アストラゼネカのDURVALUMAB, 肺がんおよび頭頸部がんにおいて有望な初期データを示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2016年10月10 日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

 

非小細胞肺がんおよび頭頸部扁平上皮がんに対するdurvalumab単剤療法の初期データ、
持続的奏効率および有望な全生存期間を示す2

新規併用データおよびPD-L1診断検査結果により
患者さんのアンメットニーズに対する治療薬開発への取り組みを強化3,4


アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2016年10月10日、同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと2016年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)会議において進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんと進行頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者さんを対象とした2つのコホート に関するdurvalumabの有効性および安全性データを発表しました1,2。また、HNSCCの4つのPD-L1診断検査分析に関する比較試験の新たなデータについても同学会において発表しました3

メディミューンのシニアバイスプレジデント兼オンコロジー革新的医薬品部門の責任者であるDavid Bermanは次のように述べました。「当社は、本年のESMOにおいて、肺がんおよび頭頸部がん患者さんにとって有望な早期予備データを発表しました。同学会では、未治療患者さんに対するdurvalumab単剤療法の有効性データから新規低分子医薬品との併用に関する当社の早期試験の結果まで、悪性度の高いがん患者さんの治療薬の開発に対する当社の取り組みを示しました」。

NSCLCとHNSCCにおけるDurvalumabの良好な速報値
進行NSCLC患者さんへのdurvalumab単剤療法を検討したStudy1108第I/II相試験の追跡結果により、PD-L1の発現率が低いあるいは発現していない患者と比較してPD-L1発現度の高い腫瘍を持つ患者においてより高い客観的奏効率(ORR)およびより長い全生存期間(OS)が認められました1。対象患者(287例)のうち、PD-L1発現度が高いがん患者さん(154例)におけるORRは25%(95%信頼区間(CI): 19%-33%)であったのに対し、PD-L1発現度が低い患者さん(116例)に おけるORRは6%(95%CI: 3%-12%)でした。治療ステージ別6ヵ月生存率は下記の表に記載したとおりです。

治療ステージ PD-L1高発現群 PD-L1低発現群
1L (n=58) 80% (95% CI: 65% - 89%) 56% (95% CI: 20% - 80%)
2L (n=79) 69% (95% CI: 54% - 81%) 66% (95% CI: 43% - 81%)
≥3L (n=150) 66% (95% CI: 52% - 77%) 53% (95% CI: 41% - 64%)

durvalumabは、本コホートのすべての患者さんに対し、過去のプロファイルを裏付ける安全性プロファイルを示しました1。最も頻繁な薬剤関連有害事象は疲労(17%), 食欲減退(9%),および下痢(9%)でした;患者の5% が有害事象により治療を中止しました1

転移・再発HNSCC患者さんのStudy1108コホートでは、評価可能なすべての患者さん(62例)に おけるORRは11%(95% CI: 5%-22%)、PD-L1発現度が高いがん患者さん(22例)におけるORRは18%(95% CI: 5%-40%)でした2。評価可能なすべての患者さんにおいて、OSは6カ月および12カ月の時点でそれぞれ62%(95% CI: 48%-74%)および42%(95% CI: 27%-55%)でした2。患者さんの5%以上に関し報告された最もよく見られた有害事象は疲労(18%), 下痢および悪心(それぞれ8%), および掻痒、発疹および斑状丘疹性(それぞれ7%)でした5。5例の患者さん(8%)に薬剤関連グレード3-4の有害事象がみられました5

新規化合物との併用
進行・再発がん患者さんに対する新規低分子STAT3阻害剤AZD9150またはCXCR2拮抗剤AZD5069との併用におけるdurvalumabの安全性および作用を評価する第Ib/IIa相試験(SCORES)の早期結果により、併用におけるこの2剤の新薬剤候補の有望な抗腫瘍作用が示されました4。DurvalumabとAZD9150の投与を受けた患者さん(11例)のうち2例が部分奏効を達成し、5例が病勢安定を示しました4。AZD5069の投与を受けた患者さん(20例)のうち1例が完全奏効を示し、2例が部分奏効を示し、5例が病勢安定を示しました4。両群により第II相試験の推奨用量が決定されました4

最もよくみられた有害事象はAZD9150の投与を受けた患者さんにおいては血小板減少症(64%), ALT/ASTの上昇(46%), 悪心(36%)および好中球減少症(36%)、AZD5069の投与を受けた患者さんにおいては貧血、食欲不振、悪心または疼痛(すべて15%)でした4。AZD5069の40mg/kg用量においてグレード3の用量制限毒性が1例発現し、2例の同様の毒性が80mg/kgにおいても認められました4

PD-L1検査におけるリーダーシップ
アストラゼネカは既に商業化されている4つのPD-L1検査の分析的類似点を評価することで、自社のバイオマーカー一致検査を拡大しました3。501の商業的NHSCC腫瘍標本の一致データを分析した結果により既に商業化されている検査3つにおいて85%を超える一致率が示されました3。これらの結果は過去に発表されたデータを裏付けるものとなっており、複数のPD-L1分析に関する現在の課題について、さらに議論を進展させるものです3

PD-L1腫瘍発現が不明な17例を含む
※PD-L1高発現群:腫瘍細胞の25%以上にPD-L1染色がみられた患者群、PD-L1発現:腫瘍細胞の25%未満にPD-L1染色がみられた患者群

以上

 

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ESMOにおけるアストラゼネカに関する詳細については、こちらでご覧ください。twww.twitter.com/AstraZeneca

Durvalumab について
Durvalumabは、現在開発中のプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)に対するヒトモノクローナル抗体であり、腫瘍に対し免疫システムを活性化させるよう設計されています6。DurvalumabはPD-1およびT細胞の活性を最大化するT細胞上の共刺激リガンドCD80とのPD-L1の相互作用を阻害します。PD-L1を阻害することで、durvalumabは腫瘍に対するT細胞の活性を増大させ腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用します6,7。アストラゼネカはがんに対する免疫システムを活性化するという併用重視アプローチの主たる化合物としてdurvalumabを開発中です8。米国において、durvalumabは2015年にPD-L1陽性転移HNSCCの治療薬として迅速審査指定を受け9、2016年にはdurvalumabはプラチナ製剤をベースとする標準化学療法による治療中あるいは治療後に病勢が進行したPD-L1陽性の切除不能または転移性の膀胱がんの治療薬として米国食品医薬品局より画期的治療薬の指定を受けました10

がん免疫治療(IO)に対するアストラゼネカのアプローチについて
がん免疫療法(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです11,12,13。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています7,14。当社はIOに基づく治療は多くの患者さんの人生に変革をもたらす抗がん剤となる可能性を提供するものと信じています。

当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める意思決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用することで、複数の腫瘍型、病期、および治療の段階におけるdurvalumab(PD-L1)単剤療法およびtremelimumab(CTLA-4)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています6。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの6つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

メディミューンについて
メディミューンは、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化するグローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器・炎症・自己免疫疾患、循環器・代謝疾患、および感染症・ワクチン等の重点疾患領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、これに加え英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州マウンテンビューにも研究所があります。詳細は https://www.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に呼吸器・炎症・自己免疫疾患(RIA)、循環器・代謝疾患(CVMD)、オンコロジーの3つの重点治療領域ならびに感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。


対象とする読者
本プレスリリースは英国ケンブリッジに所在するアストラゼネカコーポレート本社により発信されおり、当社のグローバルビジネスに関する情報提供を意図したものです。既承認製品の承認状況および承認内容は国により異なる場合があること、および本トピックに関してアストラゼネカが事業活動を展開している国々において各国独自のプレスリリースが発信されている可能性があることにご注意ください。

1. Antonia S et al. Phase 1/2 study of the safety and clinical activity of durvalumab in patients with non-small cell lung cancer (NSCLC). European Society for Medical Oncology 2016 Congress (Poster). To be presented October 2016.
2. Segal NH et al. Updated safety and efficacy of durvalumab (MEDI4736), an anti-PD-L1 antibody, in patients from a squamous cell carcinoma of the head and neck (SCCHN) expansion cohort. European Society for Medical Oncology 2016 Congress. To be presented October 2016.
3. Ratcliffe MJ et al. A comparative study of PD-L1 diagnostic assays in squamous cell carcinoma of the head and neck (SCCHN). European Society for Medical Oncology 2016 Congress (Poster abstract). To be presented October 2016. 
4. Hong D et al. A Phase 1b Study (SCORES) Assessing Safety, Tolerability, Pharmacokinetics, and Preliminary Anti-tumor Activity of Durvalumab Combined with AZD9150 or AZD5069 in Patients with Advanced Solid Malignancies and SCCHN. European Society for Medical Oncology 2016 Congress (Poster abstract). To be presented October 2016.
5. AstraZeneca. Data on File. October 2016.
6. Stewart R et al. Identification and Characterization of MEDI4736, an Antagonistic Anti–PD-L1 Monoclonal Antibody. Cancer Immunol Res; 2015. Published OnlineFirst May 5, 2015; doi: 10.1158/2326-6066
7. Patel SP and R Kurzrock. PD-L1 Expression as a Predictive Biomarker in Cancer Immunotherapy. Mol Cancer Ther 2015; 14:847-856. Published OnlineFirst February 18, 2015.
8. AstraZeneca. H1 2016 Results. 28 July 2016. Available at https://www.astrazeneca.com/content/dam/az/press-releases/2016/H1_2016_Results_announcement.pdf. Accessed September 2016.
9. AstraZeneca. AstraZeneca reports top-line result of tremelimumab monotherapy trial in mesothelioma. 29 February 2016. Available at https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2016/astrazeneca-reports-top-line-result-of-tremelimumab-monotherapy-trial-in-mesothelioma-29022016.html. Accessed September 2016.
10. AstraZeneca. Durvalumab granted Breakthrough Therapy Designation by US FDA for treatment of patients with PD-L1 positive urothelial bladder cancer. 17 February 2016. Available at https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2016/Durvalumab-granted-Breakthrough-Therapy-designation-by-US-FDA-for-treatment-of-patients-with-PD-L1-positive-urothelial-bladder-cancer-17022016.html. Accessed September 2016.
11. Eggermont E & Finn O. Advances in immuno-oncology. Annals of Oncology 23 (Supplement 8): viii5, 2012. doi: 10.1093/annonc/mds255 
12. Finn OJ. Immuno-oncology: understanding the function and dysfunction of the immune system in cancer. Annals of Oncology 23(Supplement 8): viii6-viii9, 2012. doi: 10.1093/annonc/mds256
13. Melero I et al. Clinical Development of Immunostimulatory Monoclonal Antibodies and Opportunities for Combination. Clin Cancer Res 2013;19:997-1008.
14. Bograd AJ et al. Immune responses and immunotherapeutic interventions in malignant pleural mesothelioma. Cancer Immunol Immunother. 2011 Nov;60(11):1509-27.