アストラゼネカのデュルバルマブ(IMFINZI)、 既治療進行膀胱がん患者さんを対象として、米国FDAより迅速承認を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2017年5月1 日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。



~承認はPD-L1発現状況にかかわらず、奏効率および奏効期間に基づき付与~

~デュルバルマブは、複数のがん種および病期全体にまたがるアストラゼネカの広範ながん免疫療法プログラムの礎~

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)およびそのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは、5月1日、米国食品医薬品局 (FDA)がデュルバルマブ(Imfinzi )に対し迅速承認を付与したことを発表しました。デュルバルマブは、プラチナ製剤を含む全身1次化学療法による治療中あるいは治療後に病勢進行が認められた、あるいはプラチナ製剤を含む術前、もしくは術後補助化学療法を受けてから12カ月以内に病勢進行が認められた局所進行あるいは転移尿路上皮がん(mUC)患者さんの治療を適応としています。デュルバルマブはFDAの迅速承認制度のもと奏効率と奏効の持続可能性に基づき承認されました。本適応に関する継続承認は、確認試験における臨床的ベネフィットの検証およびその種類を条件としています。

アストラゼネカの最高経営責任者であるパスカル・ソリオは次のように述べました。「当社は局所進行あるいは転移膀胱がん患者さんの画期的治療薬としてデュルバルマブを提供できることを非常に喜ばしく感じています。デュルバルマブは、単剤療法および併用療法として多くのがん種を対象に開発中である当社の広範ながん免疫療法薬プログラムの礎となる薬剤です。デュルバルマブにとって初となる本承認取得は、当社の成長への回帰における重要なマイルストーンであり、がん治療のあり方を再定義するという目標に向けて当社を一歩前進させるものです」。

また、デュルバルマブは、現在実施中の第III相DANUBE試験において、単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法双方において、尿路上皮がんの1次治療薬としての可能性が検討されています。

ネバダ大学医学部臨床担当教授、SWOG (米国南西部がん臨床試験グループ)GU副会長、米国Oncology Research GU会長、およびネバダ州立包括がんセンターメンバーであるNicholas J. Vogelzang, MD, FACP, FASCOは次のように述べました。「進行膀胱がん患者さんの抗がん剤治療は通常プラチナ製剤を含む標準的な化学療法から開始します。化学療法による治療中もしくは治療後に病勢進行がみられた患者さんには他の治療選択肢はほとんど残されていません。これらに該当する患者さん方を治療するデュルバルマブのこの度の承認は、現在苦しんでいる患者さん、あるいは今後限られた選択肢しか持ちえないと思われていた患者さん方の希望となります」。

デュルバルマブの推奨用量は、病勢進行または受容できない毒性発現までの間、2週間毎に60分間にわたり体重1kgあたり10mgの静脈投与です。

PD-L1を阻害するヒトモノクローナル抗体であるデュルバルマブのFDAによる迅速承認はStudy 1108のデータに基づいています。本第I/II相試験は局所進行あるいは転移膀胱尿路上皮がん患者さんにデュルバルマブの安全性および有効性を評価しました。被験者は、術前、もしくは術後補助化学療法を受けてから12カ月以内に病勢が進行した患者さんを含む、プラチナ製剤を含む化学療法による治療中あるいは治療後に病勢が進行した患者さんでした。

本試験において、デュルバルマブは迅速かつ持続的な奏効を示しました。PD-L1発現状況にかかわらず、客観的奏効率(ORR)は全評価可能症例において17.0%(95%信頼性区間[CI]: 11.9; 23.3)、およびPD-L1高発現腫瘍を持つ症例(ロシュグループ会社であるVentana Medical Systems Inc. のVENTANA PD-L1(SP263)Assayにより判定)においては26.3%(95% CI: 17.8; 36.4)でした。PD-L1高発現の定義は、腫瘍領域に1%超の腫瘍浸潤免疫細胞(IC)が存在する場合は腫瘍細胞(TC)またはICの細胞膜でのPD-L1発現割合が25%以上とし、腫瘍領域に1%未満のICしか存在しない場合にはTCの25%以上またはICの100%発現としました。さらに、全評価可能症例の約14.3%が部分奏効を、約2.7%が完全奏効を達成しました。試験への登録前に術前、もしくは術後補助化学療法のみを受けた症例のうち24%(9症例)が奏功しました。本単群試験の副次的評価項目に基づき、奏効までの期間の中央値は6週間でした。全奏効症例31例のうち、14例(45%)では6カ月以上奏効が持続しており、5例(16%)では12カ月以上奏効が持続していました。

投与を受けた患者さんでは、肺炎、肝炎、大腸炎、内分泌障害(副腎機能低下症、下垂体炎、または1型糖尿病を含む)、腎炎、発疹、血小板減少性紫斑病、感染症、点滴関連反応、又は胚/胎児毒性を含む免疫介在性の有害反応のモニタリングが行われました。重篤な有害反応が症例の46%において発現しました。最も発現頻度が高かった有害反応(2%超)には急性腎損傷(4.9%)、尿路感染(4.4%)、筋骨格疼痛(4.4%)、肝損傷(3.3%)、全般的身体的健康悪化(3.3%)、敗血症、腹部疼痛、および発熱/腫瘍に伴う発熱(それぞれ2.7%)でした。デュルバルマブによる治療を受けた8例(4.4%)が心肺停止、全身状態の悪化、敗血症、腸閉塞、肺炎または免疫介在性の肝炎のグレード5の有害事象を発症しました。さらに3例の患者さんにおいて、死亡時に感染症および病勢進行が見られました。症例の3.3%において有害反応によりデュルバルマブの投与が中止されました。

臨床試験では、PD-L1の発現度が高い腫瘍を持つ患者さんが、PD-1/PD-L1経路の阻害を通じより高い奏効を認める可能性が示されました。PD-L1発現検査は医師が治療に関する決定を下す際に指標として役立つツールとなる可能性がありますが、デュルバルマブの使用に必須ではありません。

*****
Imfinzi(デュルバルマブ)について
Imfinzi(デュルバルマブ、以前はMEDI4736として知られる)はPD-L1を直接標的とするヒトモノクローナル抗体であり、PD-1およびCD80とのPD-L1の相互作用を阻害します。

また、デュルバルマブは切除不能および転移膀胱がん患者さんの1次治療として単剤療法およびCTLA-4を標的とするチェックポイント阻害剤トレメリムマブとの併用においても、DANUBE試験(国際共同第III相試験)にて検討され、2017年第1四半期に最後の被験者への投与を開始しました(中国を除く)。デュルバルマブを単剤療法あるいは併用療法で、複数の固形がんおよび血液がんにおいて検討するさらなる臨床試験が実施中です。

デュルバルマブならびにトレメリムマブは、現時点において本邦未承認です。

膀胱がんについて
尿路上皮膀胱がんは膀胱の内腔側にある尿路上皮細胞から発生し、全世界で9番目に多いがん種です。2016年には世界中で約43万人が膀胱がんと診断され、16万5,000人が亡くなられたと推定されます。特に、転移性膀胱がんは、標準的な化学療法による治療を受けた患者さんにおける5年生存率が15%未満と、依然としてアンメットメディカルニーズの高い領域であり続けています。
尿路上皮がん(UC)の腫瘍微小環境はリンパ球の機能を著しく減弱させ、PD-1/PD-L1等のチェックポイント阻害経路を利用することで、がんが免疫システムにより探知されるのを回避します。PD-L1はUC患者さんの腫瘍および免疫細胞に広く発現しており、殺細胞性Tリンパ球のPD-1に結合することで、腫瘍が免疫システムにより探知されるのを回避します。

がん免疫治療(IO)に対するアストラゼネカのアプローチについて
がん免疫療法(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています。当社は、IOに基づく治療薬は多くの患者さんの人生に変革をもたらす抗がん剤となる可能性を提供するものと信じています。

当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める意思決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用することで、複数のがん種、病期、および治療の段階におけるデュルバルマブ(PD-L1)単剤療法およびトレメリムマブ(CTLA-4)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの6つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

メディミューンについて
メディミューンは、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化するグローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器・循環器・代謝疾患、および感染症・ワクチンの領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、これに加え英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州マウンテンビューにも研究所があります。詳細は https://www.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。