アストラゼネカ 呼吸器バイオ医薬品BENRALIZUMAB 第III相試験 重症喘息の主要試験において良好な結果を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2016年9月5日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

 

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、抗好酸球モノクローナル抗体Benralizumabの主要第III相試験(SIROCCO試験およびCALIMA試験)で、重症の好酸球性喘息患者さんにおいて、標準治療薬にBenralizumabを追加することにより、症状の増悪頻度を有意に低減し、肺機能および喘息症状の改善を示す結果が得られたことを、9月5日に欧州呼吸器学会(ERS)国際会議において発表しました。

SIROCCO試験およびCALIMA試験では、標準治療薬への追加療法としてBenralizumab 30mgを4週ごとに投薬する群、および最初の3回は4週ごと、その後8週ごとに投薬する群の2つの用量レジメンでの有効性を、主要評価項目および主な副次的評価項目において評価し、以下の結果が示されました。

  • 喘息増悪の年間発生率の低下(最大51%)
  • 肺機能の改善(最大159mLのFEV1の変化)は、最初のBenralizumabの投薬から4週間後にみられ、その後の治療期間を通じて持続
  • 喘鳴、咳、胸の圧迫感、息切れ等の喘息症状の改善

これらの結果は8週ごとの投薬レジメンにおいて示され、4週ごとの投薬レジメンにおいては8週ごとの投薬を上回るベネフィットは見られませんでした。さらに、事後解析において、高頻度(前年に3回以上)の喘息増悪の既往歴を有する患者さんにおいて、増悪率の減少、FEV1および総合喘息症状スコアに関してより大きな改善が見られたことが示されました。SIROCCO試験※1およびCALIMA試験※2の第III相試験の詳細結果はThe Lancet誌に掲載されました。

グローバル医薬品開発担当バイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「重症喘息は世界中の何百万人もの患者さんの生活に悪影響を与えている、生命を脅かしうる疾患です。SIROCCO試験およびCALIMA試験の第III相試験結果により、Benralizumabが、より少ない年間投薬回数で、増悪の減少、肺機能および症状の改善をもたらすことが証明され、患者さんにとって有意義な治療選択肢となりうることが示されました。Benralizumabは重症の好酸球性喘息患者さんに対しユニークな作用機序を有しており、アストラゼネカは患者さんに次世代の呼吸器疾患治療薬を提供できるよう邁進しています。」

SIROCCO試験およびCALIMA試験における有害事象発生頻度は、Benralizumab投薬群でそれぞれ72%および74%、プラセボ投薬群の患者さんにおいてそれぞれ76%および78%でした。Benralizumab投薬患者さんにおける発生頻度の高い有害事象(5%以上)は、SIROCCO試験においては喘息、鼻咽頭炎、上気道感染、頭痛、気管支炎、副鼻腔炎、インフルエンザおよび咽頭炎で、CALIMA試験においては鼻咽頭炎、喘息、気管支炎、上気道感染、頭痛および副鼻腔炎でした。

Benralizumabは、直接的かつ迅速にほぼ完全に好酸球を除去する抗好酸球モノクローナル抗体で、24時間以内に効果発現することが早期第I/II相試験により確認されています。約半数の喘息患者さんは、気道炎症と気道過敏性亢進のエフェクター細胞である好酸球によって、頻回の喘息増悪、肺機能の低下およびQOLの低下を余儀なくされています。

SIROCCO試験およびCALIMA試験のデータは、2016年に米国およびEUにおいて計画されているBenralizumabの薬事承認申請に含まれる予定です。

※1 http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)31324-1/abstract
※2 http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)31322-8/abstract
 

重症喘息について
喘息は世界3億1,500万の喘息患者さんの健康と日常生活に悪影響を与えており、その数は2020年までに4億人に増加すると言われています。喘息症例の約10%が重症で、そのうち約40%は既存の標準治療薬ではコントロール不良であると言われています。コントロール不良の重症喘息患者さんの死亡リスクは、重症喘息患者さんの8倍とされています。コントロール不良の喘息は経口ステロイド薬依存を引き起こす可能性があり、全身性ステロイド投与は骨粗鬆症や不安感、うつ、体重増加、緑内障、糖尿病などの様々な重篤で不可逆的な副作用を起こすことがあります。重症喘息患者さんにおいてはまた、疾患による身体的負担ならびに社会経済的な負担も大きく、これらの負担は喘息関連費用の約50%にあたります。

WINDWARDプログラムについて
喘息に関するWINDWARDプログラムはSIROCCO試験、CALIMA試験、ZONDA試験、BISE試験、BORA試験およびGREGALE試験を含む6本の第III相試験により構成されています。WINDWARDプログラムは、呼吸器疾患治療薬としてのバイオ医薬品では最大規模の第III相開発プログラムで、26カ国798施設における3,068例の患者さんを対象として実施しました。

SIROCCO試験およびCALIMA試験は、独立した2本の主要試験で、増悪傾向のある成人および12歳以上の青年期患者さんを対象に、Benralizumab 30mg(定量)の標準的な皮下投与の有効性および安全性を評価する、無作為化二重盲検対照群間プラセボ対照試験です。

高用量吸入ステロイド薬および長時間作用型β2刺激薬(ICS/LABA)を含む標準治療薬の投薬を現在受けている合計2,511例の患者さん(SIROCCO試験1,205例、CALIMA試験1,306例)が、Benralizumab 30mgを4週間ごとに投薬する群、Benralizumab 30mgを4週間ごとに最初の3回投薬し、その後はBenralizumab 30mgを8週間ごとに投薬する群、もしくはプラセボ群に無作為に割り付けられました。すべてプレフィルドシリンジを用いた皮下注射による投薬でした。

WINDWARDプログラムに加え、第III相VOYAGERプログラムが現在進行中で、重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者さんにおいてBenralizumabの有効性および安全性を評価しています。

Benralizumabについて
Benralizumabは、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにより開発された、協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井 陳雄)の完全出資子会社であるBioWa社から導入された製品です。

アストラゼネカにおける呼吸器疾患について
呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域で、製品ポートフォリオは年々成長し、2015年には1,700万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定患者さんのアンメットニーズに応えるバイオ医薬品や、疾患原因を解明する革新的なサイエンスを通じて、喘息およびCOPD治療を改善することを目指しています。アストラゼネカの呼吸器領域における40年の歴史をさらに発展させており、吸入器技術は加圧式定量吸入器(pMDI)、ドライパウダー吸入器(DPI)、ならびにCo-Suspension Delivery Technologyなどに及びます。また、好酸球性疾患、Th2型疾患、上皮性病理生物学の3つの主要な生物学的情報伝達経路に焦点を当てた研究を行っています。

アストラゼネカについて 
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に呼吸器・自己免疫疾患、循環器・代謝疾患、オンコロジーの3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。