アストラゼネカのolaparib、 第III相試験(SOLO-2試験)において大幅な無増悪生存期間の延長を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2016年10月26日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


BRCA遺伝子変異陽性再発卵巣がん患者さんにおける維持療法としてolaparibの有効性を検証

Olaparibの安全性プロファイルは過去の試験でみられた結果と一貫性を示す
 

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2016年10月26日、BRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者さんを対象にolaparib錠(300 mg 1日2回投与) 単剤維持療法の有効性を評価した第III相試験(SOLO-2試験)において、良好な結果が得られたことを発表しました。本試験では、プラセボ群との比較で、olaparib群において臨床的に有意義かつ統計学的にも有意な無増悪生存期間(PFS)の延長 が示されたとともに、対象患者さんに対するolaparibによる治療可能性を示す新たなエビデンスが得られました。

特筆すべき点は、SOLO-2試験におけるolaparib群のPFS中央値がプラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者さんを対象とした第II相試験 (Study 19、olaparib単剤維持療法) で確認されたPFS中央値を大幅に上回ったことです1

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「SOLO-2試験においてolaparibが無増悪生存期間を大幅に延長する頑健な結果が示されたことを大変喜ばしく思います。当社は卵巣がん患者さんにolaparib錠を出来るだけ早期に提供できるよう、規制当局と協議していきます。また、olaparibの単剤療法および併用療法を含めたすべての可能性を検討し続けるとともに、この重要な治療薬からベネフィットを受ける可能性がある患者さんを同定することにも注力し続けます」。

初期の解析結果からは、olaparib錠の安全性プロファイルが過去の試験でみられた結果と一貫していた事が示されています。SOLO-2試験の詳細な結果は今後開催される学会で発表される予定です。

BRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者さんに対するこの度のolaparibの良好な結果は、2016年に米国食品医薬品局 (FDA)より付与された迅速審査指定に続くマイルストーンです。

以上

 

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SOLO-2について
SOLO-2試験はBRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者さんを対象としたolaparib 錠 の単剤維持療法としての有効性をプラセボと比較し、評価することを目的とした第III相多施設共同試験です。SOLO-2試験への登録基準は生殖細胞または体細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性の患者さんでしたが、腫瘍BRCA検査が普及していないため、殆どの患者さんは血液検査による生殖細胞BRCA検査に基づき登録されました。腫瘍検査に基づき登録された数少ない患者さんについては、生殖細胞にもBRCA遺伝子変異を有することが確認されました。患者さんは、olaparib錠(300 mg 1日2回投与)群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けられ、病勢が進行するまで治験薬を服用しました1

European Network for Gynaecological Oncological Trial Groups (ENGOT)およびGroupe d’Investigateurs National pour l’Etude des Cancers de l’Ovaire et du sein (GINECO)と共同で実施された本試験は、過去にプラチナ製剤ベースの化学療法を少なくとも2レジメン受け、生殖細胞系列のBRCA1またはBRCA2変異が確認された295例の患者さんを無作為に割り付けました。

アストラゼネカにおける卵巣がんについて
全世界で卵巣がんは7番目に多く診断されるがんであり2、女性のがんによる死因の8番目です3。卵巣がんの発症リスクは、BRCA遺伝子変異を含む特定の遺伝性の遺伝子異常が認められる女性において上昇します。アストラゼネカは、すべての患者さんの治療改善を焦点に、BRCAなどの特定の遺伝子変異を有する患者さんに対する標的治療の開発を含む、卵巣がんの研究開発ポートフォリオを継続的に開発することに注力しています。

Olaparibについて
Olaparibは、革新的なファースト・イン・クラスのポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、DNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導します。同剤はBRCA遺伝子変異陽性卵巣がんの治療薬として米国および欧州連合で承認されています。olaparibは、がん細胞のDNA損傷応答 (DDR) メカニズムを標的とする化合物の中で、業界トップクラスであるアストラゼネカのポートフォリオの基盤となる化合物です。

ENGOTについて
ENGOT (European Network for Gynaecological Oncological Trial groups) はESGO (欧州婦人科腫瘍学会) の研究ネットワークであり2007年に創設されました。現在、ENGOTは欧州15カ国の19の協力団体により構成されています。ENGOTの究極的な目標は婦人科系がん患者さんに対しベストプラクティスを通じ最善の治療を提供し、欧州のすべての国においてすべての患者さんの臨床試験へのアクセスを可能にすることです。ENGOTは婦人科系がん患者さんを対象とする欧州における多国間臨床試験を調整・推進します。この調整は特に学究的臨床試験、トランスレーショナルリサーチ (橋渡し研究) 、希少疾病に関する研究および業界主導の臨床試験に関し行われています。

GINECOについて
GINECO (Groupe d’Investigateurs National pour l’Etude des Cancers de l’Ovaire et du sein)は国および国際的なレベルで婦人科疾患および進行乳がん臨床試験を企画・実施する、フランス国立がんセンター(INCA)によって命名されたフランスのがん研究グループです。本ネットワークは150以上の公立あるいは民間のオンコロジー施設に属する700名の専門治験医により構成される全国組織です。GINECOグループは1993年に設立され、ENGOTおよびGCIGなどの国際的コンソーシアムの会員です。GINECOはSOLO-2試験においてENGOTの主要なグループでした。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの6つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に呼吸器・炎症・自己免疫疾患(RIA)、循環器・代謝疾患(CVMD)、オンコロジーの3つの重点治療領域ならびに感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。

 

1 National Institutes of Health. Olaparib Treatment in BRCA Mutated Ovarian Cancer Patients After Complete or Partial Response to Platinum Chemotherapy. Available at: http://clinicaltrials.gov/show/NCT01874353. Last accessed October 2016.

2 Cancer Research UK. Ovarian cancer incidence statistics. Available at: http://www.cancerresearchuk.org/cancer-info/cancerstats/types/ovary/incidence/uk-ovarian-cancer-incidence-statistics. Last accessed June 2016.

3 Cancer Research UK. Ovarian cancer mortality statistics. Available at: http://www.cancerresearchuk.org/cancer-info/cancerstats/types/ovary/mortality/ Last accessed June 2016.