アストラゼネカ 呼吸器領域の生物学的製剤ベンラリズマブ(遺伝子組換え) の 第III相国際共同試験 日本人重症気管支喘息患者さんの治療において良好な結果を示す ~日本人サブグループ解析データを発表~

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:デイヴィド・フレドリクソン、以下、アストラゼネカ)は、ヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤ベンラリズマブ(遺伝子組換え)(以下、ベンラリズマブ)の第III相国際共同試験(以下、CALIMA試験)のサブ解析によって、重症気管支喘息をもつ日本人患者さんの治療において、標準治療薬にベンラリズマブを追加することにより、喘息増悪頻度を減少し、呼吸機能および喘息症状の改善を示す結果が得られたことが、第57回日本呼吸器学会学術講演会において本日発表されたことをお知らせします。

CALIMA試験は、日本を含む世界11カ国で実施した無作為二重盲検並行群間プラセボ対象比較試験で、中用量から高用量の吸入ステロイド薬(以下、ICS)と長時間作用性β2刺激薬(以下、LABA)の併用療法を受けていてもコントロール不良(直前1年で2回以上の喘息増悪を経験)の、12歳から75歳の重症気管支喘息患者さん全1,306症例を対象に、ICSとLABAでの治療への追加療法としてベンラリズマブ 30mgを4週ごとに投薬する群(以下、4週群)と、最初の3回は4週ごと、その後8週ごとに投薬する群(以下、8週群)の2つの用量レジメンでの有効性と安全性を評価しました。その結果は、2016年9月5日に欧州呼吸器学会(ERS)国際会議で発表され、The Lancet誌に掲載されました。

日本人サブグループ解析は、CALIMA試験に参加した日本人患者さん83症例を対象として実施されました。主要評価項目および主な副次的評価項目において評価したところ、日本人患者さんにおいて以下の結果が得られました。

これら日本人サブグループ解析において、CALIMA試験全集団の解析結果と同様の有効性と安全性が示されました。

本試験の国内治験調整医師である独立行政法人 国立病院機構 東京病院 大田 健院長は、「重症気管支喘息は、気道炎症と気道過敏性亢進のエフェクター細胞である好酸球によって、頻回の喘息増悪、呼吸機能の低下を起こし、患者さんのQOLを低下させます。本解析結果は、ベンラリズマブの特徴である抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)により速やかかつほぼ完全に好酸球を除去する効果が、日本の重症気管支喘息患者さんに対する効果的な治療となる可能性を示唆しているものと考えます」と述べました。

アストラゼネカ株式会社 執行役員 呼吸器事業本部 事業本部長の松尾恭司は、「喘息患者さんの症状を悪化させる好酸球に、直接働きかけて速やかかつほぼ完全に除去するという画期的な作用機序をもったベンラリズマブは、これまでの主要試験において、患者さんの喘息増悪減少効果に加えて、呼吸機能を早く改善させるという結果が一貫して示されてきましたが、同様の結果がCALIMA試験の日本人患者さんの解析においても示されたことをうれしく思います。日本の協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井 陳雄、以下、協和発酵キリン)が創製した技術であるPOTELLIGENT ®(ポテリジェント)を応用したベンラリズマブが、日本の重症気管支喘息患者さんのアンメットメディカルニーズを解決する治療選択肢となり、QOL改善に役立てていただけるよう、引き続き尽力して参ります」と述べました。

CALIMA試験は、ベンラリズマブの気管支喘息治療薬としての有効性および安全性を評価する、最大規模の第III相開発プログラム、WINDWARDプログラムの1つです。

以上

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ベンラリズマブ(遺伝子組換え)について
ベンラリズマブは、好酸球の表面に発現するインターロイキン-5(IL-5)受容体に対し直接的に作用するヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤です。喘息患者さんの中には、好酸球とよばれる生物学的エフェクター細胞が炎症と気道過敏性を起こし、症状が重症化する患者さんがいます。ベンラリズマブ は、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)を高め、IL-5受容体を発現している好酸球を速やか且つほぼ完全に除去する特徴を持っています。また、早期第I/II相試験により24時間以内に効果発現することが確認されています。ベンラリズマブは、協和発酵キリンの完全出資子会社であるBioWa社から導入され、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと協和発酵キリンにより開発されました。なお、アストラゼネカ株式会社は、2016年10月に協和発酵キリンと締結していた独占的オプションを行使し、重症気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬としてのベンラリズマブの日本国内における製造販売権利を取得しました。

重症気管支喘息について
日本では約800万人※1が喘息に罹患していると推定されています。欧州呼吸器学会と米国胸部疾患学会の重症喘息に関するガイドラインによると、重症気管支喘息は、高用量吸入ステロイド薬に加えて、その他の長期管理薬(および/または全身性ステロイド薬)による治療を要する喘息、あるいはこうした治療にもかかわらず「コントロール不良」である喘息と定義され、喘息患者さん全体の5~10%※2,3にあたるといわれています。また、日本では約10%※4の喘息患者さんが該当するだろうと考えられています。重症喘息患者さんは、患者さんの背景や臨床的特徴から、好酸球性、好中球性、アレルギー性、慢性気流閉塞、増悪の繰り返し、ステロイド薬に対する非感受性というフェノタイプ(表現型)※3に分類され、治療選択に応用されています。

※1 厚生科学審議会 疾病対策部会 リウマチ・アレルギー対策委員会 報告書, 2011
※2 一般社団法人日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会 監修:喘息予防・管理ガイドライン 2015
※3 一ノ瀬正和監修: 重症喘息-定義、評価、治療に関するERS/ATSガイドライン日本語版-, 2014
※4 金廣有彦: Mebio. 27: 18-26, 2010、大田健ほか: アレルギー. 59: 676-687, 2010、福冨友馬ほか: アレルギー. 59:
  37-46, 2010、美濃口健治ほか:  アレルギー・免疫. 16: 72-81, 2008

WINDWARDプログラムについて
WINDWARDプログラムは、26カ国798施設の3,068例の患者さんを対象とする、ベンラリズマブの気管支喘息治療薬としての有効性および安全性を評価する、最大規模の第III相開発プログラムです。6つの第III相臨床試験(SIROCCO試験、CALIMA試験、ZONDA試験、BISE試験、BORA試験およびGREGALE試験)により構成されています。WINDWARDプログラムに加え、重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者さんにおけるベンラリズマブの有効性および安全性を評価する第III相臨床試験VOYAGERプログラムも現在進行中です。

アストラゼネカにおける呼吸器疾患について
呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域で、製品ポートフォリオは年々成長し、2015年には世界中の1,700万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定の疾患治療のアンメットニーズに応える生物学的製剤や、疾患原因を解明する革新的なサイエンスを通じて、喘息およびCOPD治療を向上させることを目指しています。アストラゼネカは、呼吸器領域における40年の歴史をさらに発展させており、吸入器技術はドライパウダー吸入器(DPI)、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ならびにCo-Suspension™ Delivery Technologyなどに及びます。また、好酸球性疾患、Th2型疾患、上皮性病理生物学の3つの主要な生物学的情報伝達経路に焦点を当てた研究を行っています。

アストラゼネカ株式会社について
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、呼吸器・自己免疫疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。