アストラゼネカ ブリリンタの末梢動脈疾患患者さんを対象とする EUCLID試験の主要結果を報告

本資料はアストラゼネカ英国本社が2016年10月4日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、ブリリンタ(一般名:チカグレロル)の症候性の末梢動脈疾患(以下、PAD) 患者さんに対する有効性・安全性を調べたEUCLID試験において、ブリリンタがクロピドグレルに優る有用性を示さず、主要評価項目を達成しなかったことを10月4日に発表しました。

EUCLID試験は、28カ国13,885例のデータを含む、PAD患者さんを対象として実施された試験としては最大規模の心血管アウトカム試験です。本試験は、アテローム血栓性イベント (心血管死、心筋梗塞あるいは虚血性脳卒中の複合イベント)の発症抑制に対する、ブリリンタ90mg錠1日2回投与とクロピドグレル75mg1日1回投与を比較したものです。本試験の主要評価項目は、アテローム血栓性イベントのいずれかの症状を最初に発症するまでの期間でした。

予備的解析において、安全性データは、これまでに得られたブリリンタの安全性プロファイルと一致していました。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当バイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べています。「ブリリンタの急性冠症候群および陳旧性心筋梗塞の患者さんおける有用性はすでに確立されていて、今回の結果の影響を受けるものではありません。当社はEUCLID試験において、ブリリンタが症候性PAD患者群でクロピドグレルに優る有用性を示さなかった結果を残念に思っています」。

EUCLID試験の結果の詳細は、2016年11月にルイジアナ州ニューオリンズにおいて開催される米国心臓学会学術集会(AHA)において発表される予定です。

以上

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末梢動脈疾患 (PAD)について
PADは、心血管合併症(多くは心筋梗塞と脳卒中)の原因となる疾患の中でも、世界中で3番目に多い疾患です。PADは全身性動脈硬化性血管疾患の慢性かつ進行性の臨床症状であり、心血管イベントの予測因子でもあります。しかし、限られたPAD患者さんのみが国際的ガイドラインにより提唱されている推奨治療を受けているのが現状です。治癒の手段はなく、患者さんは重篤な心血管病罹患とそれによる死に至る高い危険に晒されています。

EUCLID試験について
EUCLID (Examining Use of tiCagreLor In paD) 試験は、28カ国約13,800例の患者さんを対象とする国際、二重盲検、平行群間、イベントドリブン試験で、アストラゼネカの委託をうけ、ノースカロライナ州ダラムのデューク大学医学部にあるデューク臨床研究所(DCRI)により実施されました。EUCLID試験は、アテローム血栓性イベントの発症抑制(虚血性脳卒中、心筋梗塞および心血管死の複合イベント)におけるブリリンタ90mg1日2回投与の長期治療の有効性と安全性を、クロピドグレル75mg 1日1回投与と比較した試験で、対象は登録時の足関節上腕血圧比(ABI) ≤0.80および下肢症状を持つ、あるいは30日以上前に下肢血行再建術を受けたことがある、50歳以上の症候性PAD患者さんでした。

PARTHENONプログラムについて
PARTHENONは、基礎疾患により心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中および/または心血管死)の発生リスクが高い約85,000例の患者さんを対象とした、アストラゼネカが実施するアウトカムプログラム中最大のプログラムです。アストラゼネカは、PARTHENONプログラムを通じて、アテローム性疾患の治療においてブリリンタが貢献しうる役割を科学的に解明し、患者さんのアンメットニーズに対応することを目指しています。PARTHENONプログラムは、広範な心疾患障害を網羅し、さまざまな時間軸における患者さんを対象とした5つの大規模試験から構成され、対象疾患には冠状動脈疾患(PEGASUS-TIMI54試験)、急性冠症候群 (PLATO試験)、脳卒中(SOCRATES試験)および心疾患イベントのリスクが高い2型糖尿病 (THEMIS試験)が含まれます。

ブリリンタ錠について
ブリリンタ錠は、シクロペンチルトリアゾロピリミジン群(cyclo-pentyl-triazolo-pyrimidines:CPTPs)に分類され、P2Y12受容体に直接作用します。ブリリンタ錠は、血小板活性を阻害することで効果を発揮し、急性冠症候群(ACS)患者さんにおいて心筋梗塞あるいは心血管死を含む血栓性心血管イベントの発生率を低下させることが示されています。

ブリリンタ90mgは、ACS(不安定狭心症[UA] 、 非ST上昇心筋梗塞[NSTEMI]、またはST上昇心筋梗塞 [STEMI])患者さんにおけるアテローム血栓性心疾患イベントの発症率の低減を適応としています。ブリリンタ60mgは、心筋梗塞発症後1年以上経過し、アテローム血栓性イベントの再発リスクが高い患者さんの治療を適応としています。ブリリンタ90mgとアスピリンもしくは他の2剤抗血小板治療薬による治療後1年以上経過した後に、チカグレロル60mgを継続治療として開始することができます。

ブリリンタはクロピドグレルとの比較で、心血管死、心筋梗塞または脳卒中の複合評価項目の発症率を低減することが示されています。両治療薬の効果に関し、脳卒中に関する差異はありませんでしたが、心血管死と心筋梗塞に関しては差異がありました。経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けた患者さんにおいて、ブリリンタはステント血栓症の発症率も低減します。

なお、日本でのブリリンタ錠90mgの適応は、PCIが適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)(ただし、アスピリンを含む抗血小板剤2剤併用療法が適切である場合で、かつ、アスピリンと併用する他の抗血小板剤の投与が困難な場合に限る)です。また、日本でのブリリンタ錠60mgの適応は、以下のリスク因子を1つ以上有する陳旧性心筋梗塞のうち、アテローム血栓症の発現リスクが特に高い場合(65歳以上、薬物療法を必要とする糖尿病、2回以上の心筋梗塞の既往、血管造影で確認された多枝病変を有する冠動脈疾患、又は末期でない慢性の腎機能障害)です。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に呼吸器・自己免疫疾患、循環器・代謝疾患、オンコロジーの3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。