アストラゼネカとModerna Therapeutics社、がん免疫治療mRNA therapeutics™の共同開発、共同商業化における新たな提携を発表

本資料はアストラゼネカ英国本社が2016年1月11日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


Moderna社は前臨床開発を、アストラゼネカは臨床開発を主導
米国での商業化はModerna社が行い、開発製品の利益は折半

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)ならびに同社グローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは、2016年1月11日、Moderna Therapeutics社(本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Stéphane Bance、以下、Moderna社)との一連のがんの治療薬候補であるメッセンジャーRNA (mRNA) の創薬、共同開発および共同商業化に関する新たな提携を発表しました。今回の提携は、2013年に三者で発表した循環器、代謝、腎疾患およびがんのいくつかの標的に対する治療を目的とするmRNA Therapeutics™の開発に関する契約に追加されるものです。

今回の提携はメディミューンのタンパク工学およびがん生物学の専門性とModerna社のmRNAプラットフォームを組み合わせるものです。mRNAを基盤とする治療は生体内で治療用タンパクを生成することを可能にする革新的な治療方法であり、現在既存の技術を用いても対応できない広範な疾患への新たな治療選択肢を提供するものです。

新契約のもと、アストラゼネカとmRNA Therapeutics™のパイオニアであるModerna社は、腫瘍モデルにおける薬理学的データを含む有望な前臨床データに基づく2つの具体的ながん免疫治療プログラムに関し提携することを合意しました。Moderna社は、2つのプログラムのそれぞれに関し治験薬申請に適した分子を開発することを目的に、新薬候補の創薬および前臨床開発の費用を負担するとともにそれらの責任を負います。Moderna社の取り組みは同社のオンコロジーに特化したベンチャーであるOnkaidoにより主導されます。アストラゼネカは、メディミューンが主導する早期臨床開発の責任を負い、後期臨床開発費用はModerna社およびアストラゼネカ双方が負担します。両社は開発の結果生み出される製品を米国において対等の利益配分を前提に共同で商業化します。アストラゼネカは米国以外の商業化を主導し、Moderna社は米国以外の売上に対し2桁のロイヤルティーを上限とし、段階的なロイヤルティーを受領します。

アストラゼネカのCEOであるパスカル・ソリオは次のように述べました。「当社は、がん患者さんに対する画期的な新規治療薬の開発において先駆的なメッセンジャーRNA技術を進展させるため、今回の提携によってModerna社との関係を拡大できることを喜ばしく思います」。

Moderna社のCEOであるStéphane Banceは次のように述べました。「2013年3月に締結された最初の提携以来、当社のアストラゼネカとの関係は非常に実り多いものでした。今回のアストラゼネカとの新たな契約は両社の既存の関係の有効性と当社のmRNA技術の実力を示すものです。当社は、この大きな第一歩によってアストラゼネカおよびメディミューンとの関係を深められることを非常に喜ばしく感じており、我々の新規共同がん免疫治療プログラムを速やかに実施していくことを楽しみにしています」。

両社の当初の戦略的提携において、アストラゼネカは、mRNAの事後の開発に関し最大5年間、循環器疾患の標的を選択する権利およびオンコロジーの標的を選択する独占的権利を有しています。本契約に基づき数件のプロジェクトが臨床開発に向けて進行しており、2016年後期にはヒトでの最初の試験が開始される予定です。
 

Moderna Therapeuticsについて
Moderna社は、患者さんの細胞内にヒトタンパク、抗体および完全に新規なタンパク構造体を生成し、順次分泌あるいは細胞内で活性化する全く新しい生体内医薬品技術であるメッセンジャーRNA Therapeutics™のパイオニアです。この革新的なプラットフォームは現在新薬開発に繋がっていない標的に対応し、広範な病態に対し既存の薬剤の作用機序よりも優れた選択肢を提供します。Moderna社は、自社のベンチャー企業および有力な医薬品およびバイオテク企業との戦略的関係を通じて、自社の革新的mRNA医薬品を開発し商業化する方針です。同社の現在のベンチャー企業にはオンコロジーに特化するOnkaido、 感染症に特化するValera、 希少疾病に特化するElpidera、および個別化がんワクチンに特化するCapernaがあります。ケンブリッジに本社を置くModerna社は非上場会社であり、現在、アストラゼネカ、Alexion Pharmaceuticalsおよびメルクと戦略的契約を有しています。

mRNAを医薬品に転換することを可能にする新しい技術をもって、Moderna社はmRNA医薬品候補の迅速かつ低コストな設計、創出ならびに生産を中心とする本格的な創薬および開発のプラットフォームを構築しています。またModerna社は医薬品開発活動の分散化に基づく革新的なビジネスモデルも推進しています。Moderna社は、社内コンセプト開発体制、治療領域に特化したベンチャー企業、および一連の大手医薬品およびバイオテクパートナーにより、オンコロジー、感染症、希少疾病および循環器疾患全体で現在90件を超える前臨床プログラムを可能にしています。またModerna社のパイプラインは、薬剤の多彩な新規作用機序をカバーしています。それぞれの作用機序は、同社が有する、治療効果を発揮するタンパクをコードする新規mRNAの発現プラットフォームを活用した独特のアプローチを象徴するものです。詳細についてはhttp://www.modernatx.comをご覧ください。

メディミューンについて
メディミューンは、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化するグローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、呼吸器、炎症、自己免疫疾患、循環器および代謝疾患、がん、ニューロサイエンスならびに感染症、ワクチン等の注力疾患領域において新規標的経路の探索に取り組んでいます。メディミューンの本社は、英国のケンブリッジおよび米国カリフォルニア州マウンテンビューとならび、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあります。詳細は https://www.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
オンコロジーはアストラゼネカが歴史的に深く根差した伝統を有する治療領域です。本領域は当社の主要な成長基盤のひとつであり、当社の将来を変革することが期待されています。当社のビジョンはがん治療のパラダイムを再定義することで患者さんを助け、将来的にはがんによる死亡をなくすことです。2020年までに6つの新しいがん治療薬を患者さんにお届けすることを目指しています。当社の次世代医薬品の広範なパイプラインは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの主要な基盤のもと、卵巣がん、肺がん、乳がんおよび血液がんの4つの主な疾病領域に焦点を当てた開発を進めていきます。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に呼吸器・炎症・自己免疫疾患 (RIA) 、 循環器・代謝疾患 (CVMD) 、オンコロジーの3つの重点治療領域ならびに感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。