アストラゼネカのタグリッソ(オシメルチニブ)2016年欧州肺がん学会において肺がんにおける良好な追跡データを発表

本資料はアストラゼネカ英国本社が2016年4月14 日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


~EGFRm NSCLC患者さんのファーストライン治療における第1相試験の結果は、
客観的奏効率77%、無増悪生存期間19.3カ月でした1
~一方、既治療EGFR T790M変異陽性NSCLC患者さんにおける最新の結果は、
米国、EUおよび日本における最近の承認をさらに支持するものです~

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2016年4月14日、2016年欧州肺がん学会(ELCC:European Lung Cancer Conference)において、非小細胞肺がん(NSCLC) 患者さんに対するオシメルチニブのファーストラインおよびセカンドライン治療における第1相延長試験の追跡データを新たに報告しました。これら最新の発表により、AURA臨床試験プログラムでこれまで確認されていたオシメルチニブの有効性ならびに安全性がさらに強固なものとなりました。

上皮成長因子受容体 (EGFR) 変異陽性進行患者60例 (80mgおよび160mg用量群の統合コホート) に対してオシメルチニブをファーストライン治療薬として検討したAURA第Ⅰ相試験において、客観的奏効率 (ORR、 腫瘍縮小効果)は 77% (95%信頼区間:64 - 87%) 、無増悪生存期間 (PFS) は19.3カ月でした。また、55%の患者さんは18カ月時点においても増悪が見られませんでした(95%信頼区間:41 - 67%)1。データカットオフの時点における奏効期間 (DoR) 中央値は算出不能 (NC) (95%信頼区間:12カ月~NC) でしたが、53%の患者さんは18カ月の時点で引き続き奏効していました (95%信頼区間:36 - 67%)1。60例のファーストライン患者さんのうち5例は診断の時点でT790M変異陽性の腫瘍が認められ(de novo patients) 、すべての患者さんが持続的奏効を示しました。主な有害事象は発疹 (全グレード:78% 、グレード3以上:2%)、下痢(全グレード:73%、グレード3以上:3%)、皮膚乾燥 (全グレード:58%、グレード3以上:0%) および爪周囲炎 (全グレード:50%、グレード3以上:3%) でした。グレード3以上の有害事象はすべて160mg用量群において発現しました1

アストラゼネカのクリニカルオンコロジーバイスプレジデント兼グローバル医薬品開発部門オンコロジー領域の責任者代行であるKlaus Edvardsenは次のように述べました。「EGFR変異陽性NSCLCのファーストライン治療を対象とした第I相試験では、多くの症例において持続的な効果がみられました。診断時にT790M変異が認められた少数の患者さんを含め、最低18カ月間の継続した効果が確認されました。現在実施中の第III相FLAURA試験では、EGFRmファーストライン治療におけるオシメルチニブ80mgの特性がさらに明らかにされます」。

オシメルチニブ80mgによる治療をうけた既治療EGFR T790M変異陽性NSCLC患者さん411例を対象としたAURA第II相試験の最新の併合成績では、PFS中央値は11カ月 (95%信頼区間:9.6 – 12.4カ月)、ORRは66% (95%信頼区間:61 - 71%) およびDoR中央値は12.5カ月 (95%信頼区間:11.1カ月~NC) でした2。有害事象は発疹 (全グレード:41% 、グレード3以上:1%未満)、下痢(全グレード:38%、グレード3以上:1%未満)、皮膚乾燥 (全グレード:30%、グレード3以上:0%)、爪周囲炎 (全グレード:29%、グレード3以上:0 %)でした。間質性肺障害が12例 (全体:3%、グレード3以上:2%)、高血糖が1例 (全体:1%未満、グレード3:0%) 、QT間隔延長が14例 (全体:3%, グレード3以下:1%) にみられました2

オシメルチニブは昨今、米国3、EU4および日本5において、EGFR T790M変異陽性転移NSCLC患者さんの治療を適応とする最初の治療薬として迅速承認を取得しました。現在実施中の確認第III相試験であるAURA3試験は、EGFR-TKIによる治療後に病勢進行した局所進行あるいは転移 EGFR T790M変異陽性NSCLC 患者さんを対象とし、プラチナ製剤ベースの2剤化学療法と比較したオシメルチニブの有効性と安全性を検討しています6

アストラゼネカは、オシメルチニブの術後補助療法および局所進行・転移ファーストライン治療7,8、脳転移9、軟膜疾患、ならびに他の化合物との併用についても臨床試験を続行中です10,11
 

非小細胞肺がん (NSCLC) について
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約3分の1を占めています。また、肺がん死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんの死亡合計を上回ります12。NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、ヨーロッパで10-15%13 、アジアでは30-40%14に上り、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR-TKI による治療に非常に高い感受性を示します15。しかし、腫瘍細胞はほとんどの場合、薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します16。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブ、エルロチニブあるいはアファチニブによる治療を受けている患者さんの約3分の2において、T790Mとして知られる二次変異によりこの薬剤耐性が発生します16

オシメルチニブについて
オシメルチニブ80mg錠1日1回投与は、転移EGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん (NSCLC) 成人患者さんの治療を適応とする世界初の医薬品です3,4,5In vitro試験により、オシメルチニブは臨床的に関連する一連のEGFRmおよびT790M変異陽性NSCLC細胞株全体の変異EGFRリン酸化反応に対し強力な阻害活性を有する一方で、野生型EGFR細胞株に対しては阻害活性が著しく低いことが確認されています17

EGFR-TKIによる治療後に病勢進行した局所進行あるいは転移 EGFR T790M変異陽性NSCLC 患者さんを対象とするAURA3 第III相確認試験において、オシメルチニブとプラチナ製剤ベースの2剤化学療法との比較が行われています6。また、オシメルチニブは術後補助療法および転移ファーストライン治療7,8、脳転移9、軟膜疾患、ならびに他の化合物との併用においても検討されています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する最低6つの新薬および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当て、New Oncologyをアストラゼネカの6つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核的な能力に加え、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるように、当社は戦略を加速する革新的な提携および投資を積極的に追求していきます。

がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤の力を強化し、個別化された併用療法の開発を支持することで、がん治療のパラダイムを再定義し将来的にはがんによる死亡をなくすことがアストラゼネカのビジョンです。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。

1Ramalingam SS, et al. Osimertinib (AZD9291) as first-line treatment for EGFR mutation-positive advanced NSCLC: updated efficacy and safety results from two Phase I expansion cohorts. Abstract LBA1_PR [Oral Presentation]. Presented at the European Lung Cancer Conference, 13-16 April 2016, Geneva, Switzerland.
2Yang JCH, et al. Osimertinib (AZD9291) in pre-treated patients with T790M-positive advanced NSCLC: updated Phase I and pooled Phase II results. Abstract LBA2_PR [Oral Presentation]. Presented at the European Lung Cancer Conference, 13-16 April 2016, Geneva, Switzerland.
3AstraZeneca PLC. TAGRISSO™ (AZD9291) approved by the US FDA for patients with EGFR T790M mutation-positive metastatic non-small cell lung cancer. Issued on November 13th 2015. Available at: https://www.astrazeneca.com/our-company/media-centre/press-releases/2015/TAGRISSO-AZD9291-approved-by-the-US-FDA-for-patients-with-EGFR-T790M-mutation-positive-metastatic-non-small-cell-lung-cancer-13112015.html. Accessed April 2016.
4AstraZeneca PLC. TAGRISSO™ (osimertinib) approved in EU as first-in-class treatment for patients with EGFR T790M mutation-positive metastatic non-small cell lung cancer. Issued on February 3rd 2016. Available at: https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2016/tagrisso-osimertinib-approved-in-eu-as-first-in-class-treatment-for-lung-cancer-03022016.html. Accessed April 2016.
5AstraZeneca PLC. Tagrisso™ (osimertinib) approved in Japan for patients with EGFR T790M mutation-positive metastatic non-small cell lung cancer. Issued on March 29th 2016. Available at: https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2016/tagrisso-approved-in-japan-for-patients-with-egfr-t790m-mutation-positive-metastatic-non-small-cell-lung-cancer-29032016.html. Accessed April 2016.
6National Institutes of Health. AZD9291 Versus Platinum-Based Doublet-Chemotherapy in Locally Advanced or Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer (AURA3). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02151981?term=AURA3&rank=1. Accessed April 2016.
7National Institutes of Health. AZD9291 Versus Placebo in Patients With Stage IB-IIIA Non-small Cell Lung Carcinoma, Following Complete Tumour Resection With or Without Adjuvant Chemotherapy (ADAURA). Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02511106?term=AZD9291+Versus+Placebo+in+Patients&rank=1. Accessed April 2016.
8National Institutes of Health. AZD9291 Versus Gefitinib or Erlotinib in Patients With Locally Advanced or Metastatic Non-small Cell Lung Cancer (FLAURA). Available at https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02296125?term=FLAURA&rank=1. Accessed April 2016.
9National Institutes of Health. Oral Epidermal Growth Factor Receptor Tyrosine Kinase Inhibitors, AZD3759 or AZD9291, in Patients Who Have Advanced Non-Small Cell Lung Cancer (BLOOM). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02228369?term=AZD9291+brain+met&rank=1. Accessed April 2016.
10 National Institutes of Health. Study of AZD9291 Plus MEDI4736 Versus AZD9291 Monotherapy in NSCLC After Previous EGFR TKI Therapy in T790M Mutation Positive Tumours (CAURAL). Available at https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02454933?term=CAURAL&rank=1. Accessed April 2016.
11National Institutes of Health. AZD9291 in Combination With Ascending Doses of Novel Therapeutics. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02143466?term=azd9291&rank=1. Accessed April 2016.
12GLOBOCAN (2012). Estimated cancer incidence, mortality and prevalence worldwide in 2012. Available at: http://globocan.iarc.fr/Pages/fact_sheets_cancer.aspx. Accessed April 2016.
13Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR mutation testing on cytological and histological samples in non-small cell lung cancer: a Polish, single institution study and systematic review of European incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013;6:2800-12.
14Ellison G, et al. EGFR mutation testing in lung cancer: a review of available methods and their use for analysis of tumour tissue and cytology samples. J Clin Pathol. 2013;66:79-89.
15Langer CJ, et al. Epidermal Growth Factor Receptor Inhibition in Mutation-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer: Is Afatinib Better or Simply Newer? Journal of Clinical Oncology. 2013;31(27);3303-3305
16Yu HA, et al. Analysis of Tumour Specimens at the Time of Acquired Resistance to EGFR-TKI Therapy in 155 Patients with EGFR-Mutant Lung Cancer. Clin Cancer Research:2013:19(8):2240-2246
17Cross DAE, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4:1046-61.