アストラゼネカ チカグレロルが米国心臓病学会および米国心臓病協会の急性冠症候群治療ガイドラインで推奨を受ける

本資料はアストラゼネカ英国本社が2016年3月31日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


心筋梗塞発症後1年以上経過した患者さんにおける
チカグレロルの拡大適応を含む最初の主要米国ガイドライン

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、米国心臓病学会(以下、ACC)および米国心臓病協会(以下、AHA)が抗血小板薬2剤併用治療(以下、DAPT)の期間に関して治療ガイドラインを発表したことを3月31日に発表しました。この新しいガイドラインにおいて、チカグレロル(米国での製品名:BRILINTA®)が、冠動脈ステント留置を受けた急性冠症候群の既往歴がある患者さん、および薬物のみの治療を受けた非ST上昇型急性冠症候群(以下、NSTE-ACS)患者さん(クラスIIa LoE: B-R)の治療において、クロピドグレルよりも優先されるべきであることが推奨されています。ACCとAHAが、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)の既往歴がある患者さんに対してクロピドグレルよりもチカグレロルを優先して推奨したのは、今回のガイドライン改訂が初めてです。

またこの改訂は、PEGASUS-TIMI 54試験から得られた知見を医療界に提供する最初の米国ガイドラインでもあります。本改訂版ガイドラインは、出血リスクが高くない心筋梗塞の既往歴を有する患者さん(クラスIIb LoE: A)に対し、発症から12カ月後以降もP2Y12での治療の継続を支持するものです。本改訂版ガイドラインの詳細はACCのウェブサイト上で閲覧可能です。

アストラゼネカのバイスプレジデント兼グローバル医薬品開発部門循環器・代謝疾患領域責任者であるElisabeth Björkは次のように述べました。「当社はACCおよびAHAが、ACS治療全体におけるチカグレロルの役割をさらに深く認識したことを喜ばしく思います。本改訂は、チカグレロルが心筋梗塞患者さんの急性期および長期治療の両方で、治療選択肢として臨床における信頼を得られたことを反映するものです」。

日本においてチカグレロルは未承認薬ですが、米国食品医薬品局 (以下、FDA)は、2015年9月に心筋梗塞の既往歴を有する患者さんに対するチカグレロル60mg用量の使用を承認しました。チカグレロルは、過去10年においてFDAが心筋梗塞の既往歴を有する患者さんに対する長期使用を承認した唯一のP2Y12阻害剤です。米国では、チカグレロルは、ACSの患者さん、または心筋梗塞の既往歴がある患者さんにおける 心血管死、心筋梗塞 および脳梗塞の再発抑制の適応で承認されています。ACS発症から12カ月間までの治療においては、チカグレロルがクロピドグレルに優ることが証明されています。また、チカグレロルはACSのステント留置を受けた患者さんにおいて、ステント血栓症の発生率も低下させます。

今回のガイドライン改訂は、米国心臓学会第65回年次学術集会の開催前に実施されました。同学術集会では、PEGASUS-TIMI 54試験の末梢動脈疾患(PAD)または糖尿病を合併している心筋梗塞の既往歴がある患者さんを対象としたサブ解析のデータが発表されました。

2016年下半期には、さらに、ハイリスクの患者群である末梢動脈疾患患者さんにおけるチカグレロルのポテンシャルを評価するPARTHENONプログラムの一つであるEUCLID試験の結果が得られる予定です。
 

ACCおよびAHAガイドラインについて
抗血小板薬2剤併用療法 (DAPT) に関するACC/AHA Focused Update(限定アップデート)により、既に発表されているACC/AHAの診療ガイドライン6本が改訂されます。今回の改訂の範囲は、DAPTの期間ならびに冠動脈疾患の患者さんにおけるアスピリン単剤と比較したDAPTの効果に限定されています。

改訂ガイドラインにおいては、冠動脈ステント留置施行後にDAPT治療を受けたACS (NSTE-ACSあるいはSTEMI)患者さん、および(血行再建せずに)薬物治療のみを受けたNSTE-ACS患者さんに対するP2Y12阻害薬の維持療法には、クロピドグレルに比べチカグレロルを使用するのが合理的であると推奨されています。

12カ月以上の長期DAPT治療に関してガイドラインは、冠動脈ステント留置を受けたACS(NSTE-ACSまたはSTEMI)患者さんのうち、DAPT治療に忍容性があり出血を合併しない患者さん、また高い出血リスク (例えば、DAPT治療中の出血既往歴、凝固障害、経口抗凝固薬の使用など)がない 患者さんにおいては、DAPT(クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル)を12カ月以上継続する治療は合理的である可能性があると推奨しています (クラスIIb)。冠動脈ステント留置を受けた患者さんにおいてDAPT治療を延長すべきか否かの判断をする際には、DAPTスコアと呼ばれるDAPT治療試験から派生した新しいリスクスコア が役立つ可能性があります。ACC/AHAガイドラインへはこちらからアクセス可能です。http://www.acc.org/latest-in-cardiology/features/dual-antiplatelet-therapy-dapt-focused-update-hub?w_nav=CI.

PEGASUS-TIMI 54試験について
PEGASUS-TIMI 54 (PrEvention with TicaGrelor of SecondAry Thrombotic Events in High-RiSk Patients with Prior AcUte Coronary Syndrome – Thrombolysis In Myocardial Infarction Study Group)は、アストラゼネカの最大級のアウトカム試験のひとつで、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、オーストラリア、アジア31カ国、1,100超の施設からの2万1,000例を超える患者さんを対象としています。本試験は米国マサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院のTIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction)研究グループと協働して実施されています。

チカグレロル(米国での製品名:BRILINTA®)について
チカグレロルは、急性冠症候群(ACS)または心筋梗塞の既往歴がある患者さんの治療に使用される経口抗血小板薬で、シクロペンチルトリアゾロピリミジン群(cyclo-pentyl-triazolo-pyrimidines:CPTPs)に分類され、P2Y12受容体に直接作用します。チカグレロルは血小板活性を阻害することで効果を発揮し、ACS患者さんにおいて心筋梗塞あるいは心血管死を含む血栓性心血管イベントの発生率を低下させることが示されています。

チカグレロル90mgはACS(不安定狭心症 [UA]、非ST上昇型心筋梗塞 [NSTEMI]、またはST上昇型心筋梗塞 [STEMI] ) 患者さんの血栓性心血管イベントの発生率の低減を適応としています。チカグレロル60mgは心筋梗塞発症後1年経過までの患者さんでアテローム血栓性イベントの再発リスクが高い患者さんの治療を適応としています。

チカグレロルは複合エンドポイントである心血管死、心筋梗塞または脳梗塞の発生率をクロピドグレルとの比較において低減することが示されています。この治療群間差は心血管死と心筋梗塞における違いによるもので、脳梗塞では差はありませんでした。また、経皮的冠動脈形成術(PCI)が施行された患者さんにおいても、チカグレロルはステント血栓症の発生率を低減します。

BRILINTAはアストラゼネカグループの登録商標です。チカグレロルは日本国内では未承認です。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に呼吸器・炎症・自己免疫疾患 (RIA) , 循環器・代謝疾患 (CVMD) 、オンコロジーの3つの重点治療領域ならびに感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。