アストラゼネカのタグリッソ、 EGFR T790M 変異陽性非小細胞肺がんにおいて 標準的化学療法に対する優位性を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2016年12月6日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

標準的化学療法とタグリッソを比較した最初の無作為化第III相試験 (AURA3)において
タグリッソは病勢進行のリスクを70%抑制し、無増悪生存期間 (PFS)を6カ月近く延長
中枢神経系転移を有する患者さんにおいても、全患者さんと同様のベネフィットを達成

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、12月6日、AURA3試験のデータを発表し、タグリッソが上皮成長因子 受容体 (EGFR) T790M変異陽性局所進行または転移性非小細胞肺がん (NSCLC) 患者さんのセカンドライン治療として新たな標準治療になり得ることを示しました。本試験はタグリッソ初の無作為化第III相試験として実施され、タグリッソによるセカンドライン治療がプラチナ製剤・ペメトレキセド併用の標準的化学療法との比較において無増悪生存期間 (PFS) を5.7カ月延長したことが示されました(ハザード比:0.30)。本結果はオーストリアのウィーンにて開催された国際肺癌学会主催による第17回世界肺癌会議において発表されたと同時に、The New England Journal of Medicine オンラインへも掲載されました。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「本第III相臨床試験により、これまでEGFRチロシンキナーゼ阻害薬使用後に病勢が進行した患者さんの標準治療とされてきた化学療法に代わり、タグリッソが標準治療となる可能性が示されました。また、肺がんは最も脳転移の多い腫瘍型であるため、予後が特に悪いとされる中枢神経系転移を有する患者さんにおける活性が見られたことも、タグリッソが有望な薬剤であることを示しています」。

AURA3試験データは、タグリッソがプラチナ製剤・ペメトレキセド併用標準的化学療法と比較して統計学的に有意なPFSの延長を示しました (10.1カ月対4.4カ月、ハザード比 [HR] 0.30; 95%信頼区間 (CI): 0.23, 0.41;p値<0.001)。ベースラインで中枢神経系 (CNS) 転移を有する34%の患者さんにおいて、PFSに関してもタグリッソはプラチナ製剤とペメトレキセドによる化学療法に比べて有意な延長を示しました (8.5カ月対4.2カ月、HR 0.32; 85% CI: 0.21, 0.49)。

米国テキサス州ヒューストンにあるテキサス大学MDアンダーソンがんセンターの Vassiliki A Papadimitrakopoulou 博士は次のように述べました。「AURA3試験の結果は統計学的に有意であるばかりでなく、タグリッソのような標的治療薬がプラチナ製剤・ペメトレキセド併用化学療法に対し無増悪生存期間の延長を示した初めての結果であることから臨床的にも有意義です。これは肺がん標的治療において我々が達成してきた大きな進歩を強調するものであり、このようなニュースを患者さんに伝えられることに大きなやりがいを感じます」。

香港のシャティンにある香港中文大学のTony Mok博士は次のように述べました。「プラチナ製剤・ペメトレキセド併用化学療法に対し、無増悪生存期間と奏効率の点でタグリッソが優位性を示したことにより、EGFR-TKI耐性患者さんの新たな標準治療にむけて我々が前進していることが示されました。AURA3試験の発表データを受け、タグリッソ治療によるベネフィットを享受する可能性の最も高い患者さんにタグリッソを使用することを担保するために、臨床医はT790M変異検査を実施すべきです」。

AURA3試験のタグリッソの安全性データは過去のタグリッソ使用経験と合致していました。グレード3以上の薬剤関連有害事象 (AEs) はタグリッソ投与群において患者さん の6% (16例 ) において報告され、プラチナ製剤・ペメトレキセド併用化学療法投与群において患者さんの34%(46例)において報告されました。タグリッソ群において最もよくみられた薬剤関連AEsは下痢 (全グレード41%; グレード3以上 1%) 、発疹 (全グレード34%; グレード3以上 1%) でしたが、化学療法群においては悪心 (全グレード 49%; グレード3以上 4%) および食欲減退 (全グレード 36%; グレード3以上 3%) でした。

AURA3試験のデータは過去に発表された第II相試験であるAURA2およびAURA延長試験のデータと一致しています。データの一致はEGFR T790M耐性変異の検出のための組織および血漿サンプルの検査にもみられます。AURA3試験においては、腫瘍細胞にT790M変異がみられた患者さんの約半数において血漿中にもT790M変異が検出されました。T790M変異の同定が循環血中腫瘍DNA検査によるものか組織検査によるものかに関わらず、プラチナ製剤・ペメトレキセド併用化学療法と比較してタグリッソの臨床効果が報告されました。循環血中腫瘍DNA検査と組織検査のいずれも実施可能な国においては、循環血中腫瘍DNA検査で790M変異陰性と診断された患者さんには組織検査の実施が推奨されます

タグリッソは2015年11月に米国食品医薬品局 (FDA) によりFDAが承認した検査方法により、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)による治療後に病勢進行した上皮成長因子受容体 (EGFR) T790M変異陽性非小細胞肺がん (NSCLC) の治療薬として迅速承認を付与されました。タグリッソは2016年2月に欧州医薬品庁 (EMA) により、EGFR-TKIによる前治療の有無にかかわらず、局所進行または転移EGFR T790M NSCLCの成人患者に対する治療薬として条件付き販売承認を付与されました。

さらに、2016年3月には、日本でも、EGFR TKIに抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発NSCLC患者さんの治療薬としてタグリッソが承認されました。同剤は現在、肺がん患者さんの半数近くがEGFR変異を有すると考えられている中国において迅速審査を受けているところです。

※日本においては、現在組織検査のみが承認されています。

以上

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注:
背景資料、インフォグラフィックおよび写真を含む他のサポート資材を閲覧・ダウンロードするにはhttps://www.astrazeneca.com/oncology-events.html をご覧ください。これら資材は2016年WCLCの期間中入手可能です。

AURA3試験について
AURA3試験は、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) よる治療後に病勢が進行した局所進行あるいは転移性EGFR T790M変異陽性NSCLC患者さん419例を対象とし、タグリッソ80mg1日1回投与の有効性および安全性をプラチナ製剤ベースの2剤併用化学療法 (プラチナ製剤とペメトレキセドの併用) と比較検討しています。本試験は、米国、カナダ、欧州、中国、日本、韓国、台湾およびオーストラリアの施設を含む世界130を超える施設において実施されました。

本試験の主要評価項目はPFSであり、副次的評価項目にはOS(全生存期間)、ORR(客観的奏効率)、DoR(奏効期間)、DCR(病勢コントロール率)、安全性および健康関連クオリティ・オブ・ライフ(HRQoL)の測定値が含まれました。

非小細胞肺がん(NSCLC)について
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約3分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります。肺がん患者さんのうち25%から40%がその病期の過程において脳転移を有しています。NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、欧米で10-15%、アジアでは30-40%を占め、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR-TKIによる治療に非常に高い感受性を示します。しかし、腫瘍はほとんどの場合、薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるゲフィチニブあるいはエルロチニブによる治療を受けている患者さんの約3分の2において、二次変異であるT790Mによりこの薬剤耐性が発生します。

タグリッソについて
タグリッソ(オシメルチニブ、AZD9291)80mg錠1日1回投与は、局所進行または転移EGFR T790M変異陽性NSCLC患者さんの第一選択治療として米国、EU、日本、カナダ、スイス、イスラエル、メキシコ、オーストラリアおよびその他の国々で承認されています。タグリッソはまた同様の適応で韓国においても承認されています。タグリッソによる治療を受けることができるか否かは、EGFR T790M変異が腫瘍に存在することを確認することで判断されます。

タグリッソは臨床試験の開始から承認までの期間がわずか2年半という最速の開発プログラムのひとつです。タグリッソは科学の探求により開発された不可逆的EGFR阻害薬であり、T790M耐性変異を標的として、耐性メカニズムを克服するように設計されています。また、本剤は、術後補助療法、脳転移の有無に関わらず進行および転移を有する患者さんへのファーストライン治療、髄膜癌腫症、ならびに他の治療薬との併用療法においても現在検討中です。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの6つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液がん領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性機序、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患および呼吸器の3つの重点治療領域において医療用医薬品の創薬、開発、製造および商業化に従事しています。また、当社は自己免疫、ニューロサイエンスおよび感染症領域においても選択的に活動しています。アストラゼネカは100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。