アストラゼネカのタグリッソ、 2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)においてEGFR変異陽性肺がんの 一次治療における新たな標準治療薬としての可能性が示される

 
本資料はアストラゼネカ英国本社が2017年9月9日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


第III相FLAURA試験において病勢進行もしくは死亡リスクを50%以上減少、  
脳転移の有無を始めとする全てのサブグループで一貫した効果

無増悪生存期間(PFS)中央値は、
現在の標準治療での10.2カ月に対しかつてない18.9カ月を達成

中間解析において臨床的に意義のある全生存率(OS)の向上が明らかに



アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2017年9月9日、局所進行あるいは転移性上皮成長因子受容体(EGFR)変異陽性非小細胞性肺がん(NSCLC)成人患者さんの一次治療における新たな標準治療としてのタグリッソ(オシメルチニブ)の可能性を裏付ける、第III相 FLAURA試験の全結果を発表しました。

第III相FLAURA試験の結果は、スペインのマドリッドで開催されている2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次学会のレイトブレーキング演題の中からプレジデンシャル・シンポジウム(同学会で最も価値ある発表に与えられるセッション)に採択されました。タグリッソは、現在の標準的な治療である既存EGFRチロキナーゼ阻害剤(ゲフィチニブもしくはエルロチニブ)と比較して、臨床的に有意義な優れた無増悪生存期間(PFS)を示しました。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは、次のように述べました。「FLAURA試験はまさに卓越した結果をもたらしました。これまで、第1世代と第2世代EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療での進展を以ってしても、5年間以上の延命を達成したEGFR変異陽性のNSCLC患者さんは20%以下に過ぎませんでした。しかし、FLAURA試験の結果は、タグリッソが早期から継続的に患者さんにベネフィットをもたらすことを示しました。タグリッソは、患者さんのアウトカムに長期的に大きな影響を与え、未だ残された大きなアンメットメディカルニーズの解消に役立つ可能性を秘めています」。

FLAURA試験の国際調整医師である米国ジョージア州アトランタのエモリー大学Winship がん研究所のSuresh S. Ramalingam先生は、次のように述べました。「FLAURA試験の結果から、オシメルチニブは、EGFR遺伝子変異陽性進行NSCLC患者さんの治療に大きなパラダイムシフトをもたらす可能性があります。既存EGFRチロシンキナーゼ阻害剤と比較してオシメルチニブによる優れた効果を示すだけでなく、副作用プロファイルにおいても良好な結果が確認されました」。

FLAURA試験の主要な結果:

評価項目

タグリッソ

標準治療

ハザード比 (HR)/
オッズ比 (OR)

PFS
(プライマリーエンドポイント)

18.9カ月

(中央値)

10.2カ月

(中央値)

HR 0.46
95% CI, 0.37-0.57, p<0.0001

イベント発現割合25%での全生存期間(OS)

なし

なし

HR 0.63
95% CI、0.45~0.88、p=0.0068*

奏効期間(DoR)

17.2カ月

(中央値)

8.5カ月

(中央値)

なし

奏効率(ORR)

80%

76%

OR 1.28
0.85~1.93、p=0.2335

*0.0015は、今回の解析におけるイベント達成率における統計的有意性に求められる閾値。最終的なOS解析は今後に行う予定。

· 優れた無増悪生存(PFS):タグリッソ投与群の病勢進行または死亡リスクは、ゲフィチニブ、エルロチニブ投与群と比較して50%以下(ハザード比[HR]0.46、95%信頼区間[CI] 0.37~0.57、p<0.0001)。タグリッソ投与群のPFS中央値は18.9カ月、対照群では10.2カ月。

· 中間解析(イベント発現割合25%)において臨床的意義を示唆する全生存期間(OS):OSのハザード比は0.63(95% CI:0.45~0.88、p=0.0068] で、タグリッソが良好な傾向。全生存期間に関するイベント発現割合は中間解析時点で25%であった(タグリッソ投与群の21%が死亡し、対照群では30%が死亡)。0.0068のP値は、このイベント発現割合における統計学的な有意性に必要な0.0015という閾値を下回らなかった。最終的なOSの解析は今後行われる予定。

· PFSは全サブグループを通じて改善:タグリッソのPFSの改善は、事前に解析項目を指定された全てのサブグループで一貫しており、治験参加時の中枢神経系(CNS)転移有無、アジア系/非アジア系患者群、喫煙歴の有無、エクソン19欠失/L858Rを有する患者群を含め、病勢進行または死亡リスクを少なくとも40%減少。

· 顕著な奏効期間(DoR)および客観的奏効率(ORR):タグリッソ投与群のDoRの中央値は、対照群の中央値の2倍以上(17.2カ月対8.5カ月)で、ORR(腫瘍縮小効果の指標)は対照群の76%に対し80%(オッズ比1.28 [0.85~1.93]、p=0.2335)。

FLAURA試験の安全性データは、グレード3以上の有害事象の発生率が低く、これまでの臨床試験の結果と合致するものでした。タグリッソ投与群において最も一般的な有害事象は下痢(58% [グレード3以上の2%])と皮膚乾燥(32% [グレード3以上の1%未満])で、対照群で最も一般的な有害事象は下痢(57% [グレード3以上の3%])とざ瘡様皮疹(48% [グレード3以上の5%])でした。タグリッソ投与群のうち、グレード3以上の有害事象は33.7%で、対照群では44.8%でした。またタグリッソ投与群の13.3%で治療中止に至る有害事象が見られましたが、対照群では18.1%でした。

アストラゼネカは、FLAURA試験データに基づき、タグリッソの承認申請に関して、世界各国の規制当局と協議を行っています。承認申請状況は、通常、当社の四半期決算発表時に公表しています。

タグリッソは現在、EGFR-TKIによる治療後にEGFR T790M遺伝子耐性変異した進行性NSCLCの2次治療として、米国およびEU、日本、中国を含む50か国以上で承認されています。

以上

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EGFR遺伝子変異陽性NSCLCについて
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約4分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります。NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、欧米 で10-15%、アジアでは30-40%を占め、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR-TKIによる治療に非常に高い感受性を示します。しかし、腫瘍はほとんどの場合、薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブあるいはエルロチニブによる治療を受けている患者さんの約半分において、二次変異であるT790Mによりこの薬剤耐性が発生します。タグリッソは病勢進行につながるこの二次変異を標的としています。また、EGFR変異陽性NSCLC患者さんの約25%は診断時に脳転移を有しており、診断後2年以内にその率は約40% に増加することから、より高い中枢神経系の有効性を持つ薬剤に対するニーズも存在します。

FLAURA試験について
FLAURA試験は、局所進行あるいは転移性EGFR変異陽性NSCLC患者さんを対象とし、タグリッソ80mg1日1回投与の有効性および安全性をファーストライン標準治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤 (ゲフィチニブ (250mg 1日1回経口投与) あるいはエルロチニブ (150mg 1日1回経口投与))と比較検討した試験です。本試験は、二重盲検無作為化試験であり、30カ国の556例の患者さんを対象としています。

本試験の主要評価項目はPFSであり、副次的評価項目にはOS(全生存期間)、ORR(客観的奏効率)、DoR(奏効期間)、DCR(病勢コントロール率)、安全性および健康関連クオリティ・オブ・ライフ(HRQoL)の測定値が含まれました。

タグリッソについて
タグリッソは第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害し、中枢神経系 (CNS) 転移に対する臨床活性を発揮するよう設計されています。タグリッソ(オシメルチニブ)40mg錠および80mg錠1日1回経口投与は、EGFR T790M変異陽性進行NSCLCの治療薬として米国、EU、日本、中国を含む50以上の国で承認されています。また、タグリッソは、術後補助療法、脳転移を有するもしくは有さない患者さんを含む転移に対するファーストライン治療、軟髄膜転移、ならびに他の治療薬との併用療法においても現在検討中です。

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、すべての肺がん患者さんに貢献できる治療薬の開発に努めています。当社は、承認済の2つの治療薬に加えて、腫瘍細胞の遺伝子変異を標的とするものやがんに対する免疫応答を増強するものなど成長著しいパイプラインを有しています。当社は、サイエンスの限界に挑戦し続けることで、肺がんのすべてのステージおよびすべての治療ラインにおいて患者さん延命に寄与し、生活の質を改善する画期的な治療をもたらすことを目指しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの5つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。