ月対10.2ヵ月, HR 0.46, p<0.001)。これらの改善は、脳転移の有無に関するサブグループを含む、事前に既定したすべてのサブグループにおいて認められました。全生存期間(OS)中央値は、イベント発現割合25%の初期OSデータにおいて、臨床的に意義のある改善を示しました。タグリッソ投与群は、既存の標準1次治療群と比較して2倍以上の奏効期間中央値を示し、優れた客観的奏効率を示しました。タグリッソ群は良好な忍容性を示し、その安全性プロファイルは過去に得られているデータと一貫していました。FLAURA試験の詳細結果はNew England Journal of Medicineのオンライン版に掲載されました。

アストラゼネカ研究開発本部長の谷口忠明は、次のように述べています。「第lll相FLAURA試験に基づく本日の製造販売承認事項一部変更承認申請は、EGFR変異を有するすべての日本人患者さんに向けた、大きな朗報です。タグリッソは、これまでの一次治療の標準治療薬と比べて臨床的ならびに統計学的に有意なPFSの延長を示しており、将来的に本適応が承認されれば、より多くの患者さんが1次治療からより長い奏効期間を期待できようになります。当社は、タグリッソの一日も早い適応拡大に向け、今後も最大限の努力をしてまいります」。

肺がんは、日本で3番目に罹患率が高く、最も死亡率の高いがん種です。また、欧米と比較しても、日本を含むアジアではより多くのNSCLC患者さんにEGFR変異がみられ、NSCLC全体の約30-40%がEGFR変異と診断されています。EGFR変異を有するNSCLCステージIVと診断される患者さんの本邦における5年生存率は、14%未満に留まります。

現在、タグリッソは本邦において「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能は再発非小細胞肺癌」の適応で承認されており、同対象の2次治療以降の標準治療薬として、患者さんの治療に寄与しています。

以上

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非小細胞肺がんについて
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約4分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります1。NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、欧米で10-15%、アジアでは30-40%を占め2,3,4、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR-TKIによる治療に非常に高い感受性を示します5。しかし、腫瘍はほとんどの場合、薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します6。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブあるいはエルロチニブによる治療を受けている患者さんの約半分において、T790Mによりこの薬剤耐性が発生します。タグリッソも病勢進行につながるこの二次変異を標的としています6,7。また、EGFR変異陽性NSCLC患者さんの約25%は診断時に脳転移を有しており、診断後2年以内にその率は約40%に増加することから、より高い中枢神経系の有効性を持つ薬剤に対するニーズも存在します8

タグリッソについて
タグリッソ(オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害するように設計されており、中枢神経系(CNS)転移に対する臨床活性も有しています9。タグリッソ40mg錠および80mg錠1日1回経口投与は、EGFR T790M変異陽性進行NSCLCの治療薬として米国、EU、日本、中国を含む50カ国以上で承認されています。また、タグリッソは術後補助療法ならびに他の治療薬との併用療法においても現在承認に向けて開発中です10,11

FLAURA試験について
FLAURA試験は、局所進行あるいは転移性EGFR変異陽性NSCLC患者さんを対象とし、タグリッソ80mg1日1回投与の有効性および安全性を標準的な1次治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(エルロチニブ(150mg 1日1回経口投与)あるいはゲフィチニブ (250mg 1日1回経口投与))と比較検討した試験です12。本試験は、二重盲検無作為化試験であり、30カ国の556例の患者さんを対象としています12

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、すべての肺がん患者さんに貢献できる治療薬の開発に努めています。当社は、承認済の2つの治療薬に加えて、腫瘍細胞の遺伝子変異を標的とするものやがんに対する免疫応答を増強するものなど成長著しいパイプラインを有しています。当社は、サイエンスの限界に挑戦し続けることで、肺がんのすべてのステージおよびすべての治療ラインにおいて患者さん延命に寄与し、生活の質を改善する画期的な治療をもたらすことを目指しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に上市を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの5つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

Reference:
1.  American Cancer Society. Key Statistics for Lung Cancer. Available at https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/key-statistics.html. Accessed November 2017.
2. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
3. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
4. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
5. Langer CJ, et al. Epidermal Growth Factor Receptor Inhibition in Mutation-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer: Is Afatinib Better or Simply Newer? J Clin Oncol. 2013:31(27);3303-05.
6. Yu HA, et al. Analysis of Tumour Specimens at the Time of Acquired Resistance to EGFR-TKI Therapy in 155 Patients with EGFR-Mutant Lung Cancer. Clin Cancer Research. 2013:19(8);2240-46.
7. Wu SG, et al. The Mechanism of Acquired Resistance to Irreversible EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Afatinib in Lung Adenocarcinoma Patients. Oncotarget. 2016:7(11);12404-13.
8. Rangachari, et al. Brain Metastases in Patients with EGFR-Mutated or ALK-Rearranged NonSmall-Cell Lung Cancers. Lung Cancer. 2015;88,108–111
9. Cross DAE, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014:4;1046-61.
10. National Institutes of Health. AZD9291 Versus Placebo in Patients With Stage IB-IIIA Non-small Cell Lung Carcinoma, Following Complete  Tumour Resection With or Without Adjuvant Chemotherapy (ADAURA). Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02511106. Accessed November 2017.
11. National Institutes of Health. AZD9291 in Combination With Ascending Doses of Novel Therapeutics. Available at:https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02143466. Accessed November 2017
12. Ramalingam S, et al. Osimertinib vs SoC EGFR-TKI as First-Line Treatment in Patients with EGFRm Advanced NSCLC (FLAURA). Presented at the European Society for Medical Oncology (ESMO) 2017 Congress, 8-12 September 2017, Madrid, Spain.